軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

商談しましょう 5

「従業員に見つかったら騒ぎになる」と言って、ジョー、じゃない、クルガー商会長はトイレットペーパーホルダー(トイレットペーパー設置済み)を何処かに持って行きました。

使用済みをトイレから出さないでほしいです。

汚いから。

私は1人孤独に商談室に戻ります。

気がつけば腹時計がお昼をお知らせしております。

ポイント、いや、魔力は回復していません。

マジ、ねみぃ。

昨日、服を配達して儲けた1着分のお金は、私が乗り合い馬車に使うお金なので通販には使えません。

仕方ないのでバナナを食べましょう。

部屋に入ってソファに座るとクルガー商会長の置いてくれたお茶とお菓子があった。

まずはお菓子を食べる。

う〜ん、砂糖が高級品なのか、味の薄い普通のクッキーをバキリッと食べる。

歯応えは良い。

噛めば噛むほど空腹感が薄れる感じがする。

2枚置いてくれていたので、2枚目に手を伸ばして掴んだ所で部屋の扉が開いた。

まあ、入って来る人は決まっているけど。

「いやぁ、といれっとぺーぱーとやらは凄いな。何層にも巻きつけられた繊細な薄い紙が、破れる事なく綺麗に均等に巻きつけられていて、手触りも良い。薄くなければあれだけ白い紙だ。普通紙に使いたかったな」

トイレットペーパーの感想を言いながら入って来てソファに座った。

「それに、これはトイレの革命だぞ。馬鹿売れするのが目に見えるようだ。あ、代金は次回で構わないよな?ちょっと初めての商品だから値付けがすぐに出来ん。とんでもなく高いのは分かるのだが、これも仕事でな。売れるラインの値段を見極めなければいけない。良い商品を作ってくれても売れなければツライからな」

いやー、これを聞いただけでクルガー商会長が良い経営者だっていうのが分かる。

私は、くじ運は悪かったのだが、人を見る目だけはあったようだ。

前世の生きた情報が有って助かった。

「いいですよ。原価は実はそんなに高くないので、クルガー商会長に任せますよ」

クルガー商会長が目を向いた。

「原価が高くないぃ?!嘘だろ!最低1つ5000ルビはするぞあれ。ぼそっ、もしかして、商品全てスキルで作っているのか?5歳だもんな。ありえる……」

聞こえてますよー。

そして、ほとんど当たっている。

作ってはいないけどね。

私は2枚目のクッキーを味わう。

意外とクセになるクッキーだな。

おからクッキーみたい。

クッキーで口がパサパサになったのでお茶をいただく。

うーん、これも普通の紅茶だな。

この味が流行っているのかな?

よし、バナナを食べようっと。

したところで、正面から視線を感じる。

お腹を優先させたいんだけどなー?と、チラッと見ると、視線は私ではなく、バナナに向けられていた。

私も意地悪ではないので、房から一本もいでクルガー商会長に差し出す。

「あげる。食べて。美味しいよ」

「あ、ああ、ありがとう。これは、食べ物?なのか?匂いもあまりしないが?」

「見てて。こうやって食べるの。本当は周りに黒いぶつぶつが出来て来た頃が食べ頃なんだけどね?これはまだ若いんだよ。あむっ」

説明の最後に食欲が勝った。

う〜ん!久しぶりに食べたからか、脳が痺れるような感覚になった。

あるよね?バナナを食べると脳が覚醒するように痺れる感覚。

こうなった時の満足感は一味違う。

「なんだこれは!?おいしい!?」

正面を見ると、一口食べただけで衝撃を受けた顔をしているクルガー商会長がいた。

「わかっただろうけど、柔らかい果物だから潰さないように食べてね。あむ」

幼女にバナナは大きいから、お腹がいっぱいになった。

クルガー商会長のバナナを食べる姿を眺めようと思ったけど、クルガー商会長の視線は私の手元にあった。

視線を下げると、そこには残りのバナナの房があった。

欲しいのかな?

「クルガー商会長、残りのバナナが欲しい?」

「ああ、欲しい。はっ!あっ、いや、値段を考えていた!」

「いいよ。あげる。はい、どうぞ」

3本残っていたバナナを差し出すと、おずおずと受け取ってくれた。

私は食べたい時に買えば良いからね。

のんびりと残りのお茶を飲んでいると「ありがとう」と言う言葉が聞こえてきた。

うん、素直なのは美徳だよ。

クルガー商会長もバナナを食べ終えて、お茶を飲んだ後に話し始めた。

「で?この机の上は何だ?」

「へへーっ!固形石鹸各種だよ!使用用途ごとに分けてみたんだ!聞いてくれる?」

「ああ、まあ、まて。石鹸1つずつ解説してくれ」

「うん、わかった。まずはこの白い石鹸!万人に好かれる石鹸です。あまり不満を言う人はいません。どの石鹸を使うか悩んだら「とりあえずこれをつかっておけ」って石鹸です。洗浄力は普通にある。香りも普通。特徴が無く平凡なのが特徴です」

「石鹸を手に取っていいか?」

「いいよ!この机の上の石鹸は全て試供品だから、無料で使い心地を試してね!」

クルガー商会長が一瞬『無』の顔になった後に「あ、ありがとう」と了承した。

こうして、安い石鹸から順番に説明していき、私の説明を紙に書いていくクルガー商会長の姿があった。