軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

四百五十九話

クロードが王命で素材集めに奔走する中、学園の生徒達の反応は大きく分けて2つに分かれていた。

強大な敵の存在に心折られ絶望する者。

あの時、何も出来なかったと闘志を燃え上がらせ修練に挑む者。

クロードの姉であるアイリスは後者であった。

元々姉として弟には負けられないと普段から魔法の修練に励んでいたがあの謎の敵の襲来を受けてますます闘志を燃やしていたのである。

今も演習場で一人上級魔法の練習をしていた。

そこに一人の下級生の女の子が入ってくる。

彼女はクロードの婚約者となった第10王女エリーゼだった。

「アイリス義姉様。荒れていますね」

「私は何も出来なかったわ」

アイリスは大蛇が現れた時、混乱する生徒達を放っておくことが出来ず必死に指揮を執っていた。

そして、謎の男が現れた時、気絶するような醜態を晒すことはなかったが死を覚悟し動くことが出来なかった。

「何も出来なかったのは私も一緒です。クロードの隣に立ちたいと願っておきながら情けない限りです」

「貴方はまだ初等部2年生だもの」

「いいえ、義姉様。クロードの隣に立ちたいなら年齢は関係ありません」

「そういうってことは何か考えがあるのね」

「もうじき学園は春休みに入ります。クロードは忙しいみたいですから私達と共にダンジョンに修行に行きませんか」

「達・・・。ということは他にも参加者がいるのね」

「クロードの戦いを見て自分の力のなさを後悔している方達が少数ではありますがおります。私達が一生懸命、力を身につけてもきっとクロードのようにはなれません。ですが、何かしら出来ることがあるはずです」

「確かに我武者羅に魔法の練習をしているよりは有意義かもね。私も同行するわ」

「義姉様。よろしくお願いします。私はこれから他にも同行してくださる方がいないか学内を探すつもりです」

「わかったわ。私の方でも同行してくれそうな人達に声をかけてみるわ」

こうしてヨルムンガンドとロキに対して無力だった学園の生徒の有志達は春休み期間中のダンジョン篭りを決意する。

エリーゼは父親である国王ポセイドスに頼み安全を確保すべく護衛の手配をしていたが学園の教員達も生徒のやる気に感化され休日返上で付き合う者が現れる。

彼等の想いは一つ。

クロード頼りの現状を良しとせずそれを打開すること。

自分達に出来ることは微々たるものかもしれないが今出来ることを全力で取り組み始めたのである。

ロキが人間界に現れたことにより天界からゲルマン王国を見ていたオーディンはこの変化を喜んでいた。