作品タイトル不明
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「メイベルさん、今日は来てくれてありがとう。来週には魔術院に行けると思うから、また学校で」
「はい。レナード様、お見合いがんばってくださいね!」
そう言って帰ろうとしたとき、門のそばに少女が立っているのが目に入った。
ストロベリーブロンドの髪に空色の目。華奢で小柄で、まるで小動物のような印象を受ける。マーガレットお姉様とは違うタイプの美少女だ。
その少女はじっとこちらを見ていた。
もしかしてレナード様に用があるのだろうか。
私はまだ彼女に気づいていない様子のレナード様に向かって言う。
「レナード様。あちらにいらっしゃる方、お客様かもしれません」
「え? どこ? ……あ」
少女に目を留めたレナード様の顔が引きつる。
その表情を不思議に思って眺めていると、足音が近づいてきた。
「レナード様! やっとまたお会いできましたね! 急にお訪ねしてごめんなさい。カレンはどうしてももう一度レナード様に会いたくなって、やってきてしまいましたの!」
少女は両手を組み合わせ、恥ずかしそうに頬を赤らめながら言う。
レナード様は困惑した顔で彼女を見ていた。
「カレン様、縁談はお断りしたはずでは……」
「ええ、わかっております……。カレンではレナード様のお眼鏡に適わなかったのですね。けれど、カレンはどうしてもレナード様を諦めたくないのです。どうかお友達からでも始めていただけませんか?」
カレン様というらしいその人は、ずいずいレナード様に詰め寄っている。レナード様は困りきった顔でそんな彼女を見ていた。
私は呆気に取られて二人を眺める。
この方がレナード様のお見合い相手なのだろうか。会話からして、レナード様は彼女とのお話も断ってしまったようだけれど。
それにしても、一度お見合いで会っただけでこんなに好かれてしまうなんて、レナード様はすごい。
毎回縁談の相手がお姉様を好きになってしまい断られてきた私とは大違いだ。思わずレナード様を尊敬の目で見てしまった。
「……ところでレナード様。そちらのご令嬢はどなた? もしや彼女も縁談相手なのですか?」
カレン様が、突然こちらに視線を向けて言った。
私は慌てて挨拶する。
「メイベル・ホワイトと申します。レナード様とは魔術院の同級生です。今日はレナード様が魔術院をしばらくお休みしていて心配だったので、お宅にお邪魔してしまいました」
「まぁ、そうだったんですね。つまり縁談相手ではいらっしゃらないの」
カレン様は微笑みながら言う。
「はい。私は縁談相手ではありません」
「それはよかったですわ。ライバルが増えたのかと思ってしまいました。私はフォスター伯爵家のカレンと申します。先日、幸運なことにレナード様の縁談相手に選ばれましたの」
カレン様は頬に手を当てて、はにかみながら言う。
レナード様が少し慌てた様子で割って入った。