軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

68 間接キス?

エンジュさんのおかげで節約できているとはいえMPはかなり厳しくなってきてはいるが。

これでもうしばらくはいけそうだ。

まあ、MPがなくなれば剣だけで戦えばいいだけだし、どっちかといえばHPの方が重要だけど。

それとレベルがきりのいい数字となったからか火魔法がもう一つ使えるようになったようだ。

ただ『炎塵』よりも消費MPが多そうなのでここでの出番はなさそうだ。

そういえば、俺とあったタイミングではかなり消耗していたはずのエンジュさんが回復しているように見えるけど、俺同様レベルアップしたんだろうか。

気になって聞いてみたが、時間経過とともに僅かに回復する、ネックレスを装備しているからだと教えてくれた。

ポーションも持ってきていたそうだが既に使い果たしていたらしい。

それにしても便利な装備があるものだ。

ネックレスは厳しいけど指輪とかでそういう効果がある装備が手に入れば、潜っていられる時間も延ばせそうだし、ちょっと羨ましい。

無限ループで無限に戦うことも夢ではないかもしれない。

このダンジョンの魔石は、エンジュさんと折半ということになっている。

エンジュさんは全部俺にと言ってくれたがさすがにそれは断っておいた。

三谷さんは、まあいいだろう。

折半したと言っても効率が飛躍的に向上したおかげもあって手元にはすでにかなりの数の魔石が。

しかも、どれもかなりの大きさだ。

さすがに少し疲れてはきているけど、そもそもDランカーの俺にはこんなことでもなければBランクダンジョンに潜れる機会は巡ってこない。

お金も稼がないといけないしこの機会を逃す手はない。

“なんかショーゴとエンジュっていいかんじじゃね”

“ああ、初めて組んだとは思えないくらいだな”

“それにしたってDのショーゴが前でBのエンジュがサポートっていろいろおかしいだろ”

“ショーゴがおかしいのは今に始まった事ではない”

“ショーゴに虫が2匹も。潰れて欲しい”

「ちょっと休憩しましょうか」

「はい」

「あ~のど乾いたな」

さすがに水分補給なしで結構潜ってるからな~。

「よければ飲まれますか?」

「え? いいの?」

「はい」

失念していたけど、エンジュさんは準備の上ここに来たんだから飲み物を持っていても不思議じゃない。

「どうぞ」

「え⁉」

エンジュさんから差し出されたのは飲み口の付いたタンブラーっぽいボトルだった。

…………。

これって、エンジュさんが飲んでたやつだよな。

飲み口はひとつ。

……これって間接キス。

いや、きっとダンジョンのような極限状態ではある事なんだろう。

変に俺が意識したら気持ち悪すぎる。

「ありがとうございます」

俺は口から心臓が飛び出しそうなのを無理やり抑え込み、平静を装い口をつけ水分補給をする。

…………。

ヤバイ。

普通にヤバイ。

これが……。

倒れそうだ。

エンジュさんと……。

「私ももらっていいですか~」

そういうと三谷さんが俺の手からボトルをとってそのまま口をつけてしまった。

「うふふふふ、もしかしてこれってショーゴさんと間接キス~?」

…………三谷さん。

「あ……」

エンジュさんが小さく声を上げみるみるその白い肌がピンク色に染まった。

三谷さん……。

そのまま、少しばかり気まずい時間を過ごし再出発する。