軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

六百四話

「そうそう。忘れる所でした」

そう言ってクロードはアイテムボックスから改良した転移門を取り出す。

「これは転移門か」

「はい。ただ、改良を加えまして転移距離が大幅に増えております」

「ふむ。それは喜ばしいことだな」

現在、稼働している転移門は移動距離に制約があり長距離を移動する場合、複数の転移門を潜り抜ける必要がある。

「後は、以前の転移門は定期的な魔石の交換が必要でしたがこちらは周囲から魔力を集め半永久的に稼働するようにしてあります」

「それは本当か」

「はい」

今、王国の抱える問題として複数の転移門を稼働させる為に魔石の確保が問題視されていた。

「それでこれはどこに配置するのが望ましいかの」

「まずは同盟国であるドラゴニアがよろしいかと」

「防衛上それがよいか」

転移門は便利ではあるが敵に利用された場合諸刃の剣になりかねない。

稼働している転移門も警備の兵士を派遣しているのだ。

転移門が奪われた場合、王国内部に敵勢力が大挙して押し寄せる可能性もある。

「そう言えば、クロードはマクレガン卿を知っておるかの」

「確か、代々魔道具を作っている方ですよね」

「魔道具の研究用にと色々集めておるらしくてな。中には危険な魔剣や呪われた道具などもあるらしい」

「なるほど。ハイエルフ達を連れて近々訪ねてみます」

「うむ。よろしく頼む」

「それではそろそろ行きますね」

「まぁ、待て。お主達も来年で中等部になるじゃろ。そこで、中等部に上がり次第エリーゼとの結婚式をしようと思うのだがどうだろうか」

「結婚式ですか」

「うむ。エリーゼとの結婚を諦めていない貴族も多い。ここらで諦めさせるのもよかろう」

「わかりました」

「まぁ、妬む貴族も出ると思うがお主なら大丈夫だろう」

貴族の婚姻は政治的な思惑で行われることも多い。

お互いに好きあっている今の現状は喜ばしいことだろう。

「それでは、今度こそ行きますね」

「うむ」

クロードはハイエルフ達に近々、マクレガン卿を訪ねることを確認してから学園の寮へと戻った。

婚約の件をエリーゼに報告すると泣いて喜んでくれてほっとした。

そんな二人をアイナとミーシェが微笑ましい顔で見ていた。

その夜、クロードは両親と兄弟に向けて手紙を書いた。

しかし、平和な空気は長続きしなかった。

ロキ出現の情報を精霊が告げにきたのだ。

クロードはロキの出現した場所に全速力で向かっていった。