軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

五百八十二話

クロードが目を覚ますとそこは最近見慣れてきた風景だった。

「クロード。目が覚めたのね」

「イフさん。それにカランさんとシルフィーさんも」

三者三様に心配そうな顔をしている。

経緯を聞いてみれば精霊王に助けられたようだ。

人の身で神力を使うのはやはり無茶だったか・・・。

「わかっていると思うけれどしばらくダンジョン攻略は中止よ」

体調的には悪くない。

というか以前よりいいのだが心配してくれるのは素直にありがたいので頷いておく。

それに仕込んで置いたあれも丁度良い感じになっているだろう。

寝ていようかと思ったのだが結局クロードは起きて料理を作っていた。

3人とも心配のあまり食事を取っていなかったらしい。

今回作っているのはカレーだ。

ハイエルフ達の料理教室で大量に出た野菜のペーストをメインにスパイスを加えリザードマンの肉を炙り焦げ目をつけてから鍋に投入する。

隠し味に赤ワインを加えて酒精を飛ばしたら完成だ。

今回は前に作っておいたナンをアイテムボックスから取り出して付け合わせのサラダを素早く仕上げれば食事の準備は完了だ。

4人で食卓を囲み大好評のうちにカレーは全てなくなった。

食事も終わったので仕込んで置いたものの様子を見に行く。

仕込んで置いたものの正体は醤油だ。

しっかり絞れていたので仕上げの作業に入る。

絞った生揚醤油に熱を加え微生物を失活させる。

色を整え醤油独特の香りづけをすればお手製の醤油の完成だ。

味を確かめこれならば十分だろうと判断したところでこちらをじっと見ていたカランに声をかける。

「カランさん。どうしたんですか」

「いや、なに。何やら面白そうなことをしておるからな」

「なら、実際に作ってみませんか」

「良いのかの」

「えぇ。元々ハイエルフの里に調味料を増やそうと思って作っていた物ですから」

クロードは丁寧に手順を教えていく。

カランは真剣にその話を聞いている。

「なるほど。これならば作れるかもしれんな」

「わからないことがあったら気軽に聞きにきてください」

「頼りにしておるよ」

カランは醤油作り用の魔道具を抱えてウキウキして出ていった。

後日、ファフニールからクロードは怒られた。

その理由は醤油作り用の魔道具を作ってくれとハイエルフ達が詰めかけたことによる。

この時はとっておきの酒を提供することによって難を逃れた。

これ以後、ハイエルフの中には調味料についてクロードのところに聞きにくる者も出たほどだ。

世界樹にはありとあらゆる材料が揃っていた為、少しずつではあるがハイエルフの里はありとあらゆる物が食べられる理想郷へと近づいていった。