軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

胡乱なチート

「くふっ⁉ ふふふふッ‼ あっはっはっはっは‼ ―――」

壊れたように笑い続けるジーナを放置しようかと悩むこと数秒。

「・・・いい加減うるせぇぞ?」

「いやっ‼ なに‼ ふふっ・・・すまないねっ! 思っていたより、随分と効果的で―――くふッ‼」

「どうせ、アイツらに下らねぇ事を仕掛けてたんだろうが・・・」

「ま、まぁ概ねその通りなんだけれど―ッ‼」

はぁー・・・はぁー・・・と、どうにか息を整えようと必死になるジーナ。

「あっはっは! ダメだ‼ 今の状況でさえッ! まるで続きじゃないか‼」

「続き・・・――?」

天井を仰いで腹を抱えながらビクビクと身体を跳ねさせるアホ面の言葉が引っかかる。

なんの続きだ? と、考えさえすればすぐに辿り着く。

「お前‼ アイツらの存在に気付いてて、部屋の中であんな言動してやがったのか‼」

そう、あのわざと誤解させるような変態的言葉選びは、俺への当てつけではなく、扉の向こうにいる2人に向けたものだったんだ。

「ま、待っておくれよ‼ 違うっとは言わないさ! い、言わないけどね? 彼らだと気付いていたわけではないというのだけは・・・・、ふふっ。理解してほしい‼」

「んなこたぁどうでもいいんだよ‼ 誰に聞かれたとしても厄介なことにしかならねぇんだからな‼ その気配に気付いたんなら、なんでさっさと言わなかった‼」

「それがっ逆効果になるからさ!」

「どういう意味だ?」

「考えてもみたまえよ。あの、噂をだ・・・んふ! 否定する場合だよ? 私達が一緒にいる理由を説明する時、なんていうつもりだい?」

「仕事の連絡でもなんでもいいだろ」

自らの胸を抑えるようにして、はぁー・・・と大きく息を吐きながらジーナが反論する。

「そんなものを、わざわざこの学園長室でやるのは不自然だろう? それに、今回はよくても、次回以降も同じ言い訳を使い続けるつもりかい? そんなことをすれば、いずれどころか! すぐにでもバレてしまうね。私達のやっていることが」

やっと笑いを収めたのか、ハキハキと言い切ってくれるところにまた腹が立つ。

「他に意図はなかったと?」

「あわよくば・・・だとか、思ってなどいないからね‼ うん‼ まぁ、扉越しに様子を窺っていたのが、彼らだったのは私にも予想外だったけれど」

「おかげでこの上なく面倒なことになりそうだ」

「私としては有難いけれどね・・・」

「なんか言ったか?」

「いや? なにも言っていないよ?」

ったく・・・今後、授業の度に。アイツらの都合が悪くなった時、その手の質問が飛ぶかと思うと今から気が重い。

しかも、最悪で皇王陛下にまでこの噂が届くとなると、殊更にだ。

そこまで話が行くと後から撤回など出来そうにもないからな。

「俺が先に気付くべきだったか・・・」

「結果は同じだったと思うけれどね? とはいえ、何度も使える手ではないのだから、なにか方法を考えないとね。でなければ、私達はあまりにもお盛んな2人という認識にされてしまう。まぁ、私はそれでも構わないのだけれど・・・」

「俺はごめんだ。一応聞いておくが、いつ気付いた?」

「廊下側の扉が開いた瞬間だよ。私は君ほど熱心に残された私物をあさっていわけではなかったからね」

「・・・っつーことはなにか? てめぇの確認してた分は、後でもう一度。俺が確認しなおさなきゃならねぇってことか?」

「大丈夫さ‼ そういきり立つほどじゃない! 見落としがないとは言えないだろうけど、そんなあからさまな物を見落とすほどでもない‼ だから、その拳はおろしたまえ‼」

拳はやめろっつーから、その頭を握りしめつつ考える。

以前より気配の察知や人の移動には敏感になっていたはずだが、それでも。集中しすぎれば精度は下がるか・・・扉1枚とは言え、壁の向こうだしな。

もう少し、慎重さを思い出した方がいいのかもしれねぇな。

「痛い痛い! この偉大な頭が馬鹿になったらどうするつもりだい⁉ 責任を取ってくれるのかな⁉ もし君にその気がないなら放しておくれよ‼ ねぇ‼ はーやーくーッ‼」