軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

227ーラルク

「リリ、リュカも、紹介しよう」

父がそう言うと、知らない男の子が一歩前に出た。

「辺境伯領に同行するラルクだ」

「リリアス殿下、お初にお目に掛かります。ラルク・ナンナドルと申します。此度、ご一緒させて頂きます。宜しくお願い致します」

「ナンナドル……セティとニルの?」

俺はセティを見る。

「はい、リリアス殿下。甥に当たります。私の弟の次男です。殿下より1歳上になります。宜しくお願い致します」

セティの家系て事は、俺の側近候補か?

「リリ、そうだよ。候補だ」

ラルク・ナンナドル

俺より1歳上の11歳。セティやニルと同じ黒髪だ。ショートカットのサラサラな黒髪に綺麗な籐色の瞳だ。

11歳なのに、リュカより落ち着いて見えるぞ。リュカ、頑張れ。

「リリが学園を卒業するまでに決めれば良いから、まだ正式ではないんだ。

だが、ラルクが1番リリに歳が近い。ちゃんと教育も受けている。とりあえず、仲良くしなさい」

「はい、父さま」

「これから学園の入学まで、毎日リュカやニルと一緒にリリに付く。学園が始まったら週末だけになるけどね。

リュカ、色々教えてやってほしい」

「はッ、陛下。ラルク様、お初にお目に掛かります。リリアス殿下の従者兼護衛のリュカ・アネイラと申します。宜しくお願いします」

「ラルク、リュカは先日3等騎士に叙任された。殿下が3歳の頃からお側に付いている。色々教わるといい」

「はい伯父上。リュカさん、ラルクです。宜しくお願いします」

側近か……そう言われてもなぁ。俺、まだ10歳だしな。フレイやクーファルの様に何か決まった仕事をしている訳でもないし。

「リリ、テュールやフォルセにも既に付いている。リリも徐々に慣れないとね」

知らなかった。テュールやフォルセももう側近がいたんだ。そうか、1番歳が近いフォルセでももう18歳だもんな。

相変わらず妖精の様に可愛いから、忘れてたよ。

「殿下、それで出発の時ですが……」

セティから具体的にどれだけの人数が同行するか聞かされた。

今回、皇后様、母、フレイが同行する。フレイの第1騎士団はもちろん、皇后様と母もいるから、近衛師団からも数人同行する。大所帯だ。その上、レイにアースだ。二人共、従者が同行する。

辺境伯アラウィンに迷惑じゃないだろうか?

「ニル、りんごジュースちょうだい」

「はい、殿下」

「ニル、我も欲しい」

ユキさん、冬は流石にネコ科らしく丸まって寝ている事が多かった。

最近は、暖かくなったのでやっと動き出したな。

「ニル様、宜しくお願いします」

「ラルク、久しぶりね。大きくなったわね」

「ニル様はお変わりなく」

「まあ、大人になって……!」

おや、ニルが感動してるぜ?

「殿下、ラルクは赤ちゃんの頃から知っているので……感慨深いです」

そっか。そんな感じか。そうだよな、ニルは俺が赤ちゃんの時から付いてくれてるもんな。

「ユキ、ラルクて言うんだ。仲良くしてね」

「殿下、神獣の?」

「うん、ユキて言うの。宜しくね」

「ユキ様、ラルクです。宜しくお願い致します」

「我は様などつけなくて良い。ユキだ。リリを守っている」

「か、か……」

「か?」

「カッコいい!」

だろ? だろ〜? ユキちゃんかっこいいんだよ。

「うん? ニル何?」

「エイル様からお預かりした物があります。マジックバッグにしたいと仰ってました。

それと、ドレス等が嵩張るので大きめの物も欲しいと仰ってその分もお預かりしているのですが」

ふむふむ。要するに2個作ってねと、言う事だね。

「ニル、分かった。どっちも作るよ」

「はい、殿下。では、お持ちしますね」

ニルが奥の部屋へ行った。

「あの……、殿下。もしかして、これからマジックバッグを作られるおつもりですか?」

「うん。あ、ラルクもいる?」

「え……? へ……? そんな軽く……」

「うん。マジックバッグならすぐ作れるから大丈夫だよ。魔物の皮でできた物とか丈夫な物の方がいいんだけどね。何か持ってる? なかったらボクの使ってないの使う?」

「え……? ええッ……!?」

「ラルク様、慣れて下さい。リリ殿下はこんな感じですから。俺もマジックバッグ頂きましたから、遠慮しなくて大丈夫です」

「リュカさん、そうですか……?」

「はい。慣れましょう」

ん? リュカにディスられてる気がする。いやいや、リュカはマブダチだからね。そんな事はしないさ。

「殿下は10歳ですが、魔力量は10歳じゃありませんから」

おい、リュカ。やっぱディスってるよな?

「リュカ……その表現は違う」

「え? 殿下、違いますか? だって10歳で殿下と同じ魔力量の子供はいませんよ? いや、大人でもいません」

「そりゃそうかも知れないけどさぁ」

「殿下、こちらです。」

ニルが旅行カバン位の大きさの物と、小さなポシェットの様な物を持ってきた。

どちらも魔物の革でできている様だが、そんな無骨さはない。むしろ可愛いぞ。良い物じゃんか。母よ、奮発したな。いや、わざわざ作らせたか?

「ニル、ボクが使ってないマジックバッグをラルクにあげて」

「はい、お持ちしますね」

「いえ、殿下。そんな訳にはまいりません」

「え? いらない?」

「いえ、欲しいですが。その……殿下の物を頂く訳には……」

「いいのいいの。気にしない」

「は……? え……?」

「ラルク様、慣れましょう。遠慮はいりません」

「うん。リュカの言う通りだよ」

「はあ……」

「ラルク、どちらが良いかしら?」

ニルが二つマジックバッグを持ってきた。

「ニル様、本当によろしいのでしょうか?」

「ラルク、殿下が良いと仰っているのですから。構いませんよ」

「はあ……あの……殿下はいつもこんな感じですか?」

「……?ええ」

「…………ふ、フハハハ」

「え? ラルク、どうしたの?」

それまで、大人しく控えめにしていたラルクが急に笑い出した。

何だ? ラルク、もしかしてまた個性強いキャラ来たか?