軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

五百六十五話

クロによれば漏れ出ている力は何にでも使えるが何ににも使えない力だという。

トンチのような説明ではあるがクロードも意味は何となく理解できていた。

漏れ出ている力はただ、そこにあるだけで使おうと意識しなければ何も起こらない。

例えば強化魔法に少しでも混ぜれば強化具合が爆発的に跳ね上がる。

しかし、問題がないわけではない。

強化具合を少しでもミスればその力は自分自身の肉体を傷つける。

生身の体でこの力を扱うのは危険すぎるのだ。

十全にこの力を使おうと思えば肉体そのものを作り変えるしかないだろう。

しかし、それをするには人の体はモロすぎた。

今、生きている世界は魔物を倒せば倒すほど体の性能が上がる世界である。

それは魔物を倒すと魔物が持っていた魔力を肉体が取り込むからだ。

しかし、その取り込む量にも限界がある。

通常であれば魔力の取り込む限界値がある。

その上限がこの世界で才能の差として現れる。

しかし、クロードの場合は北欧の神々が細工したことによりその限界値が存在しない。

やる気になればどこまでも強くなれる。

その結果というわけかクロードは普通の人の肉体ではなくなってしまっている。

それが漏れ出る力をある程度使えていた正体だ。

とはいえ漏れ出ている力を扱うのに不十分だ。

「主様が承諾してくれるなら肉体を作り変えることは可能にゃ」

今までは普通の人生を過ごせるように溢れ出る力を抑えることに重点を置いていたらしいが強さを求めている現状、望むならその方針を方向転換してくれるようだ。

「頼めるかな」

「わかったにゃ。ただ、そのためには主様にもっと魔物を倒してもらう必要があるにゃ」

「それは勿論」

今世では大事な者が出来過ぎた。

それを守る為ならば何でもできる。

肉体を作り変えることを決めた翌日からクロードは休憩時間をほぼ削ってハイオークを狩り続けた。

階層を上がり上位種であるハイオークナイトやウィザードなども混じっているがあっという間に倒してしまう。

ハイオーク達もただ倒されているわけではない。

指揮官であるハイオークコマンダーの号令の下、クロードを排除しようと組織だって動いている。

しかし、クロードはそれを嘲笑うように駆け抜けていく。

クロードが剣を振るうたびに防御陣を引いているハイオークナイトが数体斬られる。

ハイオークウィザードが弾幕を張るように魔法を放つが着弾するときには既に移動を終えた後だ。

逆に魔法を撃ち込まれ数体のハイオークウィザードが巻き込まれる。

ハイオーク達からすればまさに悪夢だった。