軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

10 魔石

ゴブリン同様、実物を見るのは初めてだけど知ってはいる。

モンスターの残す魔石。

ありていに言えば、ダンジョンシーカーの収入源の一つ。

この小さな宝石っぽい石は買い取ってもらえるらしい。

こんな小さな石一つでどのくらいのエネルギーを秘めているのか不明だけど化石燃料の代替エネルギーとして用をなしているらしい。

ゴブリンの魔石の買取金額は僅かに1000円。

ダンジョンシーカーの説明を受けるときに教えてもらえた。

これがダンジョンシーカーの人気が薄い理由。

ゴブリン相手とはいえリアルに命のやり取りをして手に入るのは僅かに1000円。

ステータスが生える事をゴールに設定し上位ランカーをガイドに付ける事も一般的に行われているらしい。

そんな理由もありFランクのダンジョンは人気が薄く人が少ないとは聞いたけど本当に人がいない。

まあ、今の俺にとって1000円とはいえバカにならない。

交通費もかかっていることだしもっと稼ぐ必要がある。

戦闘も一瞬で終わったこともあり疲労は、ほとんど感じない。

魔石をポケットにしまい込み先へと進むことにする。

人気がない事も影響しているのかもしれないけど、すぐに次のゴブリンと接敵した。

まだ2匹目。

完全に緊張が抜けたわけではないけど、さっきよりはずいぶん落ち着いているのが自分でもわかる。

「ふぅ、やるか」

今度は大きな声は必要ない。

身体が熱を持っている。

右手にナイフを構え、ゴブリンを見据え自分から距離を詰めていく。

「ギャ、ギャアア!」

ゴブリンもこちらを認識したようだ。

走り出したゴブリンとの距離を頭の中でカウントしながら、左足で踏み出しすれ違いざまにナイフをゴブリンの胸へと突き立てる。

「ギャ……ッ」

一度目はあたふたしてしまったけど今度は上手くやれた。

自分のイメージより幾分動きは鈍いけど、思った以上にやれた。

ほかの新人シーカーがどうなのかはわからないけど、ゴブリン相手なら俺はやれる。

そんな根拠のない自信が湧いて来る。

ガッシュファルトの記憶。

数千人を前に戦った記憶がよみがえる。

自分がやったわけじゃない。

それでも、記憶の中の世界に比べればゴブリンはぬるい。

おそらく3匹目もいける。

俺は魔石を拾いすぐに歩き出す。

はじめて人型の生き物を殺したことによる精神的な摩耗は感じるけど、肉体的な消耗はほぼない。

この調子のままならどれだけでも潜っていられそうだ。

そこから更に9匹のゴブリンを倒しトータルで11匹のゴブリンを倒したところでそれは突然来た。

「があああああっ、いって~~~」

全身が燃えるように熱い。

熱いというよりも痛い。

「うううううっ」

今までの人生で感じたことのない痛みが全身を駆け巡る。

痛みで冷汗が流れ落ちるが、ここはダンジョンだ。

痛みで転げまわるわけにはいかない。

倒れ込みそうになるのを必死で踏みとどまりその場で耐える。

何が起こっているんだ。

ゴブリンとの戦闘でダメージはなかったはずだ。

まさか俺⁉︎

「ギ、ギ、ギッ」

この声は……。

嘘だろ。

いや、ここはダンジョンだ。

当然こんなこともある。

それはわかるけど、俺はなりたてほやほやの初日だぞ。

初日にこれか。

このダンジョンで俺以外の声。

それはもちろんゴブリンのものだ。

ハードすぎないか?

この得体のしれない現象の最中にゴブリンがこちらに向かってきていた。

こっちは痛みで立っているのもやっとなんだぞ。

「くそっ」