軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

1-1

「君といると疲れるんだよな」

私の婚約者、ブラッド様はため息交じりにそう言った。

私は戸惑いきって尋ねる。

「わ、私の何がいけなかったのでしょうか? ごめんなさい、すぐに直します」

「そういうところだよ。俺が言ったことにいつも過剰に反応して重いんだよな。自分の意志はないのか?」

めんどくさそうな顔でブラッド様は言う。

私は内心どうしようどうしようと焦っていた。ブラッド様に好かれようとがんばっているつもりが、逆効果だったなんて。

すぐに直さなければ……、いやこういうところがだめなんだっけ。それなら一体どうしたら……。

私が必死に考えていると、ブラッド様はため息を吐いて席を立ってしまった。

「今日はもう行くよ。とにかく、少し自分の行動を見直してくれ」

「あっ、待ってください! ブラッド様!」

私の引き止める声も聞かず、ブラッド様は行ってしまった。

一人テーブルに残された私は、ただ俯いて唇を噛むことしかできなかった。

***

私の名前は、メイベル・ホワイト。ホワイト伯爵家の次女として生まれた。

私の家は、揃いも揃って美形ぞろいで、特に姉のマーガレットは美人で有名だ。

緩くうねったブロンドの髪に、空色の綺麗な目。まるで妖精のような姿をしているお姉様は、どこへ行っても可愛い、綺麗だともてはやされ、社交界デビューの年には山のように求婚者が押し寄せた。

お父様もお母様も、次期当主のお兄様も、みんな美形。それなのに、私だけが平凡な顔形をしていた。

お姉様が金髪に空色の目という煌びやかな色合いを纏っているのに対し、私は焦茶色の髪にわずかに青みを帯びたグレーの目という、何とも地味な外見をしている。家族は皆金髪なのに、私だけ父方の祖母の髪色が隔世遺伝したらしい。

お姉様に妹がいると知って私を見にきた人は、あからさまにがっかりした顔をする。

お姉様の社交界デビューのときは山のように来た縁談の話も、私にはほとんどこない。

たまにお話がきて会ってみても、お姉様の存在を知るとみんなお姉様に気を取られるようになって、「メイベル嬢との話はなかったことに」と言われてしまうのだ。

私はお姉様と違って、愛されるような人間ではないのだ。十数年の人生で早くもそう理解した私は、魔法の勉強に精を出すようになった。

家にあった魔導書を読んで試しに使ってみた魔法が偶然成功してから、私は魔法が大好きだった。

別に才能があったわけではない。この国の子供がみんな受ける魔力テストでは平均程度の成績だった。けれど、一度の成功が嬉しくて、私は魔法の勉強にのめり込むようになった。

私、将来魔導士になろうかしら。

そうだ、ルヴェーナ魔法学園に通って、魔法省に行けるようがんばってみよう。あの世界ならお姉様のような美しさがなくたっていいはずだ。

私の住むルヴェーナ王国には、ルヴェーナ魔法学園という王立の学校がある。六年制の学園で、そこを卒業した者は魔法省を始めとした、魔法に関連するあらゆる職業への道が開かれるのだ。

よし、絶対学園に入ろう。

そんな風に考えると、なんだか気持ちが前向きになってきた。