軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

五百四十二話

精鋭で固められた各騎士団の被害も甚大だった。

連戦で疲れていたのもあるだろう。

しかし、みたこともない魔物の強さが際立っていた。

今は地上部に溢れた魔物は全て討伐され地下に残っている魔物を討伐しているところだ。

地上に溢れた魔物を討伐する間に実にザイネルの半数の市民に被害が出ていた。

従軍した教会関係者は忙しそうに走り回っている。

シスター見習いとして同行したアンジェリカも同様で今は治療の権限を高めるために臨時昇格としてシスターとなっていた。

唯一の救いとしては戦争の為に作っておいた回復薬が思っていた以上に残っており軽度の怪我人は早々に復帰できていることか。

とはいえ、重症で命の境をさまよっている人も多いが。

今も、怪我人が続々と運びこまれてくる。

その中に見知った人物が含まれていた。

以前、陣地で困っているところを助けてくれたクロードにどこか似た男性騎士だ。

彼の鎧はボロボロで同僚の騎士が二人抱えるように運んでいる。

人の命に順番をつけるのは間違っているが今は非常時だ。

精鋭である騎士団関係者を優先的に治療するように指示が出ていた。

アンジェリカは迷わず彼の元に駆け寄り状態を見る。

非常にまずい状態だ。

怪我も酷いが出血を多すぎる。

このまま放置したら間違いなく命を落とすだろう。

「なんとか、鎧を脱がしてください」

アンジェリカの指示で彼を連れてきた騎士二人が苦労しながらも鎧を脱がす。

血で固まった服もナイフで切り裂き排除する。

アンジェリカは慎重に傷を調べる。

傷は鎧をきていたにもかかわらず内臓にまで達していた。

まずは内臓の傷に正常な状態を思い浮かべながら回復魔法をかける。

長い時間をかけ内臓を治療しそれが一段落すると造血効果のある回復薬を飲ませる。

すぐに生成が開始されるわけではないが飲ませないよりはマシだ。

そして、外傷の治療に取り掛かった。

途中、魔力が尽きそうになり回復薬を飲みつつも治療を完了させた。

治療は完了したがまだまだ予断を許さない状況だ。

今夜が山場だろう。

アンジェリカがいつまでも付き添うわけにもいかない。

治療を必要とする人々がまだまだ沢山いるのだから。

付き添ってきた騎士に容体が悪化したら知らせてほしいと伝え後ろ髪引かれる思いでその場を後にした。

アンジェリカは疲労からかいつの間にか眠りに落ちていた。

そこに急を知らせる騎士が息を切らせて走り込んできた。

嫌な予感を覚えつつ患者の元へ走るのだった。