軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

五百五十話

シンラ帝国帝城にて歴史的な会議が行われていた。

出席者はシンラ帝国皇帝ヨハネス・ド・シンラ。

他にはゲルマン王国国王ポセイドスをはじめとした連合軍を代表する者達だ。

「此度は愚息が大変迷惑をかけた。皇帝として父として謝罪する」

皇帝が謝罪したことによりシンラ帝国側の出席者がざわつく。

それほど、皇帝が謝罪するというのは異例だ。

「謝罪を受け入れよう。今後、このようなことが起きないようどうするかが問題だ」

ポセイドスが周囲を代表するように答える。

悪しき前例をシンラ帝国が作ってしまった形だが力を欲した国が同じような事例を起こさないとも限らない。

魔族の魔の手はどの国に伸ばされるのかわからないのが問題なのだ。

「現在、貴国より提供された方法で帝国内の精査を開始している。各所からの報告待ちではあるが既にいくつか魔族の痕跡が確認されている。我が国がこれほど魔族の手に侵されているとは思っていなかった」

ポセイドスとしても同情する気持ちがないわけではない。

しかし、これだけの大事となったのだ。

簡単にシンラ帝国を許すわけにもいかなかった。

「我々が要求するのは今回かかった費用の賠償。それと相互監視の確立だ」

「概要は見せてもらった。賠償に関しては分割を認めてもらいたい。一度に払える額を超えている。相互監視についてはこちらとしてもお願いしたい」

「分割か。だが最低でもこのぐらいの額は認めてもらいたいものだな」

ポセイドスはすっかりサポート役に収まっているファールハイトに紙を渡し相手側に提示する。

「わかった。その額を飲もう」

「陛下、お待ちください。この額を認めれば不満を爆発する者が出てしまいます」

「下がれ。これ以上減額を求めれば帝国の威信に関わる」

ヨハネスとしてもこの額は正直痛い。

数年は軍事行動を起こすのは難しいだろう。

だが、軍国主義に傾き過ぎた帝国の現状を変えるのには丁度いいかもしれない。

「承諾していただけるということでよろしいか」

「あぁ。構わぬ」

「相互監視についてだが・・・」

こうしてシンラ帝国ヨハネスとポセイドスの交渉は続いていく。

今回の交渉で決まったのは次のとおりである。

シンラ帝国は分割ではあるが今回かかった戦費を負担すること。

両国で活動していて捕まった密偵達の解放。

必要だと判断した場合は相手側の視察を無条件で受け入れること。

その他にも細々とした約定が設けられ会議は終了した。