軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

強襲?

ちょっとした問題が発生しながらも、着地点は目前まで迫っていた。

まさか頭上に現れたアンナから逃れるために、必死に空中遊泳を披露することになるとは思ってもみなかったが、誰に怪我も無く。問題児の首根っこを掴むまで成功したのだから上等だった。

着地の事前確認としても、十分なものだったと思う。

おかげで益々近付く地表にも恐れずにいられた。

「そろそろ行くぞ!」

手を繋いだままの全員に声を掛ける。

落下速度を合わせるならこれがいいだろうと、円を描くように手を繋いだせいもあって頭の位置も近く、この声を聞き逃すようなことはなかった。

もう一度、罠の魔法道具を取り出し、他よりも平な場所を見つけ、狙う。

おおよその狙い通り、魔法道具は一足先に地表へ突き刺さり、それを見て空間移動する。

地面から1M程だろうか、浮いた位置に転移する。

重力とは別の力に引っ張られる感覚をわずかに味わい、そしてまた落ちる。

この絶妙な不快感を言葉に出来ないのが口惜しい。

地面に刺さる魔法道具を踏まないよう、着地。そのまま回収する。

「元の予定だと落下からの強襲になっていたはずだけど、ここは・・・?」

「降下じゃなくて落下だからね。流されてしまったんだろう。龍王君の言っていた敵ドラゴンの住処たる穴倉は、空からでも見つけられなかった。修正できなくても仕方ないよ」

クライフの疑問へジーナが答え、一番視力の高いアンナがジーナの言葉を肯定するために頷く。

「結界・・・でしょうか?」

「その可能性もあるけど、単純に見えなかっただけの可能性もあると思う。入り口の角度によっては、上からじゃ見えなくてもおかしくはないでしょ? ほら、こう――」

エリックがどうにか手を使って説明しようとしているが、フェリシアにはいまいち伝わってない。

穴の角度と空からの視点を表現するには、手の数が足りなかったな。

「まぁ、決めつけるのは良くないってことだ」

「そう! 僕が言いたかったのはそれです!」

上手くいかない説明の最中で、頭がこんがらがっていたエリックはハッと我に返って賛同すると、今度はフェリシアがそんな話でしたでしょうか? と首をかしげていた。

しかしながら、こんな山中を無暗に歩くわけにもいかねぇ。

木も生えねぇ寒風吹き荒れる山肌。

積もった雪が足先から体温と摩擦を奪う。

おぼつかない足場を1歩1歩、踏みしめるように歩く行軍が長く続けば、それだけで体力を大幅に持っていかれることは請け合いだ。

強襲という目的も失ったことだし、索敵を行ってもいいのかもしれねぇ。

そう判断して魔力を四方八方へ飛ばす。

なんの手応えも感じられないが、

「なにか見つかったかい?」

「穴倉なら見つけたな」

山肌にぽっかり空いた空間だけは見つけられた。

「留守かな?」

「住処とは別のただの穴倉っつー可能性もあるな」

「他にも穴倉があったのかい?」

「地面になら幾つかあったな」

「それは・・・気を付けた方がよさそうだね?」

「余計な魔力は使いたくねぇからな」

「そこを襲われるとは考えないんだね」

「それが出来る距離に居れば気付くだろ」

大地が裂けたような地面の穴。

その中から横に広がる空間もあるが・・・人間ならまだしも、ドラゴンの巨体じゃ流石に通れるはずもねぇ。

一先ずは、見つけた穴倉に行ってみるか。