軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第四百四話 初めて出会った場所

「……えぐいことするじゃない。ハクキたち残党の鬼たちと、弄られたジャポーネの戦士たちが民たちから強制徴収……そして問題なのは……」

「その弄られた連中の中に……ベンリナーフがもし居たら……まぁ、一緒にいたノジャがこの通り弄られているわけだから……可能性としては……」

コジローとエスピの推測ではあるが、正直俺もその可能性が高いだろうと感じている。

しかし、そんなにポンポンと人をの頭を弄れるものが……

『……解せんな……』

そのとき、傍らのトレイナが神妙な顔をして何かを考えている様子だった。

『トレイナ……何か引っかかることでもあるのか? 何だったら皆に意見を聞いてみるけど……』

『……いや……少々余も考え中だ……もう少し分かってから……だな』

今の話で何か気になることでもあったか?

まだ、俺の頭じゃそこまでたどり着けねえってことかな?

一体トレイナは何を……

『ひはははは、まぁ、それはさておき……ベンリナーフ達、帝国と魔界の調査団がやられてどこへ連れていかれたのか……大体分かったぜぇ~』

「「「「「え……は、はやっ?!」」」」」

『ひははは、すげーだろ? ほめてくんろ~♪』

って、そのとき魔水晶の向こうから告げられたパリピの言葉に俺たちは一斉に驚いた。

だって、まだそれほど経っていないっていうのに、もう?

「おい、パリピ……本当かよ。ってか、あまりにも早いけど……確かなのか? つか、ひょっとしてお前、その鬼たちと繋がってるとかねーよな?」

『うは~、ひどいな~、ボスは。右腕を疑うなんて! オレ傷つくよ~、ヨヨヨ。オレを信じられないの? この純真無垢なオレを!』

「……ヲイ……」

『ひはは、怒っちゃやーよ。だけど、まぁ、繋がってはいないけど……元々、目星はついていたからね』

「な、なんだと?」

信じられない? 信じられる要素がどこにあるってんだ。

だが、それでもこいつの自信満々な態度から察するに、何かの情報は掴んだ様子。

なら一体……

『実はハクキの旦那は大魔王様が討たれた後……終戦後も残党引き連れて魔界や地上の裏でコソコソしてたんだが……実はシソノータミの周囲にもたまに出没していたんだよ』

「……そうなのか? って、そうか。その古代のアイテム使ってるわけだし……」

『そうそう。マスターキーが無いから遺跡の奥底までは行けなかったが、まぁ、そういう関係でシソノータミからそれほど離れていない場所に隠れ家みたいなのも持っていてね……一方でオレもシソノータミでたまに遊んでたから、ハクキの旦那とだけは鉢合わせしないようにちゃんとチェックしてたのさ。ほら、オレは死んだことになってるし』

今の話を聞いていて思い出した。

そういえば、ヤミディレもクロン関連でシソノータミを使っていて、そのことにハクキも関わっていた。

「ってか……ハクキは随分前から地上に……シソノータミ周辺のことも結構熟知してるってことか?」

『だね。ジャポーネも近いし、色々と企んでもいたんだろうけど……と、いうわけでその隠れ家周辺をちょいと調べさせたら、ビンゴだったのよ』

言われてみれば単純な話だが、結構ゾッとする話だな。

だって、あの六覇最強とまで言われている伝説のハクキが、実は地上に隠れ家のようなものを持っていて、しかもそれがシソノータミやジャポーネの近くだっていうんだからな。

コジローやシノブたちも顔を青ざめさせている。

目と鼻の先にバケモノが隠れていたんだからな。

『あっ……なるほどな……そういうことか』

『?』

パリピの話を聞いて俺らが驚いている中で、トレイナはどこか納得したように頷いた。

そして……

『今のパリピの話を聞いて……ハクキがどこを隠れ家にしているのか、余も分かったぞ……というより、あやつがシソノータミで戦後もコソコソしていたということに考えが達していれば……いや、そもそもシテナイがボクメイツファミリーのイナイの息子であることを知った時点で気付くべき……』

トレイナにも分かった? 今の話だけで? シソノータミの話しかしてないのに?

いや、ってことはシソノータミの近くってことか?

『童、以前言ったことがあるだろう? シソノータミと割と近くにある大きな街……イッカナーイ都市』

「いっか……なーい?」

どこだっけ? いや、聞いたことはある。最近。確かあれは……

『ひははは、あれ? ボス! ひははははは、なーんだ、今ので分かっちゃった? いや……分かったのは……別の御方かな?』

「えっ? お兄ちゃん、いっかなーい……イッカナーイ都市のこと?」

あっ、声に出してた。危ない。つか、今のパリピの反応からして、やっぱパリピには色々と俺のことをバレちまってるようで間違いないな。

で、イッカナーイ都市。そうだ、思い出した。

「たしか、俺とエスピとスレイヤがシソノータミを目指す途中で行こうとしていた街……過去の時代で……そうだ……あそこは確か、ボクメイツファミリーの傘下がいたところって……」

『ひはははは、そうそう。もともとはボクメイツの二次~三次団体クラスしかいなかったが、戦後はシソノータミでたまにウロチョロするハクキの旦那と取引できる重要拠点になっちまったわけよ』

そうか、ならその都市にハクキや行方不明になっていたベンおじさんも?

いや、いくらなんでも街の中にいるってのもおかしな話だ。そうなると……

『ひは♪ もちろん、イッカナーイ都市は表向きには普通の人間の街だし、そんなところにハクキの旦那や何百人もの部下、さらには捕虜にした百人近い調査団を連れ込めるわけもねぇ。ハクキの旦那の隠れ家は、イッカナーイ都市から遠くない場所であり、さらには人目につかず、大勢の部下や捕虜たちを連れていける場所』

街の中じゃない。

街からそれほど遠くじゃない。

人目につかない。

隠れ家。

百人以上の鬼や捕虜を連れていけるようなそんな場所……

「イッカナーイ都市の近くで……そういえば、私とお兄ちゃんとスレイヤ君は十数年前はシソノータミに行くための経由でイッカナーイ都市を目指してたけど、結局行かなかったよね」

「そういえばそうだったね。だって、あの時ボクたちは深い山奥で……あっ……」

「……あっ」

そのとき、エスピとスレイヤの言葉を聞いて、俺はハッとした。

言いながら二人も気づいたようでハッとしている。

そう、あのとき、俺たちはイッカナーイ都市に行かなかった。

それはなぜか?

「そうか……お兄さん……俺も分かった」

「族長……」

「そういうこと……確かに俺たちもこの十数年……あそこにはもう戻らなかったから……たしかにあの地は……あいつらが奪い取った地だもんね……この十数年……様子を見に行くこともしなかったから……」

そして、一部始終を黙って聞いていた族長も気づいたようで、どこか切なそうに苦笑していた。

そう、つまりハクキは……

「つまりハクキは……十数年前のエルフの集落を隠れ家にしてたってことかよ……」

よりにもよって、俺が初めてハクキと出会った土地で、あいつは……