軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第三百四十九話 ゼオン・オービシャス

数分後、ギルド長が姿を現した。彼は大柄なエルフで、2メートルを超えていると思われる。二の腕が太く大胸筋もはっている。エルフなのに金色の髪をツンツンに逆立てて、青い瞳は眼光鋭い。なぜか上半身裸で、見事な筋肉が露わだ。

この世界では、エルフといっても線が細いとは限らないようだ。見た目的に怖そうなエルフ。昔の俺ならしゃべるだけでもビビる。それぐらいエルフのイメージとはかけ離れていた。

《読みますか?》

《頼む》

俺もクミカも心を読むことをためらわないと決めている。必要な情報はできるだけ早い段階で集めるのがベストだ。

《年齢152歳》

《152歳でこの見た目。玲香が言っていたエルフの長命種とか?》

《そのようです。ギルド長という立場には間違いありませんが、エルダーリアにとって決して軽い存在ではありません。レベルはエルダーリアにおいて上から数えて5番目。432という驚異的な実力の持ち主です。土魔法を得意として、ルビー級になる前の祐太様とならいい勝負をしたかもしれません》

思いのほか強い人間が目の前に現れた。よほどのことがない限りレベル100を超えないというこの世界でかなりの実力者だ。

《どうしてそんな強者がここにいる?》

《煉獄迷宮の管理にはそれぐらい実力がいるようです。何しろバルガレオルはたびたび外に出てきます。その度にこのギルド長ゼオンと灰燼ラフォーネがバルガレオルの抑え役としているようです》

《灰燼ラフォーネ? 確かこの世界にいるルビー級の一人だな?》

《はい。バルガレオルがこの地方では最も強い存在ですが、この灰燼も超越者の一人です。祐太様が現れたことでギルド長が慌てて呼び寄せています。間もなく到着……いえ、到着したようです。隠密もできるようで離れた場所からこちらを探っています》

《超越者でもそんなことをするんだ》

《向こうはかなりの緊急事態だと受け止めているようです》

クミカからギルド長が把握しているラフォーネの位置情報が送られてきた。【探索糸】を伸ばして探ると確かにいるのが感じられた。こういうのが得意なのは米崎だ。元々姿を全く表してなかったので、連絡して探ってきてもらうことにした。

《それとこの煉獄迷宮はシルバーエリアであるレッドの支配が終わった後に探索者が出てくるルートの1つになっているようです。新参者になめられないように、それよりも強いものを置いていたようです》

《なるほどシルバーエリアが終わってすぐならレベル350をちょっと超えたぐらいだろうし、ギルド長には勝てないというわけか》

「お前が超越者か?」

レベルはこっちの方が圧倒的に上だが、ギルド長は威圧的に見てくる。それがここでの彼の役目だろうし、例えレベル650が相手でも、簡単に負けはしないという覚悟が感じられる。

「そうです」

「イマリ様も派手な方だったが、これはまたすごいやつが来たな」

この世界の人間が伊万里を直接知ってる。そのことに興味を引かれた。

「伊万里を知ってるんですか?」

「知るも何もこの世界でイマリ様を知らないやつの方が珍しいぞ。探索者はレッドから現れるはずなのに、ホメイラからやってきた時は何がどうなってるのか意味がわからなかった」

「ああ、その辺の話は聞きたいですね」

「俺もあんたから詳しい話を聞きたい。ちょっと奥に来てくれや」

俺はそれに頷いた。派手な炎の翼に全員の視線が集まり、俺がギルド長とベリッタに先導されて応接間に通された。応接間はなかなか豪華だ。このエルダーリアで5番目にレベルの高い人間が働くから豪華にされたようだ。

高レベルのものを優遇するのはダンジョン内のどこの世界でも変わらない。天井まで届く大きな窓。窓から差し込む柔らかな光。部屋の中央には、紺色の厚手の絨毯が敷かれ、その上にゆったりとしたソファが配置されている。

木製のテーブルがあり、既に飲み物や軽食が用意されている。ぞんざいな扱いをする気はないようだ。俺と雷神様がソファーに腰をかけると、後ろに玲香が立っていた。

通常であれば、召喚獣である雷神様が立つべきだが、まだ死にたくない玲香は自分の立場を主張することなく、ただ静かにその場にいる。

「くく」

思わず笑いがこみ上げた。

「どうして笑っている?」

「いや、今更だなって思って。こっちのことなんだ。気にしないでくれ」

敬語を使うべきかとわずかに思うが、クミカから流れてきたギルド長の心を感じ取る限り、相手はこちらの方が上だと捉えているようだ。どの世界でもルビー級といえば権力者。下手に出るべきではないと思った。

それにしても、普通、こういったイベントは初期に発生するものだろう。しかし、探索者として成長を遂げ、かなり強くなってからこのような出会いが訪れるとは、面白い運命を感じてしまう。

ギルド長は俺をじっと見つめ、

「なら良いのだが……」

そのいかつい顔が俺の顔を見つめたままだ。

「それにしてもこの世のものとは思えないほど美しい超越者だ。正直顔を見ているだけで畏れを抱くほどだ」

「よく言われるよ」

「だろうな。まずは歓迎する。君のような存在がこの煉獄迷宮冒険者ギルドに来てくれたことを大変嬉しく思う」

「こちらこそ丁寧なもてなし感謝する」

まずは握手を交わした。俺たちの方が明らかにレベルが上だということは理解しているはずなのに、それでも堂々とした態度を崩さない彼は、さすがに152年も生きてきた者の風格を持っている。

きっと152年の間に数多くの経験を積み重ねてきたのだろう。俺とは違う別のルビー級の存在、ラフォーネのことも知ってるようだ。受付嬢をしていたベリッタの姿もあった。

このギルドでは、レベル100以下の職員は採用されていないらしく、彼女もまたレベル236という高い実力を持っている。そしてそれらの情報はあっさりと頭の中に入ってきた。

《やっぱりクミカの能力は破格だな》

心を読める。その有用性はどの場面でも計り知れなかった。誰でも隠しておきたい情報の1つや2つはある。それをクミカはあっさり手に入れてしまう。おかげで俺は無駄な警戒心を抱く必要がない。

《祐太様のお役に立てて嬉しいです》

《でもクミカ。この情報以上は、個人的な記憶に触れることになりそうだ。まだそういうのを見るのは疲れるだろう。この辺にしておこう》

《畏まりました》

クミカは迦具夜にしばらくの間自分の席を譲っていた。その間に迦具夜の様子を見て学ぶことで、心を読む能力が以前よりも向上した。その結果、相手のパーソナルな部分に触れず、必要な情報だけを読み取れるようになった。

おかげで、心理的な負担も随分と軽減された。俺自身も相手のパーソナルな部分まで必要もないのに見たくはない。それでミカエラの心が壊れたことを思うと、そういうのは必要最小限にしておきたかった。

「その上で聞きたいのだが、君はどこから来た? 先ほどまで炎の翼が生えていたようだが、正直そんな人の存在が、この世界にいるとは聞いたこともない。超越者だということはわかる。しかし君のような存在がいれば、必ず噂になっているはずなんだが……」

《どの辺まで話すべきだと思う?》

全員に声をかけた。雷神様に玲香。ラフォーネを探りに行ってくれてる米崎。そして玲香のさらに後ろで控えているシャルティーと切江にも声をかけていた。シャルティーと切江にも必要があればちゃんと発言するように言ってある。

《ご主人様。この世界の人間は、自分の世界の外からの接触があることを知っているようです。それは理解した上で話した方がよろしいかと》

《ご主人。何しろレッドに10年以上前、いきなり100人も外から探索者が現れたわけだからね》

《それで知らないわけがないか》

《まあだから当然、外の世界の人間が何の目的でやってきたのかも知ってる。つまり、僕の意見としてはどこから来たのか、ここに来た目的ぐらいまでは話しても問題ないと思うよ》

《私もそう思うわ。それに聖勇国は人間の能力は高いけど、科学技術は地球の中世くらいよ。しかも、レッドやエルダーリアと、伊万里たちがいる大陸とは大きな海で隔てられてるの。この距離を【意思疎通】できる人間も限られているわ。だから連絡を取り合うのは簡単じゃない》

《まあそれでも、万が一東堂伊万里から接触があれば、我がどうにかしてやる》

《了解》

思考加速と意思疎通と分割思考を使い、裏で仲間と会話しながら、目の前の人物としゃべる。探索者はよくやることで、おそらくギルド長もベリッタやこの部屋の外の人間と裏では会話しながら話しているだろう。

みんなの意見を聞きながら考える。レベルの高い人間というのは海ぐらい簡単に超える。ギルド長にできれば口止めはしておきたかった。その情報を得るためにクミカに少しだけギルド長の深いところまで見てもらった。

「俺は、外の世界から来たものだ。外の世界では探索者と言われていた」

「やはりそうか……。なぜ今さら、この世界はもう落ち着いていると思うのだが」

その言葉から、ギルド長が探索者が何をしにここに来ているのかを理解していることが分かる。そして探索者が本来の目的で来てるなら、非常に迷惑だと思っていることも伝わってくる。それを分かった上で俺は口にした、

「この世界がもう落ち着いているのは分かってる。でも、俺は事情があって"この世界のスタート"に間に合わなかった。出遅れたんだよ。だから今更遅れて"参戦"というわけだ」

「……参戦ね」

ギルド長の眉間にシワがよる。勝手なことを言ってくれると言いたげだ。ルビー級が参戦する。その目的を知っているのなら俺が、伊万里を退けて新たな王になろうとしている。その辺のことも察しただろう。

「名前は?」

「鳳凰」

「それは伝説の種族名だろう」

「問題が?」

「まあないけどよ。名前ぐらいは教えてくれないのか?」

「教えてもいいが、外では黙っててくれるか?」

「……まあわかった。黙っていよう」

《本気のようです。周囲にも箝口令を敷くようです》

「……いいのか?」

あっさりそう言ってくれたことに逆に驚いた。

「……ああ、ルビー級同士の争いなんてごめん被りたいんでな。上に報告したところで俺には損害以外何もない」

「そうなんだな。六条……六条祐太だ。あんたと隣のベリッタさんの2人以外は秘密にしておいてくれ」

「分かった。じゃあ鳳凰殿と呼ぼう。その上で一つお願いしたい」

「お願いか?」

大柄なエルフはソファの横に足を折り、頭を床に擦り付けるようにして頭を下げた。それは潔いほどの土下座だった。

「何のつもりだ?」

「この通りだ。何もせずにこの世界から出て行ってもらえないだろうか。この世界はもうすでに勇者様を中心に落ち着いているんだ。セラス様の時よりも安定しているぐらいだ。今さら引っ掻き回してほしくない。出遅れたというあなたの理由がどれほどの意味を持つものなのか俺には理解できない。しかし、あんたがいたら、何人死ぬか分かったもんじゃない。正直言って迷惑なんだ」

「そう言われちゃうんだな」

争いも何もかも落ち着いた状況にあるこの世界。伊万里のことだから、悪い治世を敷いているわけでもない。到着した時に見た街の人々の顔を見ても、穏やかで楽しそうだ。自分がここにいることが迷惑だとは、理解できていた。

ルビー級になっているからこそ、この世界からは毒性が消えているのもわかる。【悪魔】と呼ばれる者たちがほとんどいないことを感じる。おそらく、俺が関わらなければこの世界はいずれブロンズエリアに上っていける。

ブロンズエリアの、数ある国の一つとして認定されるかもしれない。住民からしたら100万年後に世界が滅亡したとしても知ったこっちゃないだろう。それでも返す言葉は決まっていた。

「無駄なんで頭を上げてくれ。『はい、そうですか』と言って出て行くぐらいなら、最初から来てない。俺は俺の目的のためにどうしてもここに来る必要があったからここにいる。この世界の人にとっては迷惑かもしれないけど、でも、俺は俺のために生きてる」

その言葉は、俺自身でも驚くほど冷たく響いた。土下座されたことに対して、『お前は邪魔だ』と言われているように感じ、正直イラついた。

「……俺の頭ぐらいでは無駄か」

「そうだな」

彼の言葉に、思わず少し胸が痛んだ。しかし、俺は一度決めたことを曲げるつもりはなかった。優柔不断な自分を自覚しつつも、前に進むと決めているのだ。

「ギルド長。名前は?」

「ゼオン。ゼオン・オービシャス」

「ゼオン。しばらく騒がせるかもしれない。人が死ぬかもしれない。被害は出ないように努力するつもりだが、正直あまり自信はない。できるだけ守ってやってくれ」

「まさかとは思うが、本気で支配者の地位を勇者様から奪うつもりか?」

「そうでないなら、騒がせる意味自体がない。俺がそんな中途半端なやつなら、それこそ、あなたたちは怒ってもいい」

「まあ確かにそれはそうだろうがな。それでも、はっきり言っておいてやる。それは絶対に無駄だ」

「どうして? 伊万里がそれほど強いとでも?」

「イマリ様の実力は正直あまり俺はよく知らん。しかし、この世界には絶対神セラスがいる。あの方が誰を支配者にするか決めれば、下でどれだけ争っていても同じだ。セラスが決めたことがそのまま形になる。もう何百年、いや、俺たちエルフですら分からない昔から、この世界はそうやってきたんだ」

「じゃあそのセラスから殺してやるよ」

その瞬間、俺の心の中に宿っていた怒りが爆発した。伊万里をたぶらかした存在、それがセラスで間違いないと思っていた。だからその名前を口にした時、俺の言葉にはっきりと殺意が込められていた。

「外から来た人間の言いそうなことだな」

「何とでも言ってくれ」

「……はあ、もう知らん。お前等うるさいちょっと黙れ」

ギルド長は少し気の抜けた声を出した。

「うん?」

「ああ、いやいやこっちのことなんだ悪い」

ああ、【意思疎通】で5、6人と喋っているようだった。そいつらがかなりゼオンにやいやいうるさく言ってきているようだ。

「正直俺はなるようにしかならんと思ってる。どうせ超越者っていうのはどいつもこいつも人の言うことなんざ一切聞かないからな。とりあえず、あんたはこの地で何がしたいんだ?」

「煉獄獣バルガレオルの討伐」

その言葉が口から出た瞬間、ギルド長の表情が少し変わった。彼の目に一瞬、興味と期待の光が宿ったのを見逃さなかった。バルガレオルという名は、この地域に住む者たちにとって恐怖の象徴であり、何度も人々を襲い、命を奪ってきた。

その話は玲香からも聞いていた。殺せるものなら殺してほしいだろうがバルガレオルはレベル888と言われており、現状どうにもできないようだった。伊万里であればどうにかできるだろうが、バルガレオルは利口だ。

俺たちと同じく自分よりレベル上位の相手からは逃げてしまう。何しろダンジョンの中にはどこまで行っても上がいる。必要に応じて逃げない奴は死ぬ。そういう意味では倒すにはバルガレオルよりもレベルが低くなければいけない。

「なるほどな。ナグモがやってくれようとしたのに、超越者どもが邪魔したんだよな」

「そうなのか?」

「ああ、鳳凰殿も外から来たなら知ってるだろ。あの兄ちゃんは怖いぞ。作戦練って徹底的にやってくれる。その恐ろしい噂はここまで轟いてた。正直あの人が殺した超越者達どれも俺としては殺せたのが不思議でならん。バルガレオルはそれより格上になるが、うちの最強冒険者、灰燼ラフォーネと組めば、本当に殺せたはずだ。それなのに天からの使徒様に止められた」

「じゃあ俺はそいつらに止められる前に殺す。お前たちに無理に協力をお願いするわけじゃない。ただ黙って見ててくれ。バルガレオルが死んだら、煉獄迷宮の支配者がいなくなってくれて、あんたたちにとっても得だろう」

煉獄迷宮のようなダンジョンには定期的にモンスターの実力者が現れ、そいつが大ボスとなって棲み着く。その中でもバルガレオルは育ちすぎた。あまりにも強くなりすぎて煉獄迷宮の製作者すらも200年程前に殺してしまった。

それ以来自由にのさばっていて、好き放題にしている。あまりに暴れすぎれば他のルビー級に目をつけられるがほどよく暴れる分には構わない。その程よくがバルガレオルはとても上手くて、程よくたくさん人を殺してくれる。

「いや、いろいろ考えるのは俺の性に合わん。正直バルガレオルを殺してくれるならこっちとしては嬉しい限りだ。そうだな。ベリッタ、鳳凰殿にレベル通りSS級の冒険者証も渡してやれ」

ゼオンは、すぐに指示を出した。冒険者証は、このギルドに属する者が持つ特別な証明書で、この世界では各州の関所を超えるための特権を与えてくれる。俺にとって、それはとても助かる。それに彼の言葉には、裏がない。

少しパーソナルな部分までクミカに調べさせたが、バルガレオルにはパーティー仲間を皆殺しにされた経験があるようだ。そのために俺たちで殺せるなら本当に殺してほしいようだ。

「挑むときは教えてくれ。他の冒険者は下がらせて、被害が最小限になるようにする」

「わかった。その……迷惑かけるが頼む」

俺はゼオンの言葉に、優しい人なんだと思った。

「そう思うなら本当に……。いや、まあ、本当にあんたがセラス様をなんとかできるなら、この世界の支配者はあんただ。あんまり余計なことは言わないでおくか」

ギルド長の冗談めいた言葉に、少し笑みを浮かべた。

「そんなこと言ってしまっていいのか?」

「この世界は、ずっとセラスの言いなりになって生きてきたんだ。イマリ様の前にも勇者がいた。最初はとても大事にされていたがセラスが急に殺せと言ったから、レッドを血の海に変えて殺した。そしてその殺したはずの勇者を今度は祭り上げろという。他の外から来た奴らから聞いた話だと、外から来たやつらにとっても随分めちゃくちゃな話だったらしいな。イマリは何もせずに勇者だからと支配者になった。前は殺せと言った勇者。セラスが言えば今度は支配者だ」

「よく受け入れられたな」

「何が本当かなんてみんな考えなくなってるよ。ただセラスの言葉を聞けばいい。それだけだ」

「自分が絶対の法律。だから絶対神か」

「まさにそれだ。俺はちょっとそういうの気に食わないなって思ってる。だからって本気で逆らうなんてバカなことはしない。ただそんなバカなことをするっていうやつの邪魔もしない。むしろ応援してみたい。そんなところだ」

「そうか……」

レベルが上がり長く生きているだけにギルド長ゼオンにも考えがある。セラスによって平和ではあるが、振り回されたことは一度や二度じゃない。その歪みがこの世界には膿のように溜まっているようだった。

「ベリッタ。バルガレオルに関する最新の情報を集めて、鳳凰殿に伝えてやってくれ。できるだけ具体的な情報が欲しい。鳳凰殿が討伐する際の参考になるはずだ」

「……はい、ギルド長。すぐに手配します」

ベリッタの返事には、少し迷いが入っていた。セラスに対して反抗的な行動をとる。それだけでもこの世界の人にとってストレスになることは間違いなかった。