作品タイトル不明
八十八話
クロードは屋敷の図書室にやってきていた。
他国に行ったことで各国の歴史に興味を持ちそれを調べるためである。
「やっぱり王国の物は多いけど他国の物はあまりないんだな」
考えた末王都の古書店に向かうことにしたクロードは転移魔法で王都に飛んだ。
王都に直接飛ぶのも問題があるため付近に転移した後男爵の証明書を提示して入都する。
「王都に来るのも久しぶりだなぁ」
露店を適当に見ながら目的の古書店に向かう。
「こんにちは」
「以前本を大量に買ってくれた子じゃな。依頼の本もいくつか入っておるぞ」
「ありがとうございます。集めてもらった本以外にも欲しい本があるんですけど」
「大抵の物はあるぞい」
「他国の歴史がわかるような本ってありますか」
「それならこの辺りの本がそうじゃの」
古書店の店員さんは一角を示す。
気になるタイトルの本を次々手に取って内容を軽く確認した後購入する本を決める。
あっという間に本の山が出来上がるが気にせず作業を続ける。
「これはまた大量に集めたのぅ。こちらとしては売れてくれる分には大歓迎じゃが」
「それではこれで会計をお願いします」
「売れ残って困っておった本もあるし少しおまけしとくぞい」
代金を支払って本をアイテムボックスにしまう。
「ありがとうございました」
「またのお越しを待っておるぞ」
まだ戻るのには早いので雰囲気のよいカフェに入りお茶を頼みテラス席で先ほど購入した本の一冊を読み始める。
一冊を読み終わるころ広場で騒ぎが起きているのに気が付き代金を支払い店を後にする。
「すみません。何が起きているのですか」
「なんでも商品を盗まれたとかで店主が貧民街の子供が犯人だって捕まえたのはいいものの肝心の商品がなくて衛兵も困っているらしい」
衛兵相手にみすぼらしい恰好をした男の子が声をあげる。
「だから。おいら本当に何もしてないんだって」
「そうは言うが実際に商品はなくなっているわけだしお前の仲間がやったんじゃないのか」
「おいら達は何か仕事をくれないかって探してただけだよ」
「商品がなくなったのはお前たちがきてからだ。私の目をごまかす方便なんだろ」
店主はだいぶ頭に血がのぼっているようだ。
疑わしきは罰せずという言葉もある。
「店主。なくなった商品の代金は僕が支払うのでその子を許してあげてはくれないですか」
「貴方は。なくなった商品の保証をしてくださるならありがたい話ですが」
「クロードといいます。それでいか程ですか」
「これぐらいになります」
こうして代金を支払い少年の救出を無事に果たすのであった。