軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

13:ガチャ10回達成プレゼント

翌日の朝、ジョアンナは目覚めるとすぐに身を起こした。

ドキドキする胸を軽く押さえて、何度か深呼吸をして気持ちを落ち着ける。

そして、覚悟を決めると【ログインボーナス】の画面を開いた。

「よかったー、今日も出てきた!」

いつもと同じように、ログイン画面が出てきた。

ジョアンナが[ログイン]を押すと、いつも通りに「ログインチケットを1枚手に入れました」と書かれた画面が出てくる。

その画面を見て、ジョアンナはホッとして息を吐く。

実はジョアンナは、昨日、色々なことが起こったので「もしかして、もうログインチケットが貰えないかもしれない」と密かに不安に思っていたのだ。

メニュー画面を見てみると、

「連続ログイン:1,001日目」

「ログインチケット:1枚」

「ガチャチケット:2枚」

と書かれている。

これからもチケットが貰えそうなことに安堵したジョアンナ。

それならばと、1枚だけチケットを残して[ガチャ]を回すことにした。

1枚だけチケットを残した理由は、当主のケルヴィンが屋敷に戻ってきた時のためだ。恐らく、ケルヴィンの前でも[ガチャ]を回してみせる必要があるだろう。

ジョアンナが[ガチャ]を回すと、1回目は聖水が出た。

昨日から4回続けて聖水が出た事で、本当に聖水しか出ないのではないかという疑惑が強くなる。

2回目の[ガチャ]

ジョアンナは祈るような気持ちで、4枚のカードが置かれた画面を見ていた。

光の動きが止まってカードがめくられると……なんと、初めて見るカードが出てきた。

そのカードには黒っぽい色の葉が描かれていて、「デスパル草」と書いてある。

「やった! 聖水以外のカードが初めて出たわ! デスパル草? 初めて聞く名前ね。薬草かしら?」

名前から植物であることはわかったので、ジョアンナは図書室へ行ってデスパル草について調べてみることにした。

ジョアンナは図書室で、植物や薬草に関する本を何冊もパラパラとめくりながら、デスパル草について書いてある本を探している。

「あったわ!」

そして、他国の翻訳本にデスパル草に関する記述を見つけた。その本をじっくり読んでいくと……

デスパル草は、カリード王国で手に入る薬草だった。

カリード王国は、ジョアンナの暮らすエビロギア王国から、遥か遠くの南の海に浮かぶ小さな島国のようだ。

デスパル草が生えるのは高い山の頂上付近で、見つけるのも難しく、採ってから3日経つと効能が消えてしまうので、幻の薬草と言われているらしい。

──デスパル草は貴重な薬草みたいね……。もしかしたら、ヴィンセント様の治療の役に立つかもしれないわ!

ジョアンナは本に書いてあることを書き写して、すぐにセリーナに報告した。

ある日の昼。

ヴィンセントの部屋では、最近、毎日のように見られるやり取りが繰り広げられていた。

ヴィンセントのすぐ隣にジョアンナが座って、2人で楽しそうに[ガチャ]を回しているのだ。

ヴィンセントは[ガチャ]が気に入ったようで、ジョアンナが[ガチャ]を回すところを見たがった。

そのため、昼食後にはお茶を飲みながら2人で[ガチャ]を回すのが日課になった。

聖水が出る頻度が高いが、なんと「初級ポーション」も一度出ている。

初級ポーションが出た時は、「こんな物まで出てくるなんて、すごいスキルだ!」と、ヴィンセントが大興奮だった。

ジョアンナには、あまり馴染みのなかったポーション。

あまりにもヴィンセントが興奮しているので、詳しく聞いてみると……。

ポーションには幾つもの種類があり、効能も様々らしい。

手に入れた初級ポーションは、飲むか患部にかけると、切り傷や打撲などが一瞬で治るそうだ。骨折や深い傷などの大怪我には使えないが、治癒士がいない場所でもすぐに使えるので、リネハンでは高い需要があるらしい。

ポーションが出た日から、[ガチャ]を回す時のヴィンセントの瞳が、更に輝くようになった。

そんなヴィンセントの楽しそうな視線を受けながら回した、今日の[ガチャ]。

結果は……残念ながら聖水だった。

2人で苦笑いしてからジョアンナが画面を閉じようとすると……なんと、新しい画面が出てきた!

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「ガチャ10回達成プレゼント」が届きました!

① [10連ガチャ]が解放されました

② ガチャチケット:10枚を手に入れました(有効期限:本日中)

③ [アイテムボックス]の枠が20個になりました

④ [ガチャ]で手に入るアイテムが増えました

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ジョアンナは予想もしていなかった出来事に驚き、目を大きく見開いたままで動きを止めている。

「ジョアンナ嬢、大丈夫?」

そんな彼女の様子を見て、彼女に何かが起こったことを察したヴィンセントは、心配そうに声をかけた。

「また、新しい画面が出てきました!」

ヴィンセントも驚いた様子で一瞬動きを止めたが、すぐにダニーやコリンナを呼んでテキパキと指示を出していく。ヴィンセントから指示を受けたダニーは、セリーナを呼ぶために急いで部屋を出ていった。

「ジョアンナ嬢、両親や研究所へ報告する時に必要になるかもしれないから、画面をこれに書き写してもらえるかな?」

テーブルの上には、ヴィンセントの指示で用意された紙などが並んでいる。

ジョアンナはすぐにペンを持ち、画面の文字を全て書き写した。そして、その紙をヴィンセントに渡す。

「[10連ガチャ]……初めて聞く言葉だね。あとは……期限のあるチケットが手に入って……[アイテムボックス]の枠と手に入る物の種類が増えたのか」

2人で話しながらセリーナが来るのを待っていると、ダニーが息を切らして戻ってきた。どうやらセリーナは外出中で、戻りは夕食頃になるそうだ。

ヴィンセントは少し悩んでから、画面を閉じるように、ジョアンナに言った。

画面を閉じると、メニュー画面に[10連ガチャ]のボタンが増えている。

そのことをヴィンセントに伝えてから、[?]を押して説明を読んでみると……

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◼︎10連ガチャ

チケット10枚で1回、[10連ガチャ]を回すことができます(1日1回まで)

※ R以上のカードが1枚以上確定で出ます

※ チケットには「ログインチケット」「ガチャチケット」の2種類があります。どちらのチケットでも10枚で1回、[10連ガチャ]を回すことができます(組合せての利用も可能です)

◼︎使い方

① [スタート]を押す

② 表示された10枚のカードのアイテムが手に入ります

※ 失効までの期間が短いチケットから自動的に利用されます

※ 手に入れたものは、全て[アイテムボックス]の中に保管されています

※ [アイテムボックス]の枠が空いていない場合は、枠に入っている物を捨てるか、新しく手に入れた物を諦める必要がありますので注意してください

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さっきと同じように画面の文字を書き写して、ヴィンセントへ渡す。

ヴィンセントはそれを真剣な顔で読みながら、考え込んでいる。

──なんだか、最近色んなことが一気に起きて……少し疲れたわ。それに、次々とリネハン家の皆さんに迷惑をかけてしまって申し訳ないし……。「1,000日連続ログインの日」から、まだ1週間しか経っていないのに……。

ジョアンナは少し落ち込みながらも、画面に目を移す。

──「R」って何かしら? [10連ガチャ]は、10回分の[ガチャ]が1回でできるようになるようだけど……、これからは10枚チケットを貯めてから[10連ガチャ]を回した方がいいの? ヴィンセント様と2人で[ガチャ]を回すの、楽しかったのに……。

ジョアンナは日課になりつつある、この部屋での[ガチャ]の時間が減りそうなことに気がついてしまった。そして、 零(こぼ) れそうなため息を押し殺していると、ヴィンセントが声をかけてきた。

「うーん……私も本音を話すとすぐにでも[10連ガチャ]が見てみたい。でも、やっぱり母に相談してからの方がいいね。もし良かったら、母が戻ったら一緒に[10連ガチャ]を回すところを見せてくれないかな?」

ジョアンナは了承し、ひとまず自分の部屋に戻ることにした……。