軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

17 2日目のリザルト

地上へと出ると、潜っている間は気にならなかったけどわき腹が痛む。

30匹近いゴブリンを倒すのに全く左わき腹が影響を受けないというのは考え難く、ダンジョンでは高揚していたからか問題なかったけど今はそれなりに痛い。

「調子に乗りすぎたかな」

まあ、そうは言ってもモンスター相手に調整しようもないし考えるだけ無駄かもしれない。

急ぎ昨日と同じルートでギルドへと向かう。

「買取お願いします」

「はい、お待ちください」

どうやら昨日と同じ人だ。

窓口の人へと今日の成果を渡す。

「……ゴブリンの魔核が26個ですね」

「ああ、そうですか」

「え~っと桐谷様は今日もお一人で?」

「はい、そうですけど」

「そうですか。無理はなさらないよう」

「はい、それはもう」

どうやら俺が一人で潜っていることを心配してくれているような。

昨日も妙に一人を気にされてた気がする。

「ありがとうございます」

今日の成果は26000円。

交通費を差し引いて24000円。

しかも、朝病院に行ってこの結果。

明日フルで潜れば今日よりも稼げるのは間違いない。

ステータスのおかげで結構余裕があったことを鑑みると美味し過ぎる気がする。

Fランクダンジョンって不人気なんだよな。

出会ったシーカーは2日で1組だけ。

なんでだ?

2日目の俺がこんなに稼げる場所なのに。

ゴブリンとはモンスターの中では最低ランク。

つまりは一番弱く危険度が低い。

つまりは一番安全に稼げる場所がFランクダンジョンのはず。

確かに他のシーカーもいないし不人気なのは間違いないけどそれが逆に集中できるし悪くない。

稼ぎに関しては望外に多い気がする。

確かに昨日は危険もあったし、命のやり取りをして一匹1000円では割に合わないかとも思ったけどちりも積もればだ。

もしかしてFランクダンジョンって穴場なのか?

まだ2日目だからはっきりしたことは言えない。

だけど、この調子なら俺はダンジョンシーカーとしてやっていけそうだ。

「ただいま~」

「おかえりなさい。今日もダンジョンに?」

「ああ、結構順調だよ」

「一人で?」

「もちろん一人だって。心配いらないから」

「そう?」

「本当に大丈夫だって」

「ならいいけど」

ダンジョンシーカーと縁のない母親が心配するのは無理もない事だ。

ダンジョンに潜って身体を動かすことが気持ちいい。

ゴブリンを倒す事が多少なりとも世の役に立っていると思うと充実感もある。

だけど、もっと戦いたいという気持ちはまだ治まっていない。

俺はどうしてしまったんだろう。

いや、わかってる。これはガッシュファルトしての望み。

戦いへの渇望。

シーカーとしては今日の方が上手く出来た。

複数のゴブリンを相手取っても危なげなく立ち回ることができたし、倒した数も多い。

だけど満足度は昨日の方が高かった。

ギリギリの命のやり取り。

自分が死ぬかもしれない死闘。

もしかしてこの気持ちはそれを望んでいるという事なんだろうか。

ヤバい。

やっぱり俺はヤバい奴になってしまったのかもしれない。

レベル1で死闘を望むって自殺願望者のようだ。

おれは、自殺したいわけじゃない。

強くなって、もっと稼いで、彼女が欲しいだけ。

死んだら両親も悲しむだろうし。

絶対なしだ。

とにかく明日からも安全に潜るだけだ。

間違っても、自分から死地に飛び込むような真似だけは御免だ。