軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

貧民街の現実

さてさて、孤児院学校には「長期間休みます」と連絡を入れてから、ステラおばさんのところまで行きます。

もちろん、貧民街に近い商人街の馬車待機所に乗り付けてから貧民街市場に行くので、歩く距離も近いです。

そして、いつもと大体同じ位置に売り物のゴブリン肉を販売しているステラおばさんを発見します。

こちらに気がついてくれたステラおばさんに手を振って、セーラと護衛達には近くに待機してもらい、私だけはステラおばさんの座っている隣に行きます。

もう、大分暑くなってきていますが、ゴブリン肉は腐らないのでしょうか?

ステラおばさんに聞いてみます。

「ははっ!ゴブリンは弱くても魔物だからね!今日仕入れた肉でも5日は持つさ!魔物肉は腐りにくいんだよ。

聞いた話じゃ、強い魔物ほど腐りにくいって話だが、ハウンドドッグの内臓はすぐにダメになるって言ったじゃないか?結構、個体差があるみたいだよ」

ほうほう、孤児院学校ではそのあたりは教えてくれないから為になる。

ちなみに、ゴブリンとハウンドドッグはどちらが強いかと言うと、同じくらいの強さだそうだ。

ゴブリンは人型で武器を待っていて危ない。

ハウンドドッグは獣型で動きに慣れていないと危ない。

普通の冒険者は余裕で倒せるらしいが、駆け出しの冒険者にはどちらも危険だ。

ステラおばさんがA4の紙を出してくれて、私に渡してくれる。

注文用紙だ。

数度のやり取りだけど、スムーズでいいね。

なになに、おお!夏が近いからか、結構な人が注文をしてくれている。

実は言ってなかったですが、スウェットの発売もしれっと開始しました。

あれですね、上半身の臭いがマシになったら、男性は立って小便をするじゃないですか?その尿の飛び散りと、股間が臭いのが気になってきて、安いズボンを売り出そうと考えたのが始まりです。

これが、意外にも男性にも女性にも受けて、男女関係無くスウェットを履く文化が貧民街で花開こうとしています。

いや、体本体は臭いままなので、やっぱり臭いですが、服に染み込んだ臭いが取れるだけで、大分清潔な人に見えます。

あ、もちろん、ステラおばさんのお胸が見えた問題がありますので、下着の販売もしていますが、スポーツブラの売り上げはイマイチです。

貧民街では、お胸がぶらぶらとしていても痩せていてお胸の肉付きが悪いので、そこに色気を感じる人は少数だから、基本的には動くのに問題無い格好で充分ですから、上半身の肌着を買わないのは仕方がないと思います。

あっ、例外がありました。

若い成人から女盛りの女性がお胸をふりふりさせていると、男性の股間がもっこりします。

見たくないですね。

今までは穴が開いたり破れたりした服に当て布をして、非常にゴワゴワ、モコモコとした見た目の服でしたが、私が販売している服は重ね着を必要としないので、大変着やすいのですが、やっぱりお胸が透けてしまいます。

外部から新規で入って来た貧民街住人は綺麗好きが多いので、汚い貧民街女性に興味を感じづらいらしいのですが、元から臭いにおいに慣れている貧民街の男は臭い女性にも魅力を感じてしまいます。

性犯罪が起きないように衛兵さんに注意喚起してもらった方がいいですね。

しかし、パンツは売れます。

特に『真っ白で清潔』なパンツが人気です。

主に主婦層に。

服と肌着の売り上げよりも『パンツ』の売り上げが勝っているかもしれないくらい好評です。

みんな密かにパンツの中古品は嫌だったようです。

パンツにシミがついていたら不潔ですよね?不快ですよね?

そして『性病が感染る』関連性は指摘されていました。

どんなに貧乏でも、パンツを自作して家族に履かせていた貧民街の家系があったくらいです。

ちなみに私は『ノーパン』でした。

お母さんの気遣いでしょうか?

幼児ゆえの放置でしょうか?

悩みます。

ちなみにパンツの価格は男女共に1枚50ルビです。

日本円にして500円。

なかなか安いと自負しております。

こちらも平民の方が文句を言って来ましたので、例の古着屋『ロビーの古着屋』さんに高値で売りつけております。

「貧民街に平民が来て文句言ってんじゃねぇよ!」です。

ちなみに、同じ製品だとケチがつくので、原価的に少し高いものを卸しています。

うひひっ。

ボロ儲けですがね?

だから、『インベルト商会』のローンも代金を肩代わりして1000万ルビを支払えたわけですが、大分懐が寒くなりました。

いえ、まだまだ余裕ですけどね?(強がり)

地道にお金儲けをしましょうかね。

「ステラおばさん、いつもありがとう。はい、いつものパンね」

パリジャン2本をステラおばさんに渡します。

初めの頃は遠慮していて、なかなか貰ってくれなかったステラおばさんですが、私の「貰ってほしい」気持ちと、意外や意外、服の予約を受け付ける臨時収入の高さにも驚き受け入れて、今や普通に貰ってくれるようになりました。

私がお金に困っていないのを見抜いたのでしょうね。

遠慮でメシは食えません。

貧民街の住人は食える時には食えるだけ食います。

じゃないと生き残れませんからね。

だから、人が食べるモノではないと言われる『ゴブリン肉』を食べてまで節約して、食べる量を増やそうとしています。

逞しくなければ、貧民街の住人として生きれませんね。

しかも、ココは貧民街の中でも1番貧しい人達が住む『貧民街第3地区』ですから。

新規の住人は警戒されますが、基本的には助け合いをモットーに生きています。

協力出来ない人は孤立して孤独に死んでいきます。

そんな現実を幼い頃から見ますからね。

私は貧民街の第3地区が好きですが、嫌悪する人が大半でしょうね。

悲しい現実です。