軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

六百四十一話

修羅界へクロードの神力が浸透していく。

それはまるでコンピューターウィルスが浸食していく姿に酷似していた。

組まれた術式が相手の術式を自動で侵食し乗っ取りにかかる。

だが、順調に見えた浸食が一時止まる。

このままでは修羅界を乗っ取られると判断した阿修羅の分体が直接介入してきたためだ。

だが、その事態は想定済み。

阿修羅を振り回し、修羅界への浸食は進んでいく。

クロード本体と阿修羅との戦いはクロード有利に進んでいる。

阿修羅は浅く斬られるだけで力が抜けていくのを感じていた。

その理由はクロードの神としての特性だ。

神殺し。

神の力を簒奪し無限に強くなる。

通常の神殺しはそこまで強くない。

というか強くなれない。

神々は神殺しが生まれた瞬間にその存在を消し去るか契約を結び制限を設ける。

たまに負の勢力が保護し神々の手を焼かせる存在になるが大抵は露見しその時点で処理される。

だが、クロードの出自は特殊だった。

全てを生み出した神と全てを滅ぼしてきた神との間に生まれたクロードは生まれた時点で他の神々よりも強かったのだ。

クロードは別に神殺しになる必要はなかった。

だが、クロードは神殺しになることを選んだ。

神を止められる者は神だけである。

世界を支配し際限なく神は強くなっていく。

そうすると暴走する神も現れる。

神と神が通常戦っても力を一時的に落とすことはあっても時間が経てば元に戻る。

その例外が神殺しに殺された場合だ。

神殺しは殺した神の力を奪い取る。

奪い取られた力は元に戻ることはない。

その為に神殺しは徹底的に目の敵にされる。

阿修羅にとって不幸だったのは神としての特性を残していたことだ。

それがなければここまで一方的な戦いにはならなかっただろう。

阿修羅の動きは力を奪われ遅くなっていきクロードは力を得て速く一撃の重さも重くなっていく。

クロードの剣が阿修羅のコアを貫いた。

それと同時に修羅界への浸食も完了し蓄えた妖気と神力がクロードに吸収されていく。

「ふぅ・・・。中々手こずったな」

クロードとしては油断していたわけではないが分体ぐらいはもっと簡単に片づけられると思っていた。

だが、今の実力は思っていたよりは低いらしい。

修羅界が崩壊していく。

クロード転移魔法を発動して地球へと戻った。

全てを失った修羅界は虚無空間へと飲みこまれていった。