軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第34話  違法行為

「勝手な 真似(まね) をされては困ります。政府の許可なく魔法を使うことは法律で禁止されたのはご存じでしょう! 場合によっては国家反逆罪に問われることもありえるんですよ」

「今は、そんなこと言ってる場合じゃない! 大勢の人が危険に 晒(さら) されてるんだ。すぐに行かないと」

「あなたの妄想ですよ。もし本当に大阪が襲われているんなら官邸から連絡が来ています」

「官邸は、襲撃されてメチャメチャになってるよ! 連絡どころじゃないはずだ!!」

「大阪にも大勢の自衛隊員がいる! 簡単に潰されるようなヤワな部隊はいませんよ!!」

五条が山本と口論していると、慌てるように坂木が入ってきた。

「どうしたんですか? 五条さん、何かあったんですか!?」

「坂木さん、大阪が魔物の襲撃を受けてる。今から行こうと思ってるんだが‥‥‥」

五条は困ったように山本の顔を見た。

「そんな報告は来ていない! とにかく五条さんには勝手な外出は控えていただきたい。後々問題になっても困りますからな」

坂木は困惑したが、五条が嘘を吐いているとは思えない。

「そんなに切迫した状況なんですか?」

「かなり悪いと思う‥‥」

「‥‥‥わかりました、行ってください。責任は自分がとります」

「なっ勝手なことを言うな! お前に責任がとれるわけなかろう!!」

山本は見るからに頭に血がのぼっていた。強い口調で坂木を叱責したが坂木は意に介すつもりがないようだった。

「五条さんの言うことを信じます。大阪を市民を助けてあげてください!」

「ありがとう。行ってくるよ」

「何を言っているんだ! この宿舎から出ることは認めない。それでも出ようとするなら力づくでー‥‥‥」

山本がそう言おうとした瞬間‥‥‥‥すでに五条は消えていた。唖然とする山本を尻目に坂木は思った。

頼みましたよ五条さん――

◇◇◇◇◇◇◇◇

瞬間移動で大阪市の上空に来ていた。“千里眼”で見える範囲であれば正確に移動することができる。

ビルの屋上に降り立った俺は眼下の光景を見下ろす。ドラゴンゾンビによって町は予想以上に被害を受けていた。

魔物は表面が腐敗したおぞましい姿をしている。“敵意感知”の反応だと計5体いるようだ。

自衛隊も戦車や軍事ヘリによって必死の抵抗を試みているが、まったくと言っていいほど魔物にダメージを与えることができていない。

ドラゴンゾンビが放つブレスは広範囲にわたって被害を出し、ブレスの 瘴気(しょうき) にあてられるともがきながら皮膚が青紫になって人々は次々と倒れていく。

時間を止めて“僧侶”職業ボードを取り出し、表面をタッチした。このドラゴンゾンビを全て倒せば僧侶をカンストできるかもしれない。

職業スキルも、もう少しで“SSS”だからな‥‥‥。

時間を動かし、真下にいる魔物を倒すため全力で魔法を放った。

「轟雷!!」

激しい落雷がドラゴンゾンビに襲い掛かる。

「ギュウウアーーー!!」

魔物は、けたたましい叫び声をあげていた。プスプスと音を立て、表面は焦げているようだったが、絶命するには至らない。

やはり魔法防御が高いうえ、“魔法耐性(Ⅴ)”のスキルがあるので魔法は効きにくいようだ。

地上に降りた俺に、ドラゴンゾンビが強力な 瘴気(しょうき) のブレスを吐きかけてきたが俺には“全状態異常耐性”があるため、まったく効かなかった。

俺が問題なく歩いて近づくと、今度は衝撃波を伴う咆哮を放ってきた。周囲の建物や電柱は吹き飛んだが“結界防御”で全て防ぐことができた。

「 重力圧殺(グラビティプレス) !!」

ある程度、近づいてからアンデッド系には効果絶大な“重力操作”を使って攻撃する。

予想通り、メキメキ音を立てて地面に崩れ落ちた。しかし――

「なっ!?」

崩れ落ちた骨や肉が浮かび上がって、元通りに再生していった。

「なんだコレ!? こいつらの能力なのか?」

おかしいな‥‥‥鑑定で見たスキルには“魔法耐性(Ⅴ)”しか無かったはず‥‥‥‥なんでこんな能力を持ってるんだ!?

「まあいいか‥‥‥土魔法・ 石槍陣(せきそうじん) !!」

ドラゴンゾンビの周りから岩で出来た巨大な杭のような物が地中から魔物の体を突き刺した。

「これで動けないな。跡形もなく滅殺する。“複合魔法・火炎旋風”!」

岩に拘束されている魔物は炎の竜巻により、体を引き裂かれながら焼き尽くされていく。

かなり派手に魔法を使ったので大阪の市民や自衛隊員は空高くまで達した“炎の柱”を目撃することになるだろう。

「さてっ! あと4匹‥‥‥」