作品タイトル不明
第三百九話 Side田中 五年 ごめんなさい
Side田中
「ただいま」
僕は働き出してから大阪の泉大津にある社宅に住んでて、実家は大阪の中でも田舎の河内長野にあり、今日はたまには帰ってこいと言われて帰っていた。
「うわあ。サッカーも長沢、ダンジョンに入って首か。この間は野球だったよな」
「まあ仕方ないよ。いくら何でもレベルアップした人間とそうじゃない人間じゃ不公平すぎる」
そんな話をお父さんとしていたことを覚えている。
「最近は急に調子をあげるとダンジョンに入ったんじゃないかってみんな言われてるな。本当、何度も言うが太郎、これは一体何なんだ?」
「さあ、宇宙人とか異世界人が接触してきてるんだっていう人もいるけど」
世間では世界がひっくり返るほどの大きな出来事があった。世界中に3ヶ月ほど前に現れたダンジョン。それによって世界はあっちもこっちも大変なことになっていた。ダンジョンに入って戦えば人の能力が飛躍的に上がる。
運動能力が上がることはよく知られていたが、この時はまだ知能が上がることはそこまで知られてなかった。そして何よりもモンスターを殺してレベルが上がる。この科学文明の時代に、生き物を殺したことで評価される。
この部分がリベラルな常識人から嫌われ、何よりも人に拳銃を与えるよりもはるかに危険な力を与える。それが怖がられた。だからどの国でも次々とダンジョンが封鎖されている。日本もそれに続かなきゃいけない。
マスコミは毎日そう言ってるけど、何事においても周りが動いてからしか動けないのが日本のお国柄。ダンジョンからは希少なものも出てくる。そのことから未だに対応が右往左往して、閉鎖か開放か決められずにいる。
この情けない政府が、後々、良い方向へつながるなんて誰も思ってなかった。ともかく欧米も中国も嫌いなダンジョン。
だから、日本もダンジョンは反対派が占めていた。11年経った今では真逆だけど、現れた当時、ダンジョンは異質すぎて人は受け入れられなかった。スポーツ界でもそれは同じで、ダンジョンは正しい努力を必要としない。
筋トレの必要もなければ、練習もしない。そう受け止められて、ダンジョンに入ってレベルが上がってしまった選手はあらゆるスポーツ競技への参加資格を失った。お父さんが見ているテレビで流れているのは足を故障した選手だ。
それが不自然なほど早く復帰して、160km超えた弾丸シュートを決めた。
「160㎞ってもはやサッカーじゃないよ。野球でもこれだけ速く投げられたら一流選手だ」
「これでたったのレベル5だ。レベル10だとどうなるんだろうな」
「僕としてはプロサッカー選手みんな入って超人サッカーやってほしいな」
「でもゴブリン殺すことできんやつもいるだろう。そもそも殺しができて初めて成立するスポーツなんてだめだろう」
「そうか……そうだよな」
でもみんな気づき始めてる。ダンジョンでどこまでレベルが上がるのかは知らない。でも現時点でレベル70を超えた男の子がいるという噂があった。それはもはや規格外の動きで、とても人間とは思えないそうだ。
そしてこんな人間を生み出すダンジョンをいつまで規制できるのか。みんな気づき始めてる。レベル100までならまだいい。でももしもそれを超える人間が現れたら……。ネットでは今その話題で盛り上がっている。
レベル100はシンギュラリティポイントだ。
もしその男の子がレベル100を超えたら、誰かそれを止められるのか?
そしてそれはほどなくして生まれようとしていた。その男の子と3人の女性。日本はその4人に力を得る時間を与えてしまった。僕も後で知ったけど、そのことで日本はいつも欧米に倣えのはずなのに、ダンジョン規制ができなくなった。
それでもプロスポーツ界ではダンジョン規制が始まった。しかし2年も続かなかった。どんどんと強くなる探索者の発言力。規制したら殺されると怖がる。そんな事態になるという予兆がこの時からもうあった。
「これで何人目?」
まだ昼間だが今日祝日だからと、ビールを片手に飲んでいた。甥っ子が田舎の広い家で元気に走り回ってる。僕の両親の近くには姉夫婦が暮らしていて、3人の子供がいる。初孫の時はずいぶんと喜んでいた。
でも、何事も過ぎたるは及ばざるが如し、『孫の面倒が大変だ』とよくぼやいてる。姉は3人を立て続けに産んだ。そして1年で職場に復帰してしまい、ほとんどの孫の面倒を両親に任せきりなのだ。
「えーっと3人目だ」
「お姉ちゃんの子供の数じゃなくてさ。首になったの」
「ああ、9人目ぐらいか? だが入ったこと隠してるやつも絶対いそうだな。怪しいやつは結構いるぞ」
「首になっちゃった人たちどうするんだ?」
「ぽーしょーん? だったかな。それがむちゃくちゃ高く売れるらしい。首になったけどそれを手に入れるとか言って、田沼がダンジョンに入ったきり帰ってこないんだよ」
「うわあ。確かそういうケースって死んでるんだよね?」
「ああ、大概ゴブリンに食べられて死ぬらしいぞ。危ないのにバカなことしたもんだよ」
でも僕もゲーム好きだったこともあり、何気にこういうのは楽しそうだなと思ってしまう。どこかで日にちが空いたら、入ってみようかという気もある。ただ相当危ない場所で、結構死人も出ている。そのことが二の足を踏ませていた。
僕とお父さんがそんな話をして、僕は久しぶりの昼飯が豪華であることを先ほど確認して楽しみにしていた。そうすると料理を作っていたはずのお母さんから声をかけられた。
「ねえ、太郎。ちょっと叔父さんの家、見てきてくれない?」
僕と 鈴(りん) さんとの出会いはそんな一言で始まった。
「——ここか。叔父さんち、僕の職場から近いんだ」
お母さんは叔父さんと言ったが、実はうちのお父さんの弟は10年前に病気で他界している。うちのお父さんとは一つ違いの叔父さんだったが、子供が生まれたのはずいぶん結婚してから時間が経っていたそうだ。
叔父さんが死んでしまってからはこの家とも疎遠になり、今はどうしてるのか知らなかった。叔母さんの家に跡取りがいないことでお父さんの弟が養子に入り、それなのにその家に馴染めず、叔母さんと家を出たのだという。
『随分大喧嘩して出たみたいよ。実家と絶縁してるんだって』
とは出掛けにお母さんが教えてくれた。事情よく知ってるなら、自分が行けばいいのにと思ったが、姉の子供の面倒で、ほとんど自分の時間を取れないらしい。かなり疲れた様子で言われると文句も言えなかった。
僕の職場から電車で10分ほどの民家。そこそこ立派な日本家屋だった。この日、この家に入り僕は初めて知った。叔父さんが死んでから、しばらくしてこの家では問題が起きていたことを。
叔母さんはそれを誰にも言わずにずっと隠していた。
引き戸になっている玄関を開ける。
「何の匂いだ……」
家に入ると鼻につく匂いがした。
それは独特な匂いで、あまり良い匂いには思えなかった。
だから嫌な予感がした。
そもそもお母さんからこの家を覗いてきてほしいと言われた時から、何か良くないことが起きてるんだということはわかっていた。それはこの家の近所の人からの連絡だった。というのも叔父さんから死に際に、
『もし自分がこのまま死んで家に何かあれば、この番号に電話してほしい』
と言われていたらしい。そしてかかってきた電話だ。ご近所が叔母さんの姿を何日も見ていないらしい。そして風向きによって異臭がする。何とも言えない食べ物が腐ったような、それでいて、違う匂い。
近所の人の話では、どうも叔母さんはようやく生まれた女の子の子育てで悩んでいたらしい。近所の人は警察に電話しようかとも思ったが、自分が警察に電話したとなると、叔母さんが怒るかもしれないと思ったようだ。
「あんまり話したこともないけど、叔母さん気難しい人みたいだな。まあいきなり近所から警察を呼ばれたら、そうでなくても怒るよな。でも、もっと早く呼んでくれてた方が良かった気が……」
性格が穏やかだと言われる僕でも、なんだかわからない腹立ちが湧き上がってくる。多分何があるのか予感してたのだ。
「この部屋だよな?」
異臭がするのはこの部屋で間違いない。僕は扉を開ける。そして想像よりも悲惨な光景を見た。もっとこんなことになる前に電話しろよ。正直そう思った。首を吊った女の人が1人いた。
その傍らで何も喋らない痩せた女の子が1人呆然としてる。僕はとにかくその女の子に駆け寄ると、生きてることだけ確認し、どう見ても死んでいる人を見上げた。首吊りというのは決して綺麗な死に方ではないと言うが本当だ。
正直、あまりの惨状に見てられなかった。この子はこれをずっと何日も見続けてたのか? 僕は次にどうすべきか混乱しそうになるが、とにかく窓を開けて換気して深呼吸した。多分死んでる人は叔母さんで、この女の子が姪っ子だ。
あまりの光景に泣きそうになりながら警察に電話した。死体を自分で処理したら自分が疑いをかけられて捕まるかもしれない。それぐらいのことはわかってた。幸い近所の人の証言もあって、僕は疑われることはなかった。
でも警察に思ったよりは簡単な取り調べを受けた。そして、お通夜からお葬式をしなければならない。叔母さんの実家は何も助けてくれなかった。だから僕と死んだ叔父さんの兄であるお父さんの2人で頑張った。
その間、痩せて何も喋らない女の子には酷なことだった。それでも彼女は最低限、お通夜とお葬式には顔を出した。俺は何だか彼女が放っておけなくて、会社に事情を話して長期休暇をもらい、彼女の身の回りが落ち着くまで奔走した。
落ち着いて誰が引き取るんだって話になった。彼女は16歳で、父親が死んでから母親が仕事で忙しくなり、家で放置されることが多くなり、小学校で不登校に、中学でも全く学校に行かず、叔母さんはよほど悩んだのだろう。
【もう無理です】
そう書き置きを残して死んだ。言葉にするとありふれた悲劇。残された女の子の名前は 鈴(りん) という。鈴さんは母親が死んでも涙を流すこともなく、ずっと黙っていた。一度もしゃべらなかった。困ったことに引き取り手がなかった。
うちの両親も姉夫婦の孫の面倒があるからと、引き取るのは無理のようだった。何よりも姉夫婦が引きこもりの娘を引き取って、自分たちの子供に悪影響が出るのではと嫌がった。そうなると鈴さんは年齢が16歳である。
一人で生きていこうと思えば無理ではない。そういう結論になった。だから、
「僕ができるだけ様子を見に来るよ」
そう口にすると明らかにお父さんがホッとしていた。僕が本当は引き取っても良かったが、16歳の女の子だ。変な目的だと誤解されるのが嫌だった。何よりも可哀想だとは思ってもそういう対象としては見てなかった。
好きな女の人が既にいたのだ。
僕は会社では特に仕事ができるわけでもない、うだつの上がらないサラリーマン。順調に出世街道を歩んでいる女上司にひそかに惚れていた。僕より年下の上司で課長は気が強そうで僕の好みにドストライクだった。
でもその課長は、気が強すぎることが災いしてか、男の影がなかった。僕にもチャンスがあるのではと思いつつ、告白する勇気もなく課長の姿を見るだけで満足する日々。だから僕なら鈴さんの貞操の心配もないと思ったのだ。
「鈴さん。元気にしてますか?」
両親が死んだ家で、鈴さんはそのまま住んでいた。僕は毎日職場から近いこともあり、仕事帰りに様子を見に来る。一緒に住みこそしなかったが1日もそれは欠かさなかった。いつもテレビゲームをしている女の子。
一時期のことを思うと少し太ったように思う。異常なほど痩せていたから太るとちょうどいい体型になっていた。僕は晩御飯の材料を買ってきて、ここで作るようになっていた。叔母さんが死んだ部屋だけど、僕はその辺が図太い。
晩御飯はいつも鈴さんと自分の分を用意して、その日はカレーにした。カレールーは買ってきたけど一応手作りで、とてもいい匂いがしてる。
そしていつも決まって鈴さんの部屋に運んで、鈴さんのゲームを眺める。
「チロルのみ、ここにありますよ」
そしてそんなことを口にする。僕も結構ゲームが好きで、鈴さんと好きなジャンルも似ていた。だから隣でアドバイスをする。そうすると鈴さんから返事はないけど、僕の言う通りに動いてくれる。喋れないけど聞いてはいるんだ。
長い睫毛に大きな瞳。でもいつもどこか儚げで、ゲームを黙々とするには似つかわしくない深窓の令嬢のような顔をしている。最初は僕の前では絶対にご飯も食べなかった。
でも最近はゲームを一旦中断して、僕が持ってくると一緒にご飯を食べる。1ヶ月ほどで結構体型が健康的になってきて、そうすると鈴さんは毎日ちゃんとお風呂にも入るようになった。
僕はそうやって少しずつだけど立ち直ってくれているように見える鈴さんを見るのが楽しかった。だから毎日通って、毎日ご飯を作って、洗い物をして部屋の掃除もして夜には帰る。
「迷惑かけてごめんなさい」
そんなある日、急に言ってきたのだ。
「鈴さん、喋れたの?」
医者からは失語症だと言われていた。てっきり喋れないんだと思っていた。でも喋ると長く喋ってなかったとは思えないぐらい綺麗な声だった。
「喋れる。だから明日も来てくれる?」
喋ったのは初めてで彼女はポロポロ泣いていた。だから僕は慌てた。
「どうしたんですか? 僕は毎日来てますよ。明日もちゃんと来ます」
鈴さんは何も言わなかったが、犯人は近所の人だったらしい。電話をかけてきたのとは別の近所の男の人で、突然訪ねてきて、鈴さんは怖かったけど自分でも自立しなきゃと思ってたらしい。玄関まで出て、応対したそうだ。
『いや、俺はただ。鈴ちゃんが心配で声をかけただけで。近所に住んでるし、怪しいもんじゃないんだ。そうだ。あの子のお母さんとも同級生だったんだ』
誰なのか犯人を突き止めて問いただした。この時かなり腹が立ったのを覚えてる。鈴さんは僕の見てないところで外に出る訓練もしてたそうだ。それで鈴さんの天使のような可愛い顔を見た。それで僕が鈴さんの体が目的で来てる。
『次からはもう来こさせないようにするから安心したらいい』
などと勝手なことを吹き込んだらしい。
「来てもらったらダメだって分かってる。迷惑だって分かってる。おじさんが毎日仕事で大変だって知ってる。でも、それでも、来てほしくて。私はもう大人だから、こんなこと言ったらダメだって分かってるけど来てほしくて」
「そ、そんなの全然気にしなくていいですから。僕こそ若い女の子の家に毎日通って、それは確かに嫌でしょう。ほんと僕なんかですみません」
「ううん。私こそ。私なんかでごめんなさい。おじさんが毎日ゲームの話ししてくれたり、ご飯作ってくれたり、お掃除してくれたり、私は迷惑しかかけない。だからおじさんに嫌われてると思うんだけど」
「いや、嫌ってませんから。むしろ好きですから。いや、恋愛的な意味じゃなくて。妹みたいに思える。いや、これも気持ち悪いか」
「私、明日から家の用事もする」
その日から僕と鈴さんは打ち解けた。口数が少ないと思っていた鈴さんは意外とよく喋り、いろんなことを話してくれた。でもやっぱり学校に行くのは嫌みたいで、一応高校受験はして合格していたが1度も通わないままらしい。
「鈴さん。それならゲームを仕事にしてみたらどうですか? プロゲーマーとか」
だから僕は次の段階として鈴さんをなんとか社会復帰させられないかと考えるようになった。
「ゲームが仕事とかいや。おじさん。ゲームは楽しむもの」
「そうですか。まあそうですよね」
そして僕は結構鈴さんに甘くしてしまった。これが良かったのか悪かったのか今でもわからない。ある日は、
「鈴さん、ゲーム配信者というのはどうですか? 機材なら僕が買ってきますし、多少の編集の手伝いならしますよ」
「おじさん、ゲーム配信者なめすぎ。あれはとても狭き門。私など立ち入れるわけがない」
「でも鈴さん。とても綺麗ですし、顔出しすればそれだけで」
「おじさん以外に、顔は見せたくない。この顔が綺麗ならおじさんだけ見ててくれたらいい」
思えばこの頃から鈴さんは僕を意識していたのだと思う。自惚れでなければ「今日は寂しいから泊まってほしい」ともよく誘われたし、くっつくように座ることも多かった。ただそれをすればあの男の言葉を認めることになる。
何よりも好きな人がいたから、疚しいことは一切しなかった。後に南雲君という女性に対して衝撃的な人物を見て、価値観が壊される思いはした。ただ南雲君を知っても僕が鈴さんを見る目は、あくまでも守るべき対象だった。
そして気づけばダンジョンが現れて半年。僕がここに通い始めて3ヶ月が過ぎた。鈴さんの自立への道は険しく、叔母さんが死ぬほど悩んだ。その理由がだんだんと分かってきた。鈴さんはそもそも社会に向いていないのだ。
当たり前に人と歩調を合わせることができない。僕とは真逆の人間なのだ。僕のように生きる人間には正直どうかと思える部分も多かった。ただ、電話をしてくれた方の近所の人の話では、叔母さんはよく鈴さんに怒っていた。
だから、僕はそれだけはしなかった。何があっても言葉を荒らげることはなかったし、もともとが人に怒ることに向いていなかった。
そしてその日、
「鈴さん。リアルゲームというのはどうです?」
「リアルゲーム?」
「はい。ダンジョンが現れて世間じゃ今その話で持ちきりなんです」
「それは知ってる。魔法が使えるようになるけど、危ないんだよね」
「よければそれに僕と一緒に入ってみませんか?」
この提案をしてなければ何か変わったのだろうか。
「ちょっと面白そうかも」
でも、それだとずっと鈴さんは部屋の中に閉じこもったままだったと思う。
「鈴さん。気をつけて! こいつら本気でやばい!」
「そう? おじさん、こいつら弱いよ?」
何が良かったのか。本当に何を選べば正解だったのか。僕には今でもわからない。ただ、鈴さんはダンジョンの中で天才だった。一体何ならできるんだとすら思えた鈴さんのできることはダンジョンの中にあった。
鈴さんは戦う天才だ。どうやって体を動かせば相手を殺せるのか自然とわかるらしい。そして僕もガチャ運1なのに、ガチャ運に恵まれた。これによって二人でまたたく間にレベルが上がりレベル1000すら超えた。
超えてその日から僕達は特別な人になり、英傑なんて言われた。特に鈴さんは素材が良かったこともあり、日本を超えて世界のスーパーアイドルだ。こんなご時世なのに欧米のファンも未だに根強い。
「だから僕は……」
これで良かったんだと思った。でも、僕が結婚しようとした1年前から歯車は狂い、【千年郷】に停戦が発表された日。鈴さんは誰にも言わずにいなくなった。そしてトップランキング1000からその名前が消えた。
1ヶ月が過ぎたけど鈴さんが生きてるのか死んでるのかもわからない。
【ごめんなさい】
そんな言葉だけが、叔母さんが死んでいた部屋のテーブルの上に置かれていた。