軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

五百三十四話

エリーゼ達の輸送部隊が度々賊に襲われる原因はシンラ帝国の密偵達にあった。

彼等は王族であるエリーゼや貴族の娘の多い輸送部隊を賊達に襲わせ身柄を確保しようと暗躍していたのである。

しかし、王都に出来たダンジョンにより実戦経験とステータスが飛躍的に上がっていることが計算に入っていなかった。

そういう事情によりそこらの賊程度ではまともな戦闘にすら入れなかったのである。

ゲルマン王国側の密偵達もシンラ帝国側の密偵達の存在に気づいていたがあえて放置していた。

エリーゼをはじめ優秀な生徒で固めている輸送部隊を囮にすることで他の輸送部隊の安全を確保すると共にシンラ帝国側の密偵達の行動をコントロールすることで他の謀略に着手されることを阻止する狙いがあった。

このことはエリーゼ達、学生には知らされていなかったがエリーゼは薄々気が付いていた。

あまりにも賊に出会う頻度が多いこと。

指定された輸送ルートに不自然な点があること。

これらを俯瞰的に考えると自分達が囮にされていると考えるのが自然だった。

しかし、同じ輸送部隊の生徒達にはあえてその指摘をしなかった。

情報が洩れるとは考えないが襲われるとわかれば自然と行動に出てしまい賊を警戒させるのではないかと考えたからだ。

そういったことからエリーゼは自分の心のうちに留めて置くことにした。

一方クロードは順調に世界樹を攻略していた。

鮫や鯨など固かったり巨大な肉体を持つことにより倒すのに時間のかかる魔物が増えてきていた。

殲滅力だけを考えれば雷の精霊が有効であるのはわかっていたが他の特殊な属性の精霊を鍛えるためにクロードはあえて育成の遅れている属性の精霊を剣に宿して戦っていた。

そのおかげもあって特殊な属性の精霊達は本来備えている特殊な能力を少しずつではあるが身に着けていた。

例えば時の精霊は少し攻撃のタイミングをずらすだけだったのが精霊の目とリンクすることで未来視をクロードに授けることが出来たりといった具合だ。

未来視を手に入れたことにより今までは精霊達が敵の行動を見て魔法を放っていたがクロードが適切な行動を指示してより効率的に殲滅できるようになっていた。

最初は口頭で指示を出していたのだがそれでは非効率的だと精霊達は考えたのかクロードに精霊のネットワークを利用してみてはと提案されクロードはそれに乗った。

精霊達は個にして全である。

その情報量は人が処理するにはあまりにも多く精霊のネットワークに接続した当初は比喩でなく熱をあげてパンクする寸前であった。

それに気づいた精霊達は流す情報を制限し少しずつクロードを慣れさせていった。