軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

追加の人員

皆に感謝の言葉を告げて、準備も含めて一週間後に出発をするという話でまとまった。それぞれが準備をして、一週間後に集まり、それから一ヶ月ブッシュミルズ皇国で調査、研究を行うというスケジュールである。

そして、なんとロックスやハイラム、エライザ、ラングスがそれぞれ国に対しても協力を依頼してくれることとなった。エライザは「王族ではないので、あまり期待しないでくださいね……!」と不安そうに念押ししていたが、その気持ちだけでも嬉しい。改めて、集まってくれた一人一人に感謝したい気持ちになった。

しかし、今は折角皆が協力してくれることになったのだから、こちらも準備を入念にしておかなければならない。

「まずは、今まで分かっている部分だけでも模型を使って研究しておきましょう。それに、魔法陣の欠けているところを直せるように、補修に必要な素材も……」

やることはいくらでもある。なんなら、出発もっと遅らせても良かったかと反省するくらいだ。その間、講義も通常通り行うし、一ヶ月休む為にも講義の受講者に課題を出した。なお、ハイラムにも癒しの魔術の為の魔法陣作成の課題を出している。

色々とバタバタした日々を過ごしたが、一週間後には無事に準備を終えることができた。集合場所である学院の中庭に行くと、既に十名以上が集まっているではないか。

「皆さん、おはようございます」

そう声を掛けると、皆が振り返る。オーウェンやストラス、ロックス達だ。女性はグレノラだけである。

「一週間、楽しみで待ちきれなかったよ」

と、テンション高めのクラウンが笑いながら言った。予想通り、クラウンが一番興味を持ってくれている気がする。勿論、私やオーウェンも同様だが。

今回は馬車を三台準備しており、馬車の後ろに追加の荷台を接続している。一台に御者席も含めて九人は乗れる大型の馬車なので、同時に三十人弱連れていくことができるだろう。

そう思って既に集まってくれている人たちの荷物を荷台に載せていると、次々に参加者達が集まってきた。

「おはようございます」

いつもの爽やかな笑顔でコートが挨拶をしてくれた。その後にアイル達が大量の荷物を持って付いてくる。

「おはようございまーす!」

「ち、遅刻しそうだった……」

「危なかったね」

アイル、リズ、ベルの三人が賑やかな様子で挨拶をしてくれたが、三人の荷物の量に少し驚く。

「……一人鞄四つですか? 何が入っているのでしょう?」

純粋に疑問に思って問いかけたのだが、アイル達は目をぱちくりさせながら首を傾げた。

「え? 一ヶ月滞在するんですよね?」

「殆ど服です!」

「着替えの回数分荷物が増えてしまって……」

そんな言葉を聞き、成程と頷く。

「服はすぐに洗濯、乾燥することができるので、もう少し減らせますか?」

「えー、毎日違う服が着たいんだけど……」

「こら、アイル? アオイ先生を困らせないようにね」

こちらの提案に不服そうにしていたアイルに、コートが苦笑しながら窘める。そのやり取りを見て、同じように苦笑しながら答えた。

「それなら、せめて半分だけにしましょう。それなら、何とか持っていけると思います」

そう告げると、アイル達は「はーい」と子供らしく返事をする。まだ何も載っていない荷台の方へ行き、三人で荷物を選別している様子を横目に見ていると、また新たな参加者が集まってきた。

「お、遅くなりましたー!」

「ご、ごめんなさい!」

現れたのはエライザとシェンリーだった。二人は大きな鞄一つずつ持ち、走ってくる。

「おはようございます。まだ集合時間まで少しありますよ」

「ほ、本当ですか?」

「いっぱい人がいたから、焦っちゃいました……」

二人は荒い呼吸を繰り返しながら顔を見合わせて笑い、周りに視線を向ける。シェンリーはすぐにグレノラに気が付き、嬉しそうに手を振った。

「あ、グレノラさん! ありがとうございます!」

「あいよ。一ヶ月だけだからね?」

「はい!」

元聖女という、まさかの助っ人である。シェンリーは嬉しそうにグレノラと話し、エライザは首を傾げながらこちらを見た。

「あれ? 学長の姿が……」

「ギリギリまで仕事をしておくそうです。もうそろそろ来ると思いますが……」

学長が一ヶ月も休むとなると大変なのだろう。グレンは侯爵家当主でもある。そういった部分も影響しているのかもしれない。

そんなことを考えていると、ちょうどグレンが手を振りながら歩いてきた。

「おお、わしが最後かの? 待たせてしまったのう」

集まった面々を見て、グレンが困ったように笑いながらそう呟く。

「いえ、大丈夫ですよ。ちょうど良い時間だと思います」

そう言って、集まった人々を見回した。総勢十八名。中々の人数であり、皆が優秀な魔術師だ。集まった参加者の陣容に満足していると、誰かがこちらに向かって走ってくる足音がした。

振り返ると、そこには降雨研究家のバルヴェニーの姿があった。そして、まさかのソラレの姿も……。