軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

83 盾を忘れて苦労した話

あーーー、ヤバいっ!! こんな時にかぎって良輔とは別行動だ。自分で何とかしないと本当にヤバい。

グラスホッパーの長過ぎるジャンプが終わっても別の個体が飛んで追いかけてくる。3体を同時に倒すのは私には不可能だ。

マップを見ながらグラスホッパーのいない方向に逃げる。これ以上増えたら完全に終わりだ。勝てるかどうかも大事だが、囲まれたら絵面がヤバい。発狂する…。

アースモールがいた場所のほうが戦いやすいので、そっちに向かってダッシュする。念のため、巣穴が見えているところは避けて移動し、少しでもグラスホッパーから離れる。

必死に走るがバッタはどこまでも追いかけてくる。このままじゃすぐに追いつかれる。

「はぁ、はぁ、もうムリ…走れない…。」

振り切れないならやるしかないと思って後ろを見てみると、気持ち悪いデカいバッタ。一瞬、身体が固まる。

「ヒィィィ!! キモッ、近い!!」

限界でもう走れないと思ったけど、まだ走れるわ。追いかけられるせいでパニックになっていたけど、よく考えればグラスホッパーは倒せるはずなんだ。キモい、怖いとか言ってる場合じゃない。

ほんの少し落ち着いたので、どうやって倒すか考える。とはいえ、私にできるのは1体ずつ確実に倒すことくらいなんだけど。

後ろを振り返りながらタイミングを計る。ちょうど1体のグラスホッパーがこっちに向かって飛んでくるところだった。

「ああー、来た!! よ、よし、いくぞ!!」

しっかり見て剣で斬りつける。攻撃自体は問題ない、気持ち悪いだけだ。何とか1体倒して、次の1体が飛んでくるのを待つ。

同じようにしっかり見てから攻撃して、ようやく3体全て倒すことができた。

「終わった〜〜。すげ〜しんどい…。」

このまま寝そべりたい…。もう動きたくない…。

ドロップ品を拾ったあとは少しだけ休憩することにした。マップで近くに魔物がいないのを確認してから椅子を出して座る。もう足がプルプルしてるわ。1人膝カックンしそう…。

ぐったりと座ってしばらくぼーっとする。今日はもう3階層はやめよう。ムリして続けたら怪我しそうな感じがする。この後は1階層でのんびり狩りをすることにしよう。ムリはしない、いのちだいじに。

良輔に連絡をしてから1階層に移動する。電話が繋がらないから、たぶん6階層より下に行っているんだと思う。メッセージは送っといたから大丈夫だろう。

とぼとぼ歩き1階層のゲート付近まで戻ってきた。今日のやる気は全部使いきった、残りの時間は玉ねぎの収穫でもして過ごそう。

その前にもう少し休憩が必要だ。心にも休憩は必要なので、レジャーシートを出して座り込む。あー、お昼寝したい。

さすがにダンジョンの中で横になるわけにはいかないので、気分転換のためにオヤツを食べる。前に買い込んでいたたい焼きを頬張りながら足のマッサージをする。

「あぁ~、調子に乗ったわ〜。もっと慎重に行動しないと怪我しそうだな。」

2個目のたい焼きを食べながら少し反省会をする。1人でたい焼きを食べながらブツブツ喋る中年女性は不気味だろう。誰も見ていないことを祈る。

インベントリから温かいお茶を出して、ついでに杏仁豆腐も出して休憩&反省会を続けた。ちょっと食べ過ぎだけど、心にも休憩をあげるんだからこれくらいは許容範囲だ。明日の私に頑張ってもらおう。

たっぷり休んだあとはのんびり魔物狩りだ。1階層なら走っても大丈夫だけど、ちょっとトラウマなので大人しく歩いて移動する。

無心で狩りを続け、ドロップ品を大量に集めていく。そろそろ玉ねぎの在庫がすごいからお裾分けをしに行こう。 智子(大学の友人) の家は確定してるから、他の友人達に配って回ろうかな。

ひたすら1階層を回り、そろそろ帰る時間になった頃。突然、テリ〜ンっと音がなりレベルが上がった。

「おっ、いつもよりちょっとだけレベルアップが早いかも。こいっ、攻撃スキル!!」

ステータスを表示して確認するが、クズスキルが多過ぎて確認がしにくい。結局、新しいスキルはなかったけど、STRの数値が+4になっていた。今までは最高でも+3までだったので嬉しいわ。

いつもならご機嫌で下の階層にアタックしちゃうところだけど、そこは学習済みだ。地道に1階層で狩りを続けよう。

まだもう少し時間があるので、お裾分け用のウサギ肉でも集めようと思い、少し奥に進む。マップを見ながらホーンラビットを狩り、肉を集めた。

STR+4のおかげか、イメージ通りに攻撃ができて気持ちがいい。つい、近くの赤●まで走って移動してしまった。ちょっと落ち着かないと、またやらかしそうで怖いわ…。

最初の頃は盾を構えてビビりながら攻撃してたのになぁ〜。私も成長してるわ〜。

「………って盾!! ああー、なんでさっき思い出さなかったんだろう!? あんなに苦労したのに…。」

もう2度と忘れないわ!! バッタの記憶と共に心に刻み込んだ。