軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

四百十二話

ドラゴニア王国の竜騎士達が去ってしばらくしてジュネシス王国の軍隊には明らかに動きがでていた。

竜騎士達が去ったことにより攻め時と考えたのだろう。

クロードは風魔法を応用して声を拡張させてジュネシス王国の軍隊に警告を与える。

「国境を超えた場合は容赦なく焼き払います」

それが可能なのだと示す為に上級魔法であるインフェルノで渓谷中を火の海に変える。

しかし、ジュネシス王国側はそれを無視するように進軍してくる。

クロードは気は進まないが仕方なく前方集団にインフェルノを発動させる。

ジュネシス王国の兵士達は瞬く間に火達磨になり進軍が止まる。

これで無茶な進軍は止められるだろうと思っていたのだがジュネシス王国の兵士達は散開して突撃してくる。

ドラゴニア王国側にここを任された以上はジュネシス王国の進軍を何としても止める必要があるため彼等には恨みはないがインフェルノで焼き払い続けた。

ジュネシス王国の指揮官はドラゴニアの竜騎士達が去り残ったのは子供一人であることをチャンスだと考えて進軍を指示した。

しかし、その残った子供は化け物みたいな魔法を連発してくる。

保有魔力を考えれば突破できるはずだと散発的に兵士を送り込んでいたが魔法は途切れることなく飛んできていた。

「閣下。このままでは無為に兵士の命を失うことになります」

「わかっている。しかし、相手も人間だ。いつかは魔力が尽きるはず。このまま攻め続けさせるんだ」

ジュネシス王国の指揮官はこの判断を後悔することとなる。

この国境の争いは三日三晩続くこととなりジュネシス王国側は大量の戦死者を出して撤退していった。

「ふあ~ぁ。これで国境は大丈夫かな」

三日三晩動き続けたクロードは流石に疲労感を覚えていた。

居残っていったドラゴニアの歩兵部隊に合流する。

「大丈夫だとは思いますが国境の監視はお願いします」

対応した兵士は緊張しているようだが何とか答えてくれる。

「監視はお任せください。このような場所ではありますが天幕をご用意いたしました」

クロードは天幕に案内される。

「何かあれば起こしてください」

「はっ。ごゆっくりお休みください」

それだけ言って兵士は去っていった。

クロードは横になるとすぐ眠りに落ちていく。

ドラゴニアの兵士達はクロードの噂をしていた。

「恐ろしい子供もいたものだ」

「口には気をつけろ。同盟国の辺境伯様だぞ」

残留した部隊はクロードの素性について説明を受けていた。

同盟国のゲルマン王国の辺境伯であり有力な援軍だと。

しかし、有力な援軍であるのは確かだがそれが自分達に向けられないとは限らない。

尊敬と共に畏怖してしまう。

それは平凡な力しか持たない者の生存本能のようなものであった。