軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

ハースネル族 木族よ 3 チヤの固有スキル

オババ様がバナナの美味しさに、おじいちゃんへと『バナナの種』を所望しちゃった。

お母さんにも私のスキルの詳細を話していないのをココで言う?

大勢、人がいるココで?

どうする?私?

「いや、私は初めて見ましたぞ。この食べ物を。

あっ!ソフィア!もしかして、貧民街で流通しているのかい?」

困惑していたおじいちゃんがお母さんへと質問した。

「いいえ。……チヤ、が、入手、した、物です」

お母さんが、すっごく言いにくそうに事実を言った。

お母さんから私にパスが来たぞ!

どうする!?私!?

おじいちゃんが困惑したように私を見た。

と、いうか、この部屋にいる人が、全員、私を見る。

「え、えっ、と、スキルで」

と、言った瞬間に頭に手を乗せられて、言葉が止まった。

横を見ると、オババ様が私の頭に手を乗せてぐりぐりとした。

「すまなかったねぇ。木族の、チヤの固有スキルだろう?固有スキルはね、大事な武器になるから、信用した相手以外には話してはいけないよ。わかったかい?」

なんか、優しく言われた。

「……はい」

「いい子だね」

また、頭をぐりぐりと撫でられた。

それで、何だか私に聞いちゃいけない空気になって、お母さんがみんなにバナナの食べ方を教えてあげていた。

みんな、バナナを食べて驚いていたけど、食べ終わったら、まったりとした空気感になって、おばあちゃんとお姉様が入れてくれた紅茶を飲んだ。

うん、普通の味だ。

なんで、商業ギルドもインベルト商会もこの家も、この紅茶が好きなのか理由がわからない。

全部同じ紅茶だよね?

まったりとした空間に、扉の開く音が聞こえて、みんなそちらを見た。

オババ様が侵入者の名前を呼ぶ。

「やっと来たかい、ミズ。まずは、スイード伯爵家のソフィアから見てくれるかい?」

「対価にオババの魔道具を貰うよ?ソフィアは誰?」

部屋に入って来た女性は、やはり、この世の者とは思えない美貌の持ち主で、正統派美女と言える顔立ちの静かな落ち着いた声の持ち主だった。

「わ、私が、ソフィアです」

少し不安そうに、お母さんが小さく手を上げた。

ミズと呼ばれた女性はソファに座っているお母さんの後ろに回り込んで、お母さんの両肩に両手を乗せて、アドバイス?をした。

「魂の記憶を見るからね。なんだか、丸裸にされた気持ちになるらしいけど、我慢してね」

と、言うとスキルを使ったらしい。

だって、お母さんが、脱力したから。

ミズ、と呼ばれた美女のスキルは『魂の記憶を見る』と言ってたかな?

と、言う事は、今はお母さんの記憶を見ているんだ。

ミズさんは目を閉じて集中しているように見える。

あ、眉間に皺が寄った。

嫌な記憶を見ているのかな?

……え?お母さんの閉じた目から涙が流れて、止まらない!大丈夫なの!?え?オババ様!

「オババ様!お母さんが!」

「静かにおし」

強い声で言われて、思わず口ごもる。

部屋の中のみんなを見ても、誰もお母さんを助けようとはしない。

あんなに、この家に帰って来たお母さんを、泣くほど歓迎してくれていたのにーー。

私が立ちあがろうとすると、グッと、手を握られた。

オババ様だ。

「我慢おし!」

「邪魔するな」って事か。

多分、多分、大丈夫。

お母さんは、大丈夫。

そう、思っていないと、涙を流している、お母さんを見ているのが、つらかった。

◇◇◇

「ふぅ」

ミズさんがお母さんの肩から手を離した。

私はお母さんの前に行き、膝によじ登って、アイテムボックスからタオルを出して、涙の跡だらけの、お母さんの涙を拭った。

ミズさんは疲れたのか、私が座っていた場所に座って、お姉様が入れて来たお茶をもらって飲んでいた。

「お母さんっ、お母さんっ、お母さんっ」

私がお母さんを必死になって呼んでいると、お母さんは目を開けたが、ぼーっとしていた。

凄いたくさんの涙を流していたので、吸い飲みにスポーツドリンクを入れてから、お母さんの薄く開いた少し上向きの口に少しずつ水分を含ませた。

「うっ、げほっ、え、チ、ヤ?」

「お母さん!……これ、飲んで!」

お母さんは私に言われるがままに、紅茶のカップに入ったスポーツドリンクを全部飲んだ。

「はぁ、なに、すごい、のどが、かわいて」

私はおかわりを入れてあげて、お母さんは満足するまで、飲み物を飲んだ。

スポーツドリンクだけを飲ませるのは体に悪いから、途中からは水をあげたよ!

そうしているうちに、ミズさんも復活したらしい。

「その子の魂も見たい」

え?その子って、どの子ですか?

と、私が振り返るとミズさんとばっちり目が合った。

私の魂を見るのん?

さすが、異世界。

ファンタジーだね?

ミズさんが立ち上がって自分が座っていたソファの後ろに回り込んでスタンバイする。

私にお母さんみたいに座れって事だよね。

仕方ないので、ミズさんの前のソファに身を預けて、肩に手が触れた感触がした後に、意識が沈んだ。

◇◇◇

「ーーお姉ちゃん!お姉ちゃん!起きて!学校だよ!置いてっちゃうよ!もう!」

……え?この声ってーー

ぱちりと目が覚めた。

目の前にはーー前世の、妹が、いた。

え?私は、何を、していたっけ?

「あっ!お姉ちゃん、起きた!集団登校だよ!早く行かないと!」

小さい、小さい、いや、幼い、幼すぎる、妹がいた。