軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第四百二話 交換条件

「「「「や……闇の賢人!!??」」」」

その叫びは「六覇」をよく分かっていないアミクスやノジャ、そして事情を知ってるシノブ以外全員の叫びだった。

「ど……ど……どういうことお兄ちゃんッ!!?? なんで、これ、どういう、え!?」

エスピが激しく取り乱して俺の胸倉掴んで前後に激しく揺さぶってくる。

「えっと、な、なんでパリピが生きていて……し、しかも……しかも、お兄ちゃんと……」

「お、お兄さんの……闇の賢人といえば……六覇最強がハクキだとしたら、六覇最低最悪が闇の賢人と言われるぐらいその……」

「しゃ、舎弟!? ぱ、パリピ大将軍がアース・ラガンの?」

「あ~……お兄さん……どーいうこと?」

俺が過去に行ったこととかをさっきまで得意満面に語っていたエスピとスレイヤ、そしてかつて魔王軍だったラルウァイフも色々物知りな族長にもこのことは教えてなかった。

だから、みんながコジローたちと一緒になって驚くのは当然だった。

「お兄さん、どういうことじゃない? あいつが生きていただけで驚きだというのに……なぜ?」

「そ、某は、い、いま、何を聞いているでござるか? あの伝説の六覇の一人が生きていて、し、しかも、シノブと歳の変わらぬ青年の舎弟?」

「……はぁ、シノブ……ほんまに、とんでもない男に惚れたんやねぇ」

もう色々と驚き疲れてくたびれた様子のコジローたちも最初からずっと変わらない反応と顔をしている。

まぁ、色々驚いて慣れる……なんてことはないほど、この爆弾の威力はヤバかった。

「よく分からないけど、アース様にはそんなすごい舎弟の人がいるの? やっぱりアース様はすごい……」

「ぐるるる、こんこん」

もはや事情をよく分かっていないアミクスと、正気じゃないノジャの二人以外は全員がこれには狼狽していた。

パリピなんて悪評だとかもヤバかっただろうしな。

『おお、とってもボインボインでセクシーな妖精さんじゃん。ちょっと我慢するだけでメチャクチャ稼げる良い仕事があるんだけど、どう? ちょっとオッパイぶるぶるさせるだけのパブのオッパブというものや、オレが考案した大人気シリーズのマジカルミラー馬車―――――』

「「「「アミクスと喋るな! ぶっとばすぞ!!!!」」」」

『え~? ひどいな~みんなは。オレが信用できないの? ってか、ラルウァイフまで俺のことぶっとばすとか言った?』

「あ、い、いえ、そ、その、つ、つい……」

『ひははははは、仕方ないか~。まっ、信頼と信用は実績を積み重ねていくものだし、これから頑張って得ていかないとね。うん、オレ様ガンバ♪』

だからこそ、とにかく無垢なアミクスには絶対に関わらせちゃダメと、俺とエスピとスレイヤとラルウァイフは咄嗟に叫んだ。

『ひははは、まっ、そういうことだから、エスピちゃんも、コジローも、よろしくな。昔は色々とあったが、オレも今更七勇者にフクシューとかダセーこと考えてねぇよ』

「馬鹿な……それで、オイラたちが……そもそもなんでお兄さんに?」

『面白そうだから♪』

「お、おもしろそう?」

一方でパリピも俺らの反応にワザとらしく反応を見せたり、ただからかっているだけのような反応を見せたりと笑っている。

まぁ、こいつが何をしようと信頼と実績を得られるとは思えないけど……

「はぁ……ったく、こいつは……」

「……お兄ちゃん……どうして……」

「あ~その……実は……その、まぁ、色々とあって……その……」

さて、全部説明しようとすると……

カクレテールにいたときの話。カクレテールはヤミディレが実は統治していた地で、しかし支配していたわけではなくて慕われていて、そこにはヤミディレだけじゃなく大魔王トレイナの遺伝子だか何だかを元に生まれたクロンという女神もいたんだけど、突如天空世界が襲ってきてヤミディレを連れて行ってしまった。

カクレテールの住民たちと俺はクロンの号令の下に力を合わせて天空世界へ乗り込んで天空族たちと大乱闘。

そのとき、天空世界で暗躍していたパリピが出現。

そんでパリピを倒して……

「……う~ん……なんて言えばいいか……」

教えるにしても一から教えると長くなる。

正直、今ってあまり時間ないんだろうし、それを全部説明するには……

『ひはははは、簡単だよ。オレがボスにそれはもう完膚なきまでにパナイ負けちゃったので、もうこの人についていくしかない~ってなっちゃんたんだよ~』

いやいや、完膚なきまでにやられたのは俺たちだけどな! 俺はトレイナが立てた作戦がなければ勝てなかったし。

『まっ、『誰か様』の作戦があったんだろうけど~、それを差し引いてもボスのパナイ実力にオレはもう首を垂れるしかなかったわけだよ~』

「お、お兄ちゃん……ほ、ほんとなの?」

「……まぁ、お兄さんは六覇を倒すレベルだからおかしくはないけど……闇の賢人まで?」

「なんという……貴様……小生らも知らぬ実績が、伝説になるぐらいの実績というのはやめてくれ……心臓に悪い」

「……いやぁ、オイラはパリピが生きてたことの方も衝撃……というか……ん? ちょっと待つじゃない? 六覇って……何だかんだでゴウダ以外生きてる……?」

何だかもう驚き通り越して、ラルウァイフも言ったように「自分たちも知らないことがまだあった」というのがエスピとスレイヤには面白くなかったのか、やけにジト目で俺を睨んでくる。

正直、二人にもまだ話してないことは他にも……というか、一番話さなくちゃいけないことがまだあるんだけどな。

だけど、今はジックリ話している場合じゃない。話を戻さないと。

そしてそれは何だかんだでパリピも分かっている様子。

『ま、今は時間ないんだろうし……そこら辺の詳細はいずれね。なんだったら、オレが盛大に盛り上げるように近いうちに教えてあげるよ』

「っ、余計な事言うんじゃねえ! そ、それよりも、話をもう戻すぞ! えっと……ベンおじさんがどうなっているかとか、そういうの、お前が調べるっ言ってたけど……」

『ああ。どーせその大陸の……しかも、そんな遠くには行ってねぇだろうし、オレの力を使えばパナイ楽ショーだぜ、ボース♪ ついでに、ハクキの旦那がかつて率いた鬼天烈大百下も誰が生きているのかも知ってるし、教えてやるよ~』

楽勝ときたか。

『オレはシテナイとかいうパナイ青二才なんかにゃ負けないぜ?』

はっきり言って、こいつの力は正直借りたくないというか、できれば一生これからも関わりたくない。

しかし、こいつには俺のことを色々と知られたかもしれないし、何よりもあまりグズグズしている場合じゃないのは本当のこと。

なら……

『ただし、一つだけ条件がある。なに、大したことじゃない』

「あ?」

そのとき、パリピが最後に付け足してきた。

「条件? 大したことじゃない? なんだかスゲー嫌な予感が……」

『とんでもない。オレが言う条件は簡単なものさ。今回さ、オレが盗み聞きしていたことで……この魔水晶……嫌になったんじゃない?』

「ぬっ……」

何のことかと思えば、いま使っている魔水晶のことについてだった。

たしかに、今回のように盗み聞きされたと知ってしまった以上、俺は叩き割って捨てようと思っていた。

ただ……

『その魔水晶はほら、色々と俺が手を施して……まぁ、ようするに貴重なのよ。だから……それを捨てないで返してくれ……それが俺の条件だ』

「なに?」

『ね? それだけだよ。あとで、オレの助手が回収しに行くからさ。ね?』

最初はスゲー嫌な予感をしたが、それぐらいなら問題ないかと、俺は深く考えないで了承することにした。

それでこいつが仕事するなら……