軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

不安

青いな。

見上げる空か、あるいは己か。

ただそう思っていたところに、

「こんなところでガキのお守とは・・・元冒険者様は暇そうでいいですねぇ?」

予想していなかった声が聞こえてきた。

「・・・・・・なんかようか?」

そこにはジェイド率いるパーティー組が揃い踏みだった。

「まさか。元冒険者様のお手を煩わせることなんて、なにも」

わざわざ身振り手振りが鬱陶しい。

「ようがないならこんなところで油売ってねぇで、トレーニングの一つでもやったらどうだ?」

ジェイドの顔がピクリと動く。

「その言葉、そのままそっくりお返ししますよ。こっちはそれほど暇を持て余してないんで」

「だったらようもねぇのに話しかけるなよ。暇がねぇならやるべきことをやれ」

「ッ‼ うっせぇな‼ テメーに指図されるいわれはねぇんだよ‼」

「ちょっと!」

急に声を荒げるジェイドをエイラが止める。

あれが素か? というか、その程度で我慢ならねぇならなんで最初から食って掛かるんだよ・・・。

「チッ‼ まぁいいさ。テメーもすぐに俺様がいかに優れているか、知ることになる。その時まで、せいぜいそこのガキとでも遊んでろ! 行くぞ!」

言うだけ言って、踵を返し速足で立ち去る。

残りの三人はすぐについていくもの、慌ててついていくもの、迷ってから頭を下げて背中を追いかけるものとそれぞれだったが、ジェイドが止まらなかったせいか、皆その後にちゃんと続いていた。

「なんだったんですかね?」

俺の言葉に代わるようにヨハンが言った。

「・・・さぁな」

気になって二人を見るが、特別怒ったりといったこともない。

「どうかしましたか? また変な顔をしているようですが?」

リミアが失礼なのはいつも通りだ。

「いや。明らかに見下されてた割には怒ったりしてないな、と思っただけだ」

「まぁ、僕たちが年少者なのは間違いありませんから」

「そうです。それに・・・ああいった方は学園にも少なからずいましたので、今さらでしょうか」

熱くなるどころか冷め切っているということは・・・学園生活で面倒事でもあったんだろうな。

二人の実家の爵位は高くないし、苦労したのかもしれない。

「むしろ、先生こそ。なんであんな風に言ったんですか? ああなるってわかりませんでした?」

正直な話をするならば、わかっていた。わかりきっていた。

ただ、

「俺も昔、ああいう奴と色々あって・・・つい、な?」

学園時代を思い出すのは俺も同じで・・・無茶ぶりな頼み事に、今どうしてるやら。

「そういうところは直してみてはいかがでしょう? 先生」

満面と言える笑みで、そういうことを言うところ。直してみたらどうだ? って言ってもいいか?

そんな昼を終え、俺達はとある場所に来ていた。

「ここか?」

皇都の外れ、外壁のより近く。

周りを資材だか建材だかに囲まれた一角。

その中に黒い煙を放つ煙突を抱えた建物があった。

「はい! ここで買いました!」

どことなく嬉しそうにいうヨハン。

たぶんだが、この空間が好きなんだろう。

何とも言えない職人感や漂う技術的雰囲気。

男はそういうのが好きだ。

かくいう俺も嫌いじゃない。

そんな俺達をよそに、出来る限り近づきたくない! といった表情のリミア。

なぜこうなったかと言えば、そもそも二人は装備をどこで手に入れたのか・・・という話になったからだ。

「結局。装備は物を見ながら説明して、その上で色々試していくしかないか・・・?」

「先生の装備はその籠手だけなんですか?」

「服や靴にも色々仕込んではあるが、基本的にはコレと・・・このナイフだけだな」

「それだけで良くも生き残れたものですね?」

「そりゃ頑張ったからな?」

「そういうのってどこかで売ってるんですか?」

「俺は自分で作ったな。素材と金を職人に渡して依頼するのもありだが・・・。そういえば、その装備はどうしたんだ?」

「私のは家にあった高そうなものを持ってきました」

「もうちょっと他になかったのか?」

「装備は高いものの方がいい、と昔読んだ冒険譚に書いてありましたので」

「違うとは言えないんだけどな?」

「僕のは街外れで買いました!」

「街外れ?」

「はい! 外壁の近くでたまたま見つけたんです! 先生は知りませんか?」

「残念ながら」

「じゃぁ一緒に行ってみませんか? 武器も結構色々とありましたし、値段もそこそこでしたから、ちょうどいいかもしれませんよ!」

というわけで、その街外れのそれらしき場所に来たんだが・・・。

武器屋や防具屋というより鍛冶屋って感じなんだろう。奥の方から金属をぶつける音が響いてくる。

別の意味でそわそわしている二人を置いて、中に入ってもいいのか聞きに行こうかと思っていたところに、

「さっきからそこで、なにみてやがる?」

中から、最近頭頂部の特に生え際辺りを気にしているどこぞのギルドマスターといい勝負をしそうなむさくるしさのおっさんが現れた。