軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

最高級シャンプーの評価 2

クルガー商会長は続けて言う。

「最高級シャンプーを20個、貰っただろう?あれを商会員に配り、値段を予想してもらったのだ。

すると、どうだ?予想の出来なかった結果が出た」

また、クルガー商会長は溜めを作る。

今日は、勿体ぶりたい気分なのかな?

「最高級シャンプーの価値が高いと予想した者で最高値が2万ルビだ。

そして、これはあり得ない結果だと思ったのだが、最高級固形石鹸の方が洗い心地が良いと答えた者多数の結果となった。

これには、商会長としての自信を無くしたよ。君と散々売り出しに向けて商談をしていたのに、髪専用石鹸の価値が固形石鹸に劣るという意見が出たからな。

僕の最高級シャンプーの原価から見た売値は、10万ルビぐらいが妥当だと考えていたが、僕ですら安い値段のシャンプーで満足してしまった。

結果、原価の高い最高級シャンプーを作ってまで、店頭で売り出す価値は無い!と言う訳だ。すまんな。金だけ使わせてしまった」

まっっったくの!予想外だ!

売り出す価値が無い?

嘘だ!

と、否定したい気持ちでいっぱいだ。

だが、頭の冷静な部分は『オーバーテクノロジー』と言う言葉が浮かぶ。

この世界の人にとって『液体石鹸は安い』という固定概念が定着しているのではないだろうか?

ようするに『思い込み』だ。

結構、これは地球でもいろいろな分野で考察されてきた問題だ。

1番身近なのは「目を閉じると味覚がわからない」話ではないだろうか?

まあ、結論。

この世界に『シャンプーは早かった』という事だ。

時代の最先端を行きすぎてしまった結果だ。

あれだね、宇宙人が奇妙に見えるのは、地球の価値観が追いついていないともとれる訳だ。

この時代の中世並みの服が普通で、いきなり街中で地球の2000年頃の服を着て歩いていれば、ピエロも真っ青なほど奇抜に見えるだろう。

とにかく、時代に合っていないのだ。

これは、悩むが、この【最高級シャンプー】だけは売り出してもらわないと 困る(・・) 。

だって、おばあちゃんが王妃様に実質脅されている状況だもの。

王妃様に売る物を、安値で売り出す訳にはいかないし、原価は高いのだから王族にふさわしいと言える。

自信を持って言える。

だって高いんだもの。

スイード伯爵家の家族はこのシャンプーを良いものと受け入れている。

決して悪いシャンプーでは無いのだ。

むしろ、良い。

「クルガー商会長。この際、個人の使い心地の問題は置いておきます。

スイード伯爵家のおばっ、スイード伯爵夫人が使っているシャンプーを欲しがっている王妃様がいるのです。

それだけで、この最高級シャンプーには価値が出る。

真実ではないですか?」

そうなのだ。

王政と言うものは、ものの道理が合っていないと感じても、面と向かって王様に楯突く者は基本的にはいないと考えていいだろう。(国が傾いていれば別)

王族は常に最先端をいかなければならない。

権力の維持。

強さの象徴。

誇り高さの頂点。

貴人としての価値。

高い教養。

そして、最高の【美】への追求。

かつての敗戦国がそうだった。

【象徴】としての立場の維持が目的であっても、国民皆が名前に『様』をつけて敬っていた皇族。

お言葉を一生に一度戴ければ『奇跡』。

そのお姿を見れた事が『誇らしい』。

テレビの前ですら、国民皆敬う。

この国の王族の使うもの【王室御用達】の事実が有るだけで商品価値は上がる。

そこに『庶民』の意見はいらないのだ。

だから、もう【最高級シャンプー】には価値がある。

王妃様が欲しがっても、手元にまだ届いてないからだ。

王族たる者、安物を使ってはならない。

ので【最高級シャンプー】は高値でなければならないのだ。

クルガー商会長が黙った。

ここ1年の付き合いだが、クルガー商会長は『誠実』だ。

そして『曲がったことが嫌い』だ。

だが、王族は理屈で納得できなくても、感情が反発しても、それを態度にも言葉にも出してはいけない。

王政とは【王が絶対的支配者】でなければ成立しないのだ。

理不尽であっても、王族だから許されることもあるし、王族の血筋として許されないこともある。

実は、衝撃な事実だが、私を誘拐した『バンガエル公爵』は『王家の血筋』だったのだ。

だから、王家としては身内がバカをしたので、重い処罰にせざるをえなくなり『バンガエル公爵』は『死刑』となった。

バンガエル公爵は王家の『威信』を傷つけたのだ。

今回の件で、王家は傷を負った。

権力のある嫌な貴族は、王族を貶める者もいるだろう。

それを、上からあしらうのも王族であり、最高権力者としての地位を揺るがせてはならないのだ。

まあ、長々と説明をしたが、結論は1つ。

【最高級シャンプー】には『高い価値がある』。

それを、大前提としての話し合いをしなければいけない。

それを今回のインベルト商会は勘違いをしたのだ。

ただの値付けではなく『王族が使うに相応しい』値段をつけなくてはいけない。

クルガー商会長は難しい顔をしたままだが、最高級固形石鹸の売値は『5万ルビ』だ。

日本円にして50万円。

それと、同等ぐらいの値段を検討しなければならない。

使用感的には2万ルビの物をだ。

クルガー商会長の苦悩は続く。