軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

side――ダミアン3

私は失望した。

リーリャに―――・・・・・・ではない。

彼女へ対する周囲の全てに、だ。

加護Lvの低下。他で聞いたことがない事例だ。

であれば、薬の開発による影響や、その過程を隅々まで調べ尽くし、原因の究明・・・あるいは、症状の回復に勤めるべきだろう。

同じ症状を蔓延らせるつもりがないのであれば、だ。

しかし教会はそんなことをするどころか、彼女をあしざまに吹聴し、あげく石を投げるように責任さえ押し付けて追い出した。

彼女に対して不満を持っていた者達は、これ幸いとあることないこと好き勝手に。

曰く『陰では体を売り回り淫猥に染まっていた』だとか『外面だけを繕い、同僚には高慢な振る舞いをしていた』だとか・・・終いには『神を冒涜するために教会へ紛れ込み、保管されている聖遺物を破壊していた』などという、あらぬ噂にもならないような、酷い言いがかりが蔓延る始末。

彼女の支えは家族の他にはいないのだろうと思っていたが、その祖父母でさえ、

『両親が死んだのはお前のような子を産んだせいだ』

そう言ったらしい。

私の腕で咽び泣く彼女を見て、私は怒りに震えた。

彼女の拠り所となれた喜びよりも、彼女の笑顔を見れなくなった悲しみが、遥かに上回っていたからだ。

そんな世界を良しとする神にも、これを戒めない教会にも、それを認めるこの領地でさえ、到底許せるものではなかった。

罰を与えることもなく、注意を出すわけもなく、あまつさえ! 薬の功績で爵位を繰り上げようなどと‼

怒髪、天を衝くに至る。

なにもかもを破壊しつくしたいほどの怒り、衝動。

これほどの感情は、未だかつてあり得ない。そして、未来永劫あり得ない。

私は2つのことを決めた。

1つは彼女と添い遂げること。

もう1つは私が領主となり、この領地から教会とその教えを廃絶すること。

生半可な道ではない。

けれど、諦めていい道のりではない。

リーリャの加護Lvは3だった。元は聖女の候補になるほど高かったのだ。それを持ち上げていたのは教会だった。にもかかわらず・・・。

薬を開発中の事故かとも思い調べたが、誰も彼もが口を揃えて言うのは、『わからない』の言葉だけ。

彼女からもそうだった以上、原因を追究するのは難しい。

ならばこそ、無知蒙昧な誹謗中傷を黙らせるには加護教そのものを間違いだと否定する他にない。

それ以外に、リーリャへ平穏をもたらすことは不可能である。

私はもう一度、彼女の心からの笑みを見たいのだ。

こんな・・・気を使った。張り付けたような偽物の笑みなど、もう二度と。見たくはないのだ。

その手始めに、領主の地位を簒奪し、爵位の繰り上げを阻止しなければ!