軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

五百二十話

ロマニア達はシンラ帝国の部隊に対応しつつ後方から攻めるゴブリンに対応していた。

シンラ帝国の部隊は動きが鈍いのが救いだろうか。

前の戦争では空中から迫るワイバーン部隊と精鋭の騎士に散々に討ち取られ練兵が間に合っていないのだろう。

皮肉な話ではあるが新米の辺境伯であるクロードに助けられた形だ。

そして、誤算であったのは装備の整ったゴブリンが想像以上に厄介な存在であるということだ。

今は、何とか対応出来ているがそれも時間の問題のように思える。

負傷者は確実に増えていく。

負傷した兵士は簡単な手当の元、再び目の前の脅威を取り除くために武器を持ち勇敢に戦っているが治療のための薬も予備武器もどんどん減っていく。

諦めかけた時、空から突然それは現れた。

翼をはためかせ一直線にこちらに向かってくる。

手には投擲用と思われる細い槍を持ち次々と投擲し凄まじい速度であれだけ苦戦していたゴブリンを一掃していく。

投擲用の武器を使いきったのか降りてきたワイバーン部隊はシンラ帝国の重装騎兵や重装歩兵との間に割り込み牽制をはじめる。

空を飛び機動力が売りに見えたワイバーン部隊は地上でも猛威を振るった。

どこまですればここまでの強兵に育てられるのか。

まさに一騎当千と呼べる働きだ。

指揮官としてここで新たに手を打つ。

ワイバーン部隊に自分達が加わったところで足手まといだろう。

ワイバーン部隊の投擲により混乱しているゴブリン達に戦力を集中し囲いを強引に抜け出す。

残念ながら力尽きる兵士もいるがなんとか囲いを抜けた兵士達をまとめあげる。

ゴブリン達は勇敢にも追撃してきており犠牲者は増え続けたが全滅するよりはマシである。

程なくして救出部隊と思われる騎士の一団と遭遇した。

救出に来たミッシア辺境伯家の騎士は信号弾を打ち上げる。

時間稼ぎに徹していたワイバーン部隊は上空に退避し追いついてくる。

ワイバーン部隊はよく見れば数が減っている。

あれだけの強さをもってしても犠牲者ゼロとはいかなかった。

航空戦力は虎の子だ。

その貴重な戦力に犠牲を出してしまった。

ロマニアは自分達の被害も相当なものであるが国王であるポセイドスの叱責が思い浮かぶようだった。

こうして後の世に聖戦と呼ばれる戦闘はゲルマン王国側に大きな被害を出して幕を閉じた。

余談ではあるがこの戦いでのシンラ帝国側の被害も決して軽微ではなかった。

まず、装備を整えたゴブリンに想定以上の被害が出、ワイバーン部隊の奮戦により重装備の兵士達にもかなりの被害が出ていたのである。