軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

六百十八話

「本を見ただけでそれだけ使えるとはな」

双剣からすれば嫉妬するような才能だ。

「でも、長期間維持することができませんよ」

「それはそうだろう。大事な物を忘れているからな」

そう言って双剣が取り出したのは血から作り出した宝玉だ。

「こいつを使って固定化するんだ。血には神力が含まれている。宝玉化させることで神力を濃縮し少しずつ宝玉から神力を取り出すようにしてやればいいんだ」

前回、クロードは裂け目から出てくる妖怪を倒すのに必死で見逃していただけで宝玉を複数用いることで封印用の結界を作り出していたのだ。

「これはお前さんの血から作り出したものだ」

「いつの間に・・・」

「浄化の儀式の時に血を提供しただろ。その時のあまりだな」

「あまりですか」

「担当者と話したがお前の血に含まれる神力が多すぎてあまり使えなかったらしい」

「そうなんですね」

「あれはバランス感覚が大事だからな。1人の神力が高すぎても機能しなくなるんだ」

そう言われれば納得だ。

話を聞けば神力持ちの者達は神々と人の子の間に誕生した人々なのだという。

その為、生まれつき神力を持っている。

血が途絶えた時期もあるがその度に神が降臨し組織を維持してきた。

そんなわけで世界の裏で活躍するこの組織はかなり特殊な存在だ。

強力な神力を持っている者は少数でそれを数でカバーしている。

突出した実力者は尊敬されると共に恐怖もされる。

それはその人物が問題を起こした際に止められる人間がいないからだ。

実際に過去、力に取りつかれ悪魔や魔族といった者達と結託して組織を大混乱に落とし込んだ人物もいるらしい。

その度に神々に頼み込み討伐を依頼した。

現在では語る者がいないが本社の書物庫にはそういった事例を記した書物が残っているという。

後で確認してみるといいと言われた。

これは一種の警告だろう。

力の強いクロードを止められる人間は組織の中には存在しない。

だが、暴走した者の末路を知ることで抑止する。

そんな思惑もあるのだろう。

「さて、基礎は抑えたな。なら、実験といこうじゃないか」

「実験ですか」

「お前さんの解答を見ていくつか試してみたいことがあってな」

「ご自分でされればよいのでは・・・」

「残念ながら俺の神力はそんなに高くないんだ。すぐにガス欠になっちまう」

「それで僕にやらせようと・・・」

「お前さんなら多少無理させても大丈夫そうだからな」

こうして二剣のモルモットになることが決まった。