軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

今、どうなってるの?

「それで、今この家には俺達しか居ないみたいだけど、ナヴィリオ達はどこに行ったんだ?」

サローナ達に抱きつかれて暫くそのままで居たのだが、一旦落ち着いて貰い、再び席に着くと先程から気になっていた事を聞いた。この家に俺とサローナ達しか居ない。ナヴィリオやエリス姫様、ギヴィリオお義父さん、ミレリナお義母さんの姿がどこにも見られないのだ。

「お兄様達はこの港町モタンペを出て王都イスコアへと向かいました」

「……ん?どうしてそうなったの?」

ナミニッサ達の話しによると、俺がこの数日間部屋で閉じこもっている内に色々と話が進んだようだ。

まず最初に起こった事は、ナヴィリオがエリス姫様に会ってしばらく会話をしていると、ギヴィリオお義父さん、ミレリナお義母さんの前で熱烈に求婚したそうだ。ナヴィリオはその求婚をその場で受けたそうで、そしてそれを、ちょうど俺への話が終わった後の勇者パーティーによって目撃され、勇者パーティーには「これが私の望む未来です。お父様にはありのままをお伝えします!!」と気丈な態度で答え、ナヴィリオ達もそれに同行する形になったそうだ。勇者パーティーはその護衛として共に王都イスコアへと戻った。

そしてナミニッサとナレリナも本来なら家族の問題だし、同行を希望されたのだが、俺がこんな調子だったので、俺の体調が戻り次第経緯を説明して出来れば王都イスコアへと来て欲しいとナヴィリオから言われているらしい。

俺はタタに入れてもらった紅茶と用意して貰った朝食を食べながら聞いた話を考える。

どうやら面倒臭い事になっていそうな気がする。

これはナヴィリオとエリス姫様の問題ではないのだろうか?

いや違うか。もうこれはマーンボンド家の問題か。そして近い将来は俺の家族の問題でもある訳か。だから俺にも来て欲しいと思っているのかな?

ナミニッサ、ナレリナもナヴィリオ達の方が気になるのか、少しそわそわしている。ふ~む……どうなってるのか心配しているようだし……

「じゃあ行ってみる?」

俺がそう提案すると、一瞬ナミニッサ、ナレリナの表情は輝くのだが、直ぐに躊躇う様な表情に変わった。

「どうしたの?」

「いえ……行きたいのは山々なのですが……その……」

「行けば勇者パーティー……というかアリアに出くわすかもしれんが……」

「あぁ、その事」

そんなに心配しなくてもいいのに……

「大丈夫だよ。俺の傍には皆が居てくれるんだろ?ならもう関係ないよ……皆が傍に居るのなら、俺に怖いモノなんて何もありません!!それにもう関わろうとも思ってないし。ただ、何かしら関わってくるつもりなら……全力で排除させて貰うだけだよ」

その言葉を聞いたサローナ達は安心したのか幸せそうな笑顔を浮かべた。その顔を見て満足した俺は、さて行きますかと席を立つ。

その前にシャワーで簡単に体を洗い、服を着替え、メアルを頭の上に乗せ、支度を整えると家を出る。そのまま町の様子を眺めていると支度を整えたサローナ達も出て来たので、「さて行きますか」と声を掛け、港町モタンペを出る。門兵に挨拶をして、俺達は少し小走りで向かう。門兵からは「ナヴィリオ様達の事をどうか宜しくお願いします」と、頭を下げて懇願された。例によって俺の事を知っている元マーンボンドの騎士達……いや今はモタンペの騎士か。その騎士達には頷きで答えておいた。

ナミニッサ達もナヴィリオ達の事を心配そうにしていたので、少し速足で王都イスコアへと向かう。

その道中、俺はふと気になった事をぽつりと零した。

「……そう言えば両親に帰って来たと伝えてないな」

その言葉にカガネがビクッと反応する。

俺はそんなカガネの反応にジト目を向ける。確か王都イスコアに入った時にも何故か露骨に反応してたよね?

「……何かしたの?」

俺の言葉にカガネは目を逸らし、冷や汗を流している。

だが、俺の追求の目を逃れるのは出来ないと思ったのか、ポツリと言葉を出した。

「……ちょっとした教育を……少々」

うん。なんか不穏な言葉を吐きだしたね。

教育って一体何をしたのでしょうか?

「それで?」

「……多分……お兄ちゃんが姿を見せると、もの凄い勢いで泣きながら謝ってくると思うのですが、優しく受け止めてあげて下さい」

「……ほんと何したの?」

そんな両親を持った覚えはありません。

もし、本当にそんな態度を取るのなら一回カガネにはお説教と共に、両親を元に戻す様にして貰わないと……別に両親が嫌いな訳じゃない。

確かにカガネに構いっきりだったけど、それはしょうがないんじゃないだろうか?誰だって自分の子供がもの凄い天才だったのなら、その子に構いっきりになると思う。

それに別にそれで両親に嫌われていたとも感じてはいなかった。

多少、与えられる愛情の量の違いはあっただろうけど、それでも俺へと向ける愛情が無かったとは思わなかった。俺も優秀な妹であるカガネは自慢だったしね。

「……うぅ……怒りませんか?」

「別に怒ってないよ。ただまぁ、やりすぎたかもしれない部分は後でお説教かな?」

「……はうぅ……嫌いになりましたか?」

「それこそ愚問だね。俺がカガネの事を嫌いになる事はないよ」

「パアアアァァァ!!」

「ご機嫌になったのは分かるけど、それを声に出して言うのは違う気がする」

そんなやり取りをしながら進み、速足で移動していた事も伴ってものの数時間で王都イスコアへと辿り着く事が出来た。