軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

四百七十九話

話し合いの場は村長宅に移りまだ続いていた。

話をややこしくしている理由の一つはクロードが国外の上級貴族であるということだ。

村を大改造してしまったことで本来であれば内政干渉であるとも言える。

ハイネルとしては感謝しかないのだが他の貴族に国外の貴族の力を借りたと知られれば攻撃されかねない。

クロードとしては一冒険者で通すつもりであったがメイアンには何か考えがあるようだった。

「ゲルマン王国は我が国から見れば大国です。幸い距離があるのでその存在を知っている貴族は多くないでしょう」

「私もそのように思えるがどうしたらいいのだ」

「そこでクロード卿はゲルマン王国から同盟を結ぶ密命で我が国にやってきたことにするのです」

「密命ですか」

「そして、我々はその本気度を確かめるため魔物の被害に困っている村を何とかしてほしいと頼んだことにします」

「なるほど。それならばこの村がこうなってしまった説明もできると」

「少し無理矢理すぎませんか」

「そこは我々外務省がなんとかしましょう。私達、外務省としてはゲルマン王国からの申し出は破格の条件なのです。現在、我が国は魔物の対応に追われて国外の国々に対応する余力はありません。そこに遠方と言えども大国のゲルマン王国と同盟を結べれば大きな抑止力となるはずです」

「そういうものですか」

「そういうものです」

こうしてクロードがしでかした問題はアライアン王国外務省の独断ということで解決をみるのだった。

領主であるハイネルは領民の安全を考え周囲の領民をこの村に避難させ兵士も少数ではあるが派遣してよりこの村の安全を図るという決断をくだした。

また、冒険者組合にも働きかけ冒険者組合の支部も置く予定であるとのことである。

最後にクロードとハイネルはその日の宿で揉めることになるのだがクロードが村を守る若者のリーダー役の家で泊まることで何とか折り合いがついた。

次の日、クロードは領主であるハイネルと外交官であるメイアンに多くの村人に見送られ迷いの森へ向けて旅立った。

多くの村人からすれば滅亡の淵に立たされていた村を救ってくれた英雄であり大恩人である。

この一件に対して粗を探そうとする貴族もいないではなかったが外務省の努力とアライアン王国国王の判断によって沈静化していった。

クロードの話は村の子供達に代々語り継がれたまたま立ち寄った吟遊詩人の琴線に触れ詩となって語られることとなる。

強大な魔物を討伐し村を救い報酬も受け取らず旅立った一人の冒険者の話として。