軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

13 エピローグ

「赤い稲妻・・・ギルマスのレベッカがなぜここに・・・」

クサールがつぶやく。

「罠に嵌められたのは私たちではなく、お前たちってことだ。大人しく投降しろ」

「うるせえ!!野郎ども、相手は10人もいねえ!!この人数差じゃあ、なんとでもなる。ぶっ殺してやる」

「馬鹿どもが・・・」

盗賊たちは大人しく投降する気はなく、襲い掛かってきた。

「サンダーボルト!!」

レベッカさんは電撃魔法を放つ。あっという間にほとんどの敵を戦闘不能にした。残っているは8人のみだった。

「Cランク冒険者ならギリギリ耐えられるくらいの魔法だったんだが・・・よくこの戦力で戦おうと思ったものだ。逆に尊敬するぞ」

「うるせえ!!まだこっちのほうが人数は多いんだ!!」

しかし、ほぼ同数となった今、盗賊たちに勝ち目はなかった。あっという間に戦闘不能にされる。

程なくして、待機していた騎士団が到着した。

レベッカさんが騎士団に事情を説明し、盗賊たちは連行されることになった。

「クララ嬢、今回も世話になったな。今後の処理についてだが、私や父上に任せておけ。きっちり落とし前をつけさせてやるからな」

「ありがとうございます」

これでたぶん解決なんだろう。

気になることといえば、神聖ラドリア帝国の諜報部隊が絡んでいるということだろう。ただ、一介の商人である私には、関係ない話だが・・・

~レベッカ視点~

ドナルド家の会議室において、今後の対策を協議している。

会議の参加者は、私、父上、ジョージ兄上に加えて、ギールス商会の会長でもあるマルクス・ギールス子爵、それと父上の直属のニヤついた顔の諜報部隊員だった。

父上が冒険者ギルドとベル商会を巻き込んだ不正事件についての説明を始めた。

「まず今回の顛末だが、神聖ラドリア帝国が関与していることはまず、間違いないだろう。こちらにちょっかいを掛けて、本当に迷惑な奴らだ。奴らにしてみれば、魔族の次ぐらいに我らルータス王国が邪魔なのだろうな・・・」

国際情勢を鑑みると、そう思われても無理はない。

というのも、ルータス王国がある中央大陸は、ルータス王国、神聖ラドリア帝国、魔族領と三つの勢力がけん制しあって、バランスが保たれている状態なのだ。そのほかにも小国が10か国ほどあるが、大勢に影響はない。

神聖ラドリア帝国は、人類が協力して魔族を打ち倒そうと主張している。我が国は魔族領と国境を接しているわけではないし、無駄な戦争なんかはしたくはない。

なので「魔族は人類共通の敵だ」と話は合わせているものの、大掛かりな出兵の話は、のらりくらりと躱している。我が国の弱みでも握って、魔族領を攻めさせるのが狙いなのだろう。

「魔族の力は未知数だ。寝た子を起こす必要はない。向こうが攻めてこなければ、それでいいのだがな。神のお告げがどうのこうの言っているが、それも真偽のほどは定かではないしな」

神聖ラドリア帝国は、宗教国家でもある。

ガイル神を信仰しており、我が国の教会も神聖ラドリア帝国の教会の傘下にあるのだ。

「処理については、こちらでやっておくが、今後も引き続き、情報収集を頼む。それと、話は変わるが、クララ嬢のことだが、どうにかして囲い込みたい。何か意見はあるか?」

ニヤついた男が話始める。

「まず調査結果ですが、クララ嬢本人も父親も能力が高いわりに、野心はありませんね。行動原理として考えられるのは、身近な人を大切にするというところでしょうか。以前にあった魔族との小競り合いの関係に首を突っ込んだのは、顔見知りの冒険者を死なせたくなかったことがその理由でしたしね。無理に傘下に入れるよりも、我々が彼らの身近な友人になることを進言しますね」

ニヤついた男は、顔と態度は別にして、情報分析は的確なようだ。

ギールス子爵が続く。

「私としては、商業ギルドにも引き込もうと思っております。父親を商業ギルドの評議員に推薦しようと思っておりますし、冒険者ギルドが行っているように、クララ嬢を商業ギルドのアルバイトをさせることも検討しております」

「それはいい案だな。ところでジョージ、お前は何かないのか?」

「基本通りの陞爵と婚姻くらいしか思いつきません・・・申し訳ありません」

「うむ、それはそれでいい案かもしれんな。色々と理由をつけて陞爵させることは可能だろう。それに真の貴族となる男爵にしてしまえば、王命を優先させなければならんしな。婚姻となるとゴンザレスか・・・」

「姉の私が言うのもあれですが、ゴンザレスはかなり不器用ですからね。『絶対にクララ嬢のハートを射止めろ』とか言うと、とんでもないことをしそうな予感が・・・」

一同が笑いに包まれる。

「優しくていい子なのだがな・・・性格的に騎士には向かんし、養子に出してもいいくらいだが、クララ嬢のお眼鏡に叶うかどうか・・・」

「兄として言いますが、ゴンザレスもやればできる子です。我は信じています」

「まあいい。とりあえず、婚姻以外の陞爵と囲い込み作戦を実施していこう」

クララ嬢には悪いと思うが、もう彼女は、我が国の重要人物なのだ。