軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

side―――ジーナ

「ほう!」

誰に聞かせるでもないというのに、口元から感嘆が漏れる。

それは正しく革新的現象のためであり、いかにも私に見せつけるようじゃないか‼

心躍り、血が滾る。

たった2つの魔法でだ。

1つは青い炎の魔法。

射殺す意思がこれでもかと詰め込まれた初弾。

アレはドラゴンブレスやマナバーストと同じく魔力の奔流か?

そこへ属性を乗せただけ――にしては、あの迫力と威力の差が引っかかる。

迫力こそあったものの、威力は感じなかった。

壁を貫くようなこともなければ、余波が風や温度を呼び込むこともなく。

まるで見掛け倒し・・・・・・。

半透明であることから、次元の向こう側ではまた違うのだろうが、それにしては彼のドラゴンが必死に見えたのが気になることろだ。

もしかしなくとも、致命的な傷を負うという判断をしたに違いない。

なぜだ?

当然の疑問と言える。

そして、疑問ならばもう1つ。

天に浮かぶ太陽。

もちろん本物ではないさ。ここは洞窟。空までは遠く離れすぎている。

苦し紛れに落石を打ち払った時にエリック君が見せた、あの魔法だろう。

今それを使う理由とは?

合わせて立ち昇った青い炎の檻も。

2つにはどんな意図と関係性があるのだろう?

研究者。それも魔法の研究に携わる者として、これらの効果や関係は非常に気になる。

未知とは魅力の塊だからだ。

なによりも―――!

ゼネス。彼が次元のズレを使って何をするつもりなのか・・・。

それにこそ1番の興味を抱いている。

前の2つの魔法はエリック君のものだ。

暗闇に太陽を作ることで気を引き、足元に檻を作る。

普通に考えれば狩猟、それも追い込み猟が想起される。

恐らくこれは間違っていない。

エリック君は素直だからね。

言われたことを聞いたままに試してみたんだろう。

けれど、その後ろに隠れる彼は。

決して、そんな善良性を持ち合わせない。

意地が悪く、卑しく、厭らしく。

それでいて確実性を求める現実主義者だ。

エリック君の魔法に手を加えているか、あるいは利用しているはずさ。

確実にね。

であれば、その後・・・かな?

追い込んでから、どうするつもりなのか?

ここに手掛かりが眠っているんじゃなかろうか。

そもどうやって追い込む?

閉じ込めるには頼りない檻のように思えるし、太陽により視線誘導は囮の可能性が高い。

囮――・・・いや、意識の問題か?

「そうかっ! 飛ばせたいのか‼」

不意に腑に落ちる思考。

あの太陽は空の象徴。

ここには空中という場所があるんだという刷り込み。

それは怪我を恐れて地面を転がるように回避したドラゴンへの啓示。

本当の罠は空中の檻!

面白いじゃないか‼

最も、私が知りたいのはその先にあるのだけれど。

しかし、

「そうであるならば、私も出来ることをやらなければね」

手伝えば答えも近付くだろう。

考えるだけが全てじゃない。

どんな計算式、仮説であっても。実験を行い、時間の果てに答えを得る。

その答えがひとりでに解を示そうというのなら、まずは見てみようじゃないか!

君は一体、何をしたい?

次元を切り取った空間の向こう側から、はみ出した半透明の魔法を使って、どんな世界を知ったんだい?

さあ! それを今、見せてもらおうじゃないかっ‼