軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

010 アクセサリーの効果

こうしてギルド集会所でお金をゲットした私は、早速アルテミスと二人で街に繰り出した。

アルテミスと良い感じの喫茶店に入ったり、何となく雑貨屋さんに入って見たりする中、何とも興味深いお店が目に付いた。

「アクセサリー専門店──『マウル・アルカナム』……?」

何だか気になり、ウィンドウ越しに店内を覗いてみる。

店内は、木の温かみを感じる外観とは裏腹に、お洒落なショーケースに指輪やブレスレットが飾られたブランドショップのような感じだった。

アクセサリーと言ったら、装備したらステータスが上がったり、特別な効果が発揮されたりするやつだよね。

もしかしたら、私の貧弱なステータスを上昇させたり、私の”魔力問題”を解決する糸口がつかめるかもしれない。

”魔力問題”とは、文字通り、私の【魔力】低すぎ問題のこと。

今の私は、一日に1だけ魔力が回復する状態になっている。

それってつまり、ゴブリンをたった一時間召喚しただけで二日間は何もできないってことになる。

今はそれでもいいかもしれないけど、今後もっと大きな魔力を消費して召喚するようなことがあったら、当分何もできなくなっちゃうわけだ。

何かいいアイテムがあればいいな、なんて思いながら、私はマウル・アルカナムに入ることにした。

「いらっしゃいませ」

入ると早速、店員さんらしき女性が声をかけてくれた。

良い匂いのする店中は暖色の光に照らされ、落ち着いた音楽が小さくなっている。

なんだか居心地のいい場所だなぁ、なんて思っていると、店員さんが近寄ってきてくれた。

「冒険者様ですね、何かお探しでしょうか?」

「すみません、魔力を増やしたりできるようなアクセサリーってあったりします?」

「はい、ございますよ。こちらになります」

店員さんに案内された先には、木製の展示台が。

その上に指輪がずらっと並んでいた。

「こちらは、魔力を増やす効果があると言われている”四季の魔石”をふんだんにあしらった指輪です」

「へぇ~、ありがとうございます」

よく見てみると、指輪には赤青様々な色の魔石が煌めいていた。

あれが”四季の魔石”なのかな。

なんにせよ、どんな効果があるのかは着けてみないと分からないよね。

「あのー、着けてみてもいいですか?」

「もちろんです、色々お試しください」

「ありがとうございます!」

私は早速、好きな色の指輪をピックアップ。

そうだ、効果を数値で見るためにも、『ステータス』を開いておこう。

────────────────────

人間 召喚士 Lv. 4

【体 力】 12

【魔 力】 4(13)

【持久力】 11

【攻撃力】 1

【防御力】 1

【 運 】 999

【速 度】 1

【知 力】 1

【精神力】 1

【スキル】 亜人召喚Ⅰ 時短召喚術

────────────────────

うん、何度見ても低いなぁ、私のステータス。

それとやっぱり、魔力は一日で1回復するみたいだ。

じゃあ早速、指輪を嵌めてみよう。

──これでよし。どれどれ、私のステータスはっと。

────────────────────

人間 召喚士 Lv. 4

【体 力】 12

【魔 力】 5(13+1)

【持久力】 11

【攻撃力】 1

【防御力】 1

【 運 】 999

【速 度】 1

【知 力】 1

【精神力】 1

【スキル】 亜人召喚Ⅰ 時短召喚術

────────────────────

おお! ステータスに変化が!

これって、この指輪の効果で魔力が1上がってる、ってことだよね……?

しかも上昇した分、今の魔力も増えてる……!?

これ、結構有用な情報かも。

そうだ、アイテム欄に収納して効果を見てみよう。

────────────────────

【低級魔石の指輪】 粗悪な魔石で作られた低品質な指輪。一応、魔力を増加させる。

────────────────────

──って、説明文くん言い過ぎ言い過ぎ!

というか、この魔石はあんまり良いやつじゃないんだ……。

「あ、あの、指輪はどちらへ……」

私が指輪をアイテム欄に収納してしまったせいで、目の前から突然指輪が消えたように見えた店員さんが目を白黒させていた。

「だ、大丈夫ですよ! ここにあります!!!」

私は慌ててアイテム欄から指輪を取り出す。

それを見て、店員さんがほっとした表情を浮かべた。

……とりあえず、店のものをむやみやたらにアイテム欄に入れるのはやめた方がよさそう。

私は『ステータス』を開いた状態で、色んな指輪を着けてみて、魔力の上昇量を見てみることに。

……うーん、どれもこれも上昇量は1だけか。

そうだ、アルテミスもステータス上昇とかするのかな。

「アルテミスも着けてみる?」

「……ご命令とあらば」

「命令じゃないよ!?」

指輪をつけたアルテミスが少し恥ずかしそうに私に見せてくれる。

「……ど、どうでしょうか」

「うんっ! 凄く似合ってるよ!!」

アルテミスは目が青いから、青い指輪をつけるとすごく映えるなぁ。

「……あ、ありがたきお言葉」

「相変わらず堅いなあ……。そうだ、着けたことで魔力が上がった感じとかする?」

「……すみません、判断がつきません」

「そっかー、ありがとう」

召喚したアルテミスの能力も上昇するのか気になったけど、魔力が1上昇しても分からないか。

私もステータスを見ないと分からなかったわけだし。

「ちなみに、これはおいくらですか?」

「こちらの指輪でしたら、金貨4枚となりますね」

う、うぅ……結構高いなぁ。

魔力を1上げても、結局魔力問題は解決しないし、これは要らないかな。

それよりも、他のアクセサリーで良さそうなものはないかな?

そう思って店員さんに他のものも紹介してもらうことに。

「こちらは力がみなぎるとされる”怒炎石”で作られたブレスレットになります」

「な、何だか怒りっぽくなりそうな石ですね……」

「実際になるらしいですよ」

「えぇっ!?」

試しに着けてみると、ちゃんと【攻撃力】が1上昇した。

……今のところ、ムカムカするみたいなことはないかな。

──そうだっ。

「ねえ、アルテミス。パンチしてみるから手のひらをこっち向けてくれない?」

私がニヤニヤとそう言うと、アルテミスは何故だか頬を赤らめた。

「マ、マスター! どうぞ!!!」

「なんでそんなにやる気なの? まあいいや、えいっ!」

ぱちーん! という音が店内に響き渡る。

どうだ、攻撃力2のパンチは!

「……可愛かったです。流石、マスターです!」

「全然期待してる反応じゃないんだけど!!」

どうやら、運動不足な元社会人冒険者では、攻撃力が1上がった程度じゃあまり変わらないみたい。

──その後も色々と見て回ったけど、どれもこれもステータスが1上昇する程度の効果しかなく、私としては少し残念だった。

”魔力回復速度が倍”とかがあるといいなーと思ったんだけど。

店員さんに聞いたところ、もっと良いアクセサリーは一見さんお断りの高級店に行かないといけないみたい。

そのためには、冒険者ランクを上げたり、ギルドのランキングを上げたりしないといけないとのこと。

色々見せてもらったのに本当申し訳ないけど、私たちは何も買わずに店を出た。

アクセサリーを買うのは、ギルド市で 粘魔核(スライムコア) を売って、もっとたくさんギルドポイントを貯めてからでも良いよね。

その後は、アルテミスと一緒に街を散策して、良さそうなお店でご飯を食べたり、良い宿屋に宿泊したりして過ごした。