軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

VS巨大トカゲ

再度56階層に下りた俺達。

そこでは、先ほど倒したはずのトカゲ達を埋め尽くす程の大量のフィッシュリザード、そして、巨大トカゲが待ち構えていた。

「まずは、先制攻撃、スラッシュ!」

俺の手刀ダブル攻撃によるスラッシュが二匹の敵を倒し、次に前々から考えていた裏技を実行してみる。

「プチファイヤ!」

刹那――生み出されたのは通常の倍の大きさはあろうかという火の玉だった。

あんなのプチじゃねぇよ! という威力のプチファイヤが五匹のフィッシュリザードを飲み込む。

「ご主人様、今の魔法は!?」

「気にするな! 戦いに集中しろ!」

今度はもう一つの手段、さらに再度あれをして、アイテムバッグから剣を取り出し、蜥蜴の中心に飛び込む。

「回転切り!」

スキルアップした回転切りは効果範囲が広くなったようで、一度に二十匹のトカゲを薙ぎ払った。

こちらもやはり威力が大幅に増している。

よし、成功だ。

俺が今したのは、魔法を使うときは咄嗟に見習い魔術師と魔術師を、剣を使うときは見習い剣士と剣士を、という具合に職業を付け替えていた。

瞬間的に変える訓練はちょくちょく行っていたんだが、実戦初投入で想像以上の威力を発揮した。

そして、俺は剣士向け職業(無職・剣士・見習い剣士・拳闘士・狩人)に切り替え、巨大トカゲに斬りかかる。

が、蜥蜴の舌が俺を寄せ付けまいと応戦。

足元にもトカゲが集まってきた。

だが、そろそろいけるか。

「スラッシュ!」

俺の剣による攻撃が――巨大なトカゲのしっぽを切り落とした。

くそっ、狙いが外れた。

巨大なしっぽは暴れるように大きく跳ね、動きを止めた。

そして、巨大トカゲから、再度尻尾が生えてくる。

再生が早いな。

怒り狂った巨大トカゲは口を大きく開け、仲間を踏みつけようがお構いなしに突撃してきた。

……バカな奴だ、逃げれば命拾いできたかもしれないのに。

俺は咄嗟に職業を魔術師向き職業(無職・平民・見習い魔術師・魔術師・見習い錬金術師)に変更し、笑った。

「プチファイヤ!」

明らかにプチの威力を大幅に超えた火炎球が、巨大トカゲの口の中に入って行き、爆発を起こした。

飛び散る肉片――そして、残ったフィッシュリザードは一斉に逃げ出した。

追いかけようとするが、蜘蛛の子を散らすように逃げたので、これは諦めたほうがいいか。

くそっ、もう少し雑魚を倒してからボスを倒せばよかった、と後悔する。

そして、残ったのは巨大なトカゲの鱗、巨大な肉、そして3枚のレアメダル――あと大量の経験値だった。

【イチノジョウのレベルが上がった】

【平民スキル:投石が投擲にスキルアップした】

【職業:遊び人が解放された】

【見習い魔術師スキル:雷魔法を取得した】

【魔術師スキル:杖装備が杖装備Ⅱにスキルアップした】

【魔術師スキル:魔力ブーストを取得した】

【魔術師スキル:火魔法が火魔法Ⅱにスキルアップした】

【見習い錬金術師スキル:錬金術を取得した】

【錬金術:レシピを20種類取得した】

【見習い錬金術師スキル:鉱石鑑定を取得した】

【拳闘士スキル:速度上昇(微)を取得した】

【狩人スキル:命中補正(微)を取得した】

【行商人スキル:食品鑑定を取得した】

【スキル統合:鉱物鑑定と食品鑑定は、食品・鉱物鑑定に統合された】

うぉ、頭がパンクしそうになる。

ステータスでスキルを見ると、かなり邪魔になるな。

そう思ったら、

【称号:スキルマニアを取得した】

【スキル:スキル整理を取得した】

……………………………………………………

スキル説明:スキル整理【称号スキル】

ステータス画面のスキルを別画面に移すことができる。

別画面のスキルは他人からは見えなくなる。

……………………………………………………

うわ、なんか便利なの来たな。

整理できるだけじゃなく、他人からスキルを見られることがなくなるってことか。これ、第五職業設定とかを隠すのにも便利じゃないか。

いや、逆に考えたら俺みたいに多くのスキルを持っている人は、他人のスキルを見ることができるスキルを入手したとしても看破できないってことなんだよな。

仮に他人のスキルを見る能力を手に入れたとき、実力とスキルが一致しない相手がいたら気を付けないといけない。

とりあえず、スキルは全部別画面に移して、整理はまた今度にしよう。

「おおい! 初心者(ルーキー) ! 無事かぁ!」

階段の上から、ちょうどジョフレの声が聞こえてきた。

助けを呼んできたのか。もう必要ないのに。

そう思ったら、

「悪い、道に迷ったんだ!」

「転移陣まで案内して!」

二人のそんな大声に、俺とハルは顔を見合わせて笑った。

※※※

ジョフレとエリーズは落ちている鱗を集め、俺達は魔石と肉を集めた。

幸運値のおかげか、俺が倒したフィッシュリザードのほうが、ハルが倒したフィッシュリザードよりも魔石が大きい。

ハルが倒したフィッシュリザードの魔石が碁石程度だとすれば、俺が倒したフィッシュリザードの魔石はピンポン玉くらいの大きさがある。

そして、ボストカゲが落とした魔石は、バスケットボールくらいの大きさだった。

大きければ大きいほど純度が高い魔石だということで、これはかなり高く売れるだろう。

「凄いんだなぁ、 初心者(ルーキー) ……あぁ、これだけフィッシュリザードを狩れるのなら 初心者(ルーキー) って変か」

「じゃあ、 初心者(ルーキー) の逆で ルーキー(初心者) ってどうかしら?」

「いいな、それ! ルーキー(初心者) 」

……いや、おかしいだろ。いろんな意味で。

「にしてもおかしいよな。一応、ギルドの依頼が貼られていたんだから、俺達以外にも冒険者が来てもおかしくないだろうに。結局、食べられた冒険者だけしかいなかったのか?」

今も誰も来ないし。

「あぁ、それは僕が他の人に依頼を横取りされないように依頼書を剥がして持ってきたからさ!」

「流石ジョフレ! 智将ね! 天才!」

……ジョフレが依頼書を掲げ、エリーズが拍手喝采する。

相変わらずこいつらは……。

「あの、討伐依頼の依頼書を無断で剥がすと罰金を支払わないといけませんよ」

「え? そうなの?」

ハルの言葉に、ジョフレの顔色が真っ青になる。本当に何も考えていないようだ。当然だろ。

「まぁ、これだけ鱗を拾ったんだ。赤字になることはないだろ。ボストカゲの鱗もあるし」

「おう、そうだな!」

今泣いたカラスがもう笑う、のように表情をコロコロ変えるジョフレを見て、こいつらとももうお別れかと思うと、なんだろう、感慨深い気持ちになるな。

最初の出会いは最悪だったけど。

こうして、俺たちは地上へと戻って行った。

残すミッションはあと一つだ。