作品タイトル不明
探し出して決せよ13
「それではいきますわよ‼‼」
「はい! お願いします!」
「でりゃぁああああ―――ッ‼‼ ですわあああ‼‼」
「ッ! 反応在りました! こっちです!」
「ああっ! いいですわよ‼ 私の活躍をジェイド様が‼‼」
学園の教室1つ分程度には広いはずの空間さえも、煩く出来るのは才能でいいんだろうか?
力と認めたことを再審議するべきか悩むくらいには明るく進む。
それはちょっとした起点によって生み出された状況だった。
時間をやや戻して。
「――平気です‼」
余裕かあるかと聞いたヨハンが強く頷く。
水と雷に負けねぇぐらい相性のいい組み合わせは存在する。
それが光と闇だ。
相反する存在として語られることが多いこの2つだが、実際には切っても切れない縁と言える。
言葉通り、光がある場所には影もあるし、輝きのない場所には闇もない。
光で埋め尽くした空間や闇で埋め尽くした空間は原理的に言えば作れるが、それを確かめる術はなく、利用も出来ないだろう。
そういう性質を持っている。
その上で。2つが同時に存在する時、お互いにどういう作用をし合うのか。
答えは比例する。
片方が増幅すればもう片方も増幅し、低減すればそれに倣う。
これも依存といえる関係かもしれねぇな。
そんな性質を持つ魔法に覚えがある奴が、他ならぬ影魔法を使うヨハンだ。
つっても、すぐにわかる問題が1つ。
光か、それに近い性質を持つ魔法に覚えのある奴はどこにいるのか?
雷も光を発するため、ケイトがそうだと言えないこともねぇが・・・適任は他にいた。
「それが私・・・ですの?」
「そうだ」
火が光を発し灯りとなることは、夜を過ごしたことのある人間にとっては常識だ。
「ちょっと待って! キューティーの魔法はその、加減というか・・・歯止めというか・・・そういうのが、ない。あんまり難しいことはその――」
「なんですの⁉ その歯に絹どころか色々と挟まったような言い草はッ‼」
「でも事実だから!」
「そんなこと! 今更このゼネスさんが知らないわけがないでしょう⁉⁉ そうと知っても、この私に話を持ってきたということは‼ それだけの期待があるということに外なりませんわ‼ さあ言って! 今すぐおっしゃってくださいませ‼ 私の活躍のために‼‼」
首を振って抑止しようとするケイトを押し退けんばかりの興味でがぶり寄るキューティー。
じゃれ合っていたせいもあるだろうが面倒臭い。
こんな状況で楽しそうだってのも呆れた話ではあるが。
「まぁそうだな。難しいことは一切しない。途轍もなく単純に力を借りたいんだ」
「そんな―――本当に、キューティーに・・・・・・ッ⁉⁉」
「その反応はおかしいでしょう⁉⁉ 私達は仲間ですわよね⁉⁉」
「魔法に関しては期待してないから」
「嘘でしょ⁉⁉ 私の成長は――ッ‼‼」
「6歳の時から何も変わってない」
「あんまりですわ⁉⁉」
ケイトお得意の雷魔法にでも打たれたかのように衝撃を受け、固まるキューティーを無視して。
「やって欲しいのは照明役だ。強い光があれば何でもいい。おあつらえ向きに上の空間も切り取られてるようだから、全力の魔法も。上に向けて撃てば被害は出ねぇ。キューティー・・・お前は火の魔法が得意で魔力も余ってるんだったよな?」
「なるほど・・・そういうことなら、納得」
「ケイト? ねぇケイト? あまりにも失礼じゃありませんこと? 私、魔道具代わりですわよ?」
「大丈夫。キューティー。魔法に関しては魔道具の方が便利」
「例え本当のことでも聞きたくないこともありましてよ?」
っつーようなやり取りをした後。
一番最初の区間にいた人形もどきを引っ張り出し、門から締め出して冒頭へ戻る。
キューティーは全力で魔法を使い、上方へ火柱を打ち建てる。
その強い光を受けて生まれた濃い影を、ヨハンの魔法で3方向へ送り込む。
空間がどういう風に切り貼りされていようが、光が届くのなら人影も当然足元にあるわけで。逆に影を操って人の方を動かし、手を上げさせることで、どこへどう繋がっているのか・・・を、外側にいるジェイドに記録させた。
エイラとケイトはその手伝いとして、地面へ道を書き出している。
奥にいる壁に利用された人達を滞りなく運び出すために。
ケイは兵達をまとめながら門の守備。
急いでくれとは言われたが、敵も味方も。数の多くはまだどこか上の空。
扉の攻防戦が始まるにはまだ少し時間があるはずだ。
歪められた空間を進むのは敵を引っ張り出す俺と、道を探すキューティーにヨハン。そして、誘導係のユノで4人だ。