作品タイトル不明
六十話
守勢にまわっていてはジリ貧であると判断しネツァルさんの援護のもと武技を連発して手早く片付けていく。
「爺使いがあらいの。じゃが悪くない手じゃ」
ワーカーアントはみるみると数を減らし状況は好転していく。
「これでラスト」
最後のワーカーアントを倒した時には二人ともヘロヘロであったが手際よくドロップ品を回収する。
「なんとかなったの。こんなところに長居は無用じゃ」
「そうですね。これ以上蟻の相手はしたくありません」
二人そろって転移魔法を使いダンジョンの入り口に戻ってきた。
「ふぅ。外の空気はうまいのう」
外に出ておもいっきり体を伸ばす。
「思っていたより長居してしまいましたね」
「儂が欲を出したばかりに済まんの」
「貴重な鉱石を大量に入手できましたし何より誘ったのは僕ですから」
「それでは帰るとするかの」
「みんな心配してそうですしそうしましょうか」
転移魔法で屋敷まで戻る。
「ただいま」
「クロード様。ネツァル様。おかえりなさいませ」
使用人の一人が出迎えてくれる。
「儂は研究に使う分があればいいから残りはクロードが使ってくれてよいぞ」
ネツァルさんは大量のインゴットを手渡してくれる。
「ありがとうございます」
疲れているし鍛冶屋への発注は明日することにしてお風呂でのんびりした後はすぐ眠りについたのだった。
クロードが眠っているころ書斎ではファイネルとファールハイトが話し合いをしていた。
「クロードは帰ってきたようだな」
「疲れてはいるようですが無事に帰ってきてくれてほっとしています」
「役目を与えられて張りきっているようだが心配だな」
「勉強をさせるという名目でしばらく行動を縛りましょう。教材は何とか用意しました」
クロードの学習意欲は高く既に高等部で教えるような科目も終えており教材を用意するのも大変なのだがクロードの安全を考えて頭を捻り用意した特別品である。
「勉学の方も頑張りすぎて学園に通わせる意味があるのかと疑問にも思えてきてしまうがな」
学園は10歳から13歳までの3年間が初等部。
13歳から16歳までの3年間が中等部。
16歳から20歳までの4年間が高等部である。
「人脈を築くというのも学園に行く意味ですが今のままだと飛び級は確実でしょうね。研究室に送り込まれる可能性もありますが」
「優秀すぎるのも悩みどころだな」
「まったくですね。クロードが嬉しそうにしているのを見てついつい教えてきましたが本当にこれでよかったのか」
家族達はこれから歩んでいくクロードの未来を心配し憂うのであった。