軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

五百二十一話

ロマニア達の退却を妨害するように度々ゴブリンの集団が襲い掛かってきた。

傷ついた兵士達だけでは追撃してくるゴブリンと挟撃されてさらなる被害を出していただろう。

救出の為に出陣したプロミネンス騎士団と長年外敵に対して相対してきたミッシア辺境騎士団の練度はすさまじく現れたゴブリンの集団を効率よく討伐し退路を確保する。

先導するように前方を飛んでいるワイバーン部隊も装備を補充して地上を行く救出部隊の負担を大きく軽減させていた。

戦功を焦り勝手に動いた自分達は大きな負担をかけている。

プロミネンス侯爵家に敵対心を抱き嫌いだなどと言っていたが今ならわかる。

単に羨ましかったのだ。

自分には出来ぬことを易々と行うプロミネンス侯爵家。

自分なりに工夫をいくつもしてきた。

それでも追いかける背は遠くいつからか追いかけるのに疲れ嫉妬心だけが膨れ上がっていった。

自分の子供達にも随分と辛く当たってきた。

常にプロミネンス侯爵家の子供と比べ何故出来ぬのかと責めるようなことばかり。

そんな環境では萎縮し本来の資質を発揮することもできなかっただろう。

自分は何もかも間違えていたのかと今ならわかる。

こんな、間違いばかりを繰り返してきた自分にもまだ出来ることがあるだろうか。

そんなことばかり考えていた。

「ロマニア卿。酷い顔をしているぞ」

「タイラント卿か。我々を笑ってくれてもよいのだぞ」

「確かに勝手に動いたのは失態だろう。だが、強硬偵察をしたと考えればよい」

「そうは言うが・・・。」

「過去を悔やむのは後でもできる。今、我々がすべきなのは目の前の脅威にどう対応するかだ」

長年辺境を守ってきた実感がそこには籠っていた。

伝令として単騎がけしてきたワイバーン騎兵の報告を受け取ってポセイドスとファールハイトもほっとしていた。

「何とか間に合ったか。しかし、これは難儀しそうだな」

「そうですね。恐らくシンラ帝国の兵士は奥に籠って動かないでしょう。そうなると武装したゴブリンとの消耗戦になります」

「陣地構築のほうはどうなっておる」

「そちらはほぼ完了しております。まだ、集結出来ていない国もおりますが収容できるかと」

今回、構築している陣地は木と土壁をメインに構築している。

形はクロードが戦略研究室で提唱した星型である。

火薬を用いた武器はまだ存在していないがそれに代わる存在として魔法や攻撃用の魔道具が存在している。

これらを効率的に活用するためとして提唱された形だ。

実戦で使われるのはこれがはじめてであるがファールハイトは勝利を確信していた。