軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

006 初めてのダンジョン!①

翌日、私とアルテミス、そしてパンさんと三人でギルド集会所に向かった。

目的はもちろん、ダンジョン探検のため。

ダンジョンクエストを受注した状態で、ギルド集会所にある転移の魔法陣に乗ればいいんだったよね。

「おー、あったあった。これやこれ、全く行かんから久しぶりに見たわ」

ギルドの奥にある部屋に入るなり、パンさんがそう言って部屋の床を指差す。

そこには、黒色や黄色といった様々な色の魔法陣が並んでいた。

「これが転移の魔法陣ですか?」

「せや。この黒いのが今回行く 黒裂結晶の洞窟(ノワール・コルスティア) 行きのやつやな。黄色いのは 黄砂に沈む図書廃墟(サンド・リブラリア) 行き、緑のは 剥離する朽木樹冠(ロト・カルブレス) ──まあ、そんな感じや」

「へえ、色々ダンジョンがあるんですね」

「ウチもそんな詳しいことは分からんけど、確認されてるだけでも13はあるって聞いたことあるわ」

「13も!」

まだまだ経験のない私だけど、いつか色んなダンジョンに行ってみたいな。

なんて思っていると、さっそくパンさんが黒い転移の魔法陣に歩を進める。

「ええか、ちゃんと受注できとったら、足踏み入れた瞬間に向こうに飛ぶはずや。ついてきてな」

そう言ってパンさんが転移の魔法陣を踏んだ瞬間、ヒュンッとパンさんの姿が掻き消えた。

それを見て、私とアルテミスも慌てて転移の魔法陣に足を踏み入れる。

踏んだ瞬間、場面がいきなり切り替わったみたいに、私は洞窟の中にいた。

「お―来た来た。無事に来れたようやな」

「ここが、ダンジョン……」

黒い岩石でできた洞窟って感じだ。

ところどころにキラキラと輝くものが見えるけど、あれは宝石なのかな。

「せや、 黒裂結晶の洞窟(ノワール・コルスティア) ──ダンジョンの登竜門やな」

パンさんからこのダンジョンの説明を軽く受ける。

黒裂結晶の洞窟(ノワール・コルスティア) は、黒曜石とクリスタルが入り混じった洞窟型のダンジョンで、地下深くに進んでいく形らしい。

逆に、さっき話にあった 剥離する朽木樹冠(ロト・カルブレス) とかは上に登っていくタイプのダンジョンなんだとか。

初級ダンジョンらしく構造は単純で、通路と大部屋が連なっているだけとのこと。

つまり、今私たちがいるここは通路で、奥に進むと大部屋が見えてくるわけだ。

そして今回探索する地下1階に登場する魔物は、スライム。

私の中だと、目・鼻・口があって可愛いイメージがあるのだけど、この世界のスライムはどうなんだろう。

私は初めてのダンジョン、そして初めてのギルドでの活動に少しワクワクしながら、パンさんと奥に進んでいく。

アルテミスは周囲を警戒しつつ、ぴったりと私に引っ付いて進んだ。

私を心配してくれてのことだろう。

少し歩くと、やがて視界が開ける場所にやってきた。

体育館を更にもう一回り大きくしたような、そんな広い空間。

「ここが大部屋やな。──ほら見てみ、スライムや」

パンさんが指差す先には、ぷよんと弾ける薄青いゼリーのようなものが一匹。

おお、あれが噂に聞くスライム。

なんか可愛いイメージがあったけど、こうして見ると不気味で少し怖いな。

そしてよく辺りを見回してみると、部屋には点々とスライムたちが、そして冒険者の姿が見えた。

「おー、他のギルドの連中も頑張っとるな。さ、ウチらも負けてられへんで!……て言っても、ウチはなにも出来へんけどな」

「はい、頑張ります!──って、私も何も出来ないんですが」

私はステータス的に1ミリも戦力にならない。

でもアルテミスなら、昨日他の冒険者を吹き飛ばしてくれたみたいに戦えるはず。

「アルテミス、スライム退治をお願いしてもいいかな?」

「……いえ。できません」

「うん、ありがとう!……って、ええっ!?」

もう絶対オッケーって言ってくれるものだと思ってたから、面を喰らってしまった。

どういうことなんだろう、もしかしてスライムに触るのがイヤとか……?

確かに、なんだか汚そうだし、手にスライムのニオイがついたら最悪だもんね……。

と、一人で納得していると、どうやらそういう理由ではないらしい。

「マスターから離れることは危険だと判断しています」

とのこと。

魔物が私の近くに突然現れたときに備えて、私の近くから離れたくないみたい。

確かに私はステータスが貧弱だから、アルテミスがいない間に襲われたら怖いかも。

そのときは私の速度1の全力疾走をアルテミスにお披露目しようかな、とも思ったけど、でもアルテミスの言うことも一理ある。

……そうだ、私は召喚士なんだし、他の魔物を召喚すればいいのでは。

ああっ! でも一昨日、アルテミスを召喚したから魔力を10使っちゃったんだっけ?

とりあえず、メニューからステータスを確認してみることに。

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人間 召喚士 Lv. 2

【体 力】 11

【魔 力】 3(11)

【持久力】 10

【攻撃力】 1

【防御力】 1

【 運 】 999

【速 度】 1

【知 力】 1

【精神力】 1

【スキル】 亜人召喚Ⅰ

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あれっ、レベルが1上がってる!

私、何かしたっけ……って、そうか、昨日アルテミスがボコボコにした冒険者たちの分の経験値なのかな。

召喚したアルテミスが倒すと、私にも経験値が入るってことか。

それにしても、レベルアップしたのにステータスが全然上がってないな……。

相変わらず知力は1……。

そんなことより。

どうやら魔力は一日経つことで1だけ回復するみたいだし、ステータス上昇分の1と合わせた”3”が、私の今の魔力ってことだよね。

このままじゃゴブリンも召喚できないけど、どうしようかな。

──そうだっ、レベルが上がったってことは、スキルポイントも増えてるかも?

そう思い、『スキルツリー』を見てみる。

──うん、やっぱりスキルポイントが1増えてるみたいだ。

……あれ、取得できるスキルが増えてる。

レベルが上がったからかな?

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【時短召喚術】 召喚時、魔物が一時間で帰還する代わりに、消費MPを半分にできる。

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【時短召喚術】──要するに、バイト魔物を召喚できるってことかな。

これを使えば、ゴブリンを消費魔力2で召喚することができる。

一時間だけらしいけど、とりあえずこれを使ってゴブリンに戦ってもらおう!

……でも、ゴブリンとスライムってどっちが強いんだろう?