軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

98 蹴りで倒す戦士とは…

車内でカラオケを楽しんでいたら、あっという間にダンジョンに到着した。

「詩織は3階層までしか行ってないんだよね? もっと下の階層は難しそう?」

「行ったことないからわかんないけど、頑張っても4階層が限界じゃないかな。慣れてないから怖いし。」

「それじゃ、4階層行ってダメだったら3階層回ろう。保水膜もほしいからちょうどいいね。」

「了解。めっちゃ弱いから、何かあったら守ってね。できるだけ自分で対応するけど、ほんとにヤバい時は頼んだよ。」

しつこいくらい念押ししてから移動を開始する。さすが戦士というか攻撃力がすごい。私が持ってる剣よりも重そうな剣を軽々と扱い、ズバっと一撃で倒していく。

はぁ~、すげ〜なとアホ面で見守るしかなかった。だって、私が動く前にダッシュで近づいて素早く倒しちゃうんだもん。やることないわ。

とりあえず、できることをやろうと思って魔法植物を探す。ここのダンジョンは出てくる魔物は同じだけど魔法植物は違うみたいなので、目視で探す。

『カブカブ』って名前のカブだ。見た目は普通の野菜のカブと同じだけど、引っこ抜くと噛みついてくる。実の部分が口みたいになっているけど、歯があるわけじゃないので痛くはない。

どうやって食べようかなーと考えながら草むらを探していたら、ちょっと茂った場所であっさり見つけることができてよかったよ。

持っていたアーミーナイフでザクっと刺して倒した。アーミーナイフ、なにげに初めて使ったよ。

ダンジョン図鑑の出てくる魔物一覧などは共通みたいで、スライムとビッグラットのところは埋まっていた。マップとホーンラビットとカブカブを埋めれば1階層は完成する。

また1からやり直しじゃなくてよかったよ…。さすがに時間がかかって面倒だ。

ズンズン進む真奈美を追いかけながらカブを引っこ抜く。スポンっと抜けるのでちょっと楽しいんだけど、のんびりやっていたら真奈美が早く行こうと急かしてくる。

まぁ、1階層なんてつまんないのかもしれないけど、私にとっては楽しさよりも食料のほうが優先だ。行きはほどほどにするけど、帰りは付き合ってもらおう。

2階層も同じように移動し真っ直ぐ3階層に向かう。ここの魔法植物は玉玉ねぎだからスルーでいいや。

グラスウルフが走ってやってくる。普通に剣で斬りつけるのかと思っていたら、真奈美が蹴りで倒しているのを目撃してしまった…。

おっ、お前マジか…。いくら蹴りのほうが速いのか楽なのかはわからないけど、絵面がヤバいだろ…。

「真奈美さん、なぜ蹴ったんでしょうか?」

「なんとなくだよ。なんか、すっごくイラッとした。」

「おおぅ、そうかい。クレイジーだね。」

戦士ってモロ接近タイプだと思っていたけど、どちらかというとただの脳筋なのかもしれないな。友人の新しい1面を見ることができたよ。

4階層はグラススパイダーとランニングスキンクとボムフラワーが出てくる。良輔が言うには、私が倒すのに苦労するのはランニングスキンクだけらしい。

怪我はするかもしれないって言ってたから油断しないように気をつけよう。順調に進み、3階層の途中まできたところで少しだけ魔法植物を探す時間をもらった。

『いんんげんん』コレ、何を基準に名前つけたんだろうね…。今までの法則なら『いんいんげん』じゃないのかって心の中でツッコむ。ダンジョンって不思議だなーと無心で探したよ。

いんんげんんは近づくと豆を飛ばしてくるんだけど、めっちゃ小さい豆なので当たっても気が付かない場合が多い。無事に見つけて収穫することができた。なお、小さい豆は可愛かったよ。

「そろそろ4階層に着くけど疲れてない? 少し休もうか?」

「ちょっと休憩したい。4階層は初めて行くから万全にしておきたいな。」

「じゃあ、階段で少し休もうか」

階段に座って足をマッサージする。まだ疲れてはないけど、こまめに揉んでおくほうがダメージが少ない気がする。

ここにくるまで1度も魔物を倒してないんだよなー。魔法植物はザクっとしたけど、動く魔物はまだだ。ちょっと心配だから探索者アプリで魔物の情報を確認してイメージトレーニングをする。

「真奈美は4階層の魔物倒したことあるんでしょ。強い?」

「強くはないよ。蜘蛛が苦手だとグラススパイダーはキツいかもしれないけど。ランニングスキンクは素早いだけだし、ボムフラワーは避ければいいだけ。」

「なるほど。しばらく見てるから存分に倒すといいよ。」

「ありがと。めっちゃ頑張るわ!!」

友人が楽しそうでよかったよ。チャンスがあれば私も倒すけど、彼女のストレス解消のために大人しくしていたいな。見てる分には楽しいからね。

…巻き込まれなければだけど。