軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

言い訳の代わりに

とりあえず、護衛の話が決まった。

俺以外にも人数は必要だからと、他にも声をかけると言っていたが、報酬額の違いに納得できる相手だと面倒がなくていいんだけどな・・・。

向こうに着いてからの、現地での護衛の契約や帰りの話も多少したが、それは結局その時に決めようということになった。

ものがいくらで売れるかとかの兼ね合いもあるだろうからな。

そっちはいい。

だが、

「それで? どういうことかしら?」

穏やかな物腰で柔らかい印象とは裏腹に、結構な圧を放ってくるエイラ。

こっちはどうしたもんだろうな?

昼過ぎ。

ギルド内にいた駆け出し6人を見つけ、丁度いいからと集めた。

「悪いとは思うが、依頼があるのは仕方ねぇだろ?」

そこで俺はしばらく皇都を離れる旨を切り出した。

どうしても必要なことだ、と。

その結果。

俺は絶賛、詰められてるというわけだ。

「私達のこと・・・いえ、ケイトのことはどうするつもりなのよ‼」

まぁそうなるよな。

言いたいこともあるだろうが今は~といって教会から返した手前、ちゃんと時間は作るつもりだったんだが・・・どうしようもねぇ金欠のせいで、それも出来なくなった。

とはいえ、護衛の依頼をキャンセルなんざ出来はずもねぇ・・・。

「まずは落ち着きましょう」

気まずい空気を切り裂いたのはリミアだ。

「とりあえず1つずつ。なにがあったのか話してもらうのはどうでしょうか?」

そんな提案に否定はなく、俺は教会での顛末と護衛依頼について、必要ねぇ個人的な情報を省いて説明した。

「つーわけだ。今ギルドには金がねぇ。本部から金が来るまで待てねぇ以上、どっかで誰かが稼がなきゃならねぇんだよ」

「そうなのかもしれないけど・・・だからって、あんなことがあったのに私達を放り出して行くのはおかしいんじゃないかしら!」

「だからそれについては謝っただろ? それでも言いたいことがあるってんなら、出発までにまだ2、3日あるだろうから、それまでは聞いてやるよ」

「うちのケイトをあんなにしておいてその言い草⁉ 酷いんじゃないの‼」

「そうですわ‼ ほら! ケイト‼ あなたのことですのよ‼ 自分でもなにか。文句の1つくらい言ったらどうです⁉」

片側にエイラ、逆側にはキューティー。2人に抱き付かれるようにして、前に出されるケイトは満更でもなさそうで、どことなく以前よりも元気そうなんだが・・・?

「わ、私は・・・そんな・・・な、なにも」

「なんでもいいんですわよ? この若白髪‼ とかでも」

「そうよ。勝手な理想を押し付けるな‼ とか言っていいのよ?」

2人は好き勝手に吹き込むが、

「・・・理想を押し付けてたのは・・・たぶん、私・・・だから・・・」

ケイトは首を振るばかり。

それを見て2人が、もう・・・この子は。的な雰囲気で――。

なんだ? この茶番は。どうすればいい?

というか、これがやりたかっただけか⁉

ジェイドが後ろの方にいるのもそれが理由か?

アイツが一番文句を言いそうだってのに・・・これに巻き込まれるのを嫌ったのか⁉

だとしたらいい判断だと言わざるを得ねぇな。

なにを言っても無駄な気がするのに、なにかを言わなきゃならねぇのはまさに地獄。

なにより、それで終わればいいが終わらなければ無間地獄だぞ。

いや、絆が深まったっつーんならいいことなんだけどな。

「それよりも、私の質問はどうなったのでしょう?」

またしても割って入ったのはリミアだ。

だが・・・・・・私の質問?

そこで思い出した。

そうだった。リミアは教会のことを知りたがってて、ワンダーゴーレムみたいな化け物がなんで教会内にいるのかってのを気にしてたんだ。

そして、俺はそれを爺に聞く約束で・・・。

すっかり忘れてた。

「あー・・・教会の歴史は長いんだ。古いもんの管理や当時の状況ってのは今の時代には残ってなくても・・・」

「わからないと、そう言われたのでしょうか?」

ッスー・・・・。

「・・・いや。そう言う可能性が高いってだけの話だ」

「つまり、聞いてないんですね?」

「・・・まぁ。そう言うことだな」

「あれだけ格好をつけておいて、それですか」

隠し事はなし。

そう言っちまったからな。ごまかすのもなしだ。

「・・・・・・すまん」

「まぁいいでしょう。そちらの皆さんも。この先生は所詮この程度ですよ? 人を怒らせておいて自分は喜んでいたり。偉そうなくせに肝心なことを忘れていたり。自分の興味ばかり優先するような、そんな人です」

随分な言いようじゃないか? そう思ったが・・・・魔法を教える時も、装備を整える時も。

思い返してみれば確かに。相手からはそう見えてもいおかしくないような・・・?

それにしたって他に言いようはあるだろう。人をろくでなしか犯罪者みたいに言ってくれやがって。

おかげでケイトを囲む変な雰囲気はなくなったが。

「だからこそ、意味もなく私達全員を集めるような人ではないはず・・・ですよね?」

他にお土産ぐらい用意してあるんでしょう? というような期待した目で続けるリミア。

どこまでも察しがいいというかなんというか。

そうであってほしいっつーんなら、

「・・・そうだな。俺が皇都を離れてる間。お前らにやってもらうことを考えてきた。まぁ宿題ってやつだ」

せめて、その期待には応えるとしよう。