軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第168話 決着?

(…………)

ミズトはその様子を黙って見ていた。

戦いに参戦する気になれないというわけではなく、ジェイクに

「ミズトの出る幕じゃねえ。ここは俺様たちに任せな」

と止められたのだ。

【ミズトさんもあの輪に入りたいのでしょうか? ミズトさんが参戦すれば簡単に決着がつきます】

エデンが黙っているミズトに言った。

(あの輪……? いや、べつに入りたいと思わないが、紅蓮騎士の女とジェイクが、 異界人(いかいびと) のユウマって奴も含めて協力し合っているの見ると、対立するより悪くないなと思ってな)

【ミズトさんも協力する大切さを理解されたのですね】

(何を言ってんだ……。協力することが大切じゃないなんて、思ったことねえぞ? 会社員の頃だって、メンバーで協力して目標を達成することが大事だと、当然理解してたしな。ただ、その中に入りたくはなかっただけだ)

ミズトは、今も目の前で協力して戦っている中に入りたいとは思わなかった。

しかし、シェリルとジェイクとユウマが協力しているのは、何となく嬉しいとも思っていた。

それから激しい戦いは五分ほど続いたが、多勢に無勢だった。

黒騎士レイヴンの動きが少し鈍くなっただけで、あっという間に決着がついた。

ユウマが黒騎士の持つ剣を弾き飛ばし、すぐに紅蓮騎士シェリルの剣が喉元の直前に迫り、ジェイクの斧が頭上すれすれで止まった。

観念したように黒騎士レイヴンの動きが止まったことを確認すると、紅蓮騎士シェリルが言った。

「殺しはしない。貴様には聞きたいことが山ほどあるんでな!」

「仕方ありません……。これ以上私からお話できることはありませんが、ここは降参しましょう」

黒騎士レイヴンは両手をあげた。

【決着がつきました。ジェイクさんとユウマさんの活躍には目を見張るものがありました】

(ああ、見れば分かる……。それにしても、あのオッサンは何もしねえんだな)

ミズトは、中年男性のトオル・コガネイを見た。

【はい、あの男性はこの陣地に来てから、一度も戦闘には参加していません】

(ふうん……戦士系でもないんだし、遠くから魔法で援護ぐらいすりゃいいのにな)

【あの男性なりに、協力する意義を持てないようです。どこかのどなたかと同様に、あの輪へ入ることに嫌悪感を持っています】

(エデンさんはどこのオッサンの話をしてるんだか……)

ミズトの視線の先には、皆で協力して強敵を倒し、達成感に満ちている人々と、自分と同じ冷めた表情のまま、その輪から距離を置いている中年男性がいた。

「クゥゥゥン」

足元にいたクロが小さく声を出し、甘えるようにミズトの足に擦り寄った。

「そ……そんな!? なぜ私にこの模様が……!?」

黒騎士レイヴンが自分の手の平や腕を確認しながら、急に声を上げた。

「貴様ぁ! 降参したのではなかったのか! その模様は何をするつもりだ!」

紅蓮騎士シェリルが、黒騎士レイヴンの身体に浮かび上がった黒い模様を見て叫んだ。

「ま、まさかあのお方が私を……? そんなはずは……い……やだ……いやだ……!」

黒騎士レイヴンの黒い模様が全身へ広がっていく。

(なんだ? この感覚、どこかで覚えが……?)

ミズトは、黒騎士レイヴンから溢れだしている、ドス黒い力を感じた。

周りにいる者たちも、ミズトのようにはっきりと感じとることは出来ないが、何か異様なことが起ころうとしていると感じ、黒騎士レイヴンから距離をとった。

「嫌だ……嫌だ……嫌だ嫌だ嫌だ! あんな姿には! あんな化け物に私は堕ちたくぶわっ!!!???」

模様が黒騎士レイヴンの全身に渡り、それが黒く輝きだすと、突然身体が膨らみだした。

顔が膨らみ、脚が膨らみ、肩が膨らみ、全身あちこちと大きく膨らみ、先ほどまで黒騎士レイヴンだった物体は凄まじい勢いで巨大化していった。

そして、ただの巨大な黒い肉の塊になると、いくつもの目が表面に現れ、目を開けた。

(まさか!?)

ミズトは魔力の流れを感じとり、慌てて魔法を唱えた。

「マジックシールド!」

同時に、その黒い肉塊から全方位の闇属性攻撃魔法が放たれた。

その威力は、革命軍の陣地すべてを飲み込み、数千人の命を奪うほどだったが、それを囲んだミズトのマジックシールドが、魔法を完全に遮断した。

(危ねえな、おい……)

【さすがミズトさんです。『マジックシールド』をこのように制御できる者は、世界中探しても、いえ、この世界の歴史上ひとりもおりません】

エデンが事務的な声で 称(たた) えた。

(ふん……。それにしても、このバケモノって、やっぱあれだよな……)

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堕レイヴン・ハドック LV99

属性:闇

ステータス

筋力 :A

生命力:S

知力 :B

精神力:B

敏捷性:B

器用さ:B

成長力:A

存在力:S

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【はい、ミズトさんがご理解されているとおり、あれは『魔物堕ち』です】

(そうか……。たしかセシルの姉さん、クラリスは住んでいる村が魔族に襲撃されて『魔物堕ち』したんだよな? ってことは、こいつらのバックは魔族ってことか?)

【申し訳ございません、今はお答えできません】

(…………)

そういえばエデンはこういうやつだった。