軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

四百十話

ミューヘン卿に案内されたのは大きな会議室だった。

ドラゴニアの女王であるアンジェリカ・ド・ドラゴニアの姿もある。

「アンジェリカ女王陛下。ご無沙汰しております」

「クロード卿か。よく来てくれた」

「クロード卿に状況を理解していただくために説明したいのですが」

「うむ。よろしく頼む」

「現在、我が国の西にある国が国境を越えようと軍を差し向けてきています」

ミューヘン卿は地図のある地点を指さして説明してくれる。

「我が国の主力である竜騎士達がそれを阻止すべく対応している最中です。ですが、ここで問題が発生しました。魔物の突然発生です」

「状況は理解しました。ゲルマン王国から現在、救援の軍が向かってきていますが到着にはまだ時間がかかるでしょう」

「ありがたい話だ」

「ですが、このままでは民に間違いなく被害が出てしまいます。そこで僕が国境の守備を一人で請け負い竜騎士団の方々には魔物の駆除に動いてもらうのはどうでしょうか」

会議室には困惑が広がっている。

「クロード卿。何か勝算があるのでしょうか」

「幸い、国境は狭い渓谷です。範囲魔法で牽制すれば相手は進軍を躊躇するのではないでしょうか」

「そうでなかった場合は」

「不本意ですが殲滅いたします」

まだ成人していない子供からこのような話をされて動揺が広がっていく。

ここで女王陛下であるアンジェリカは決断を下す。

「クロード卿。そなたはゲルマン王国の威信を背負っている。そう考えてもよいのか」

王家の徽章をつけている今のクロードは国王陛下であるポセイドスの代理人だ。

発言、行動にはそれだけ重い責任が伴ってくる。

だからこそ、クロードは自信満々に答える。

「伊達に辺境伯の地位を賜っていないことを証明してみせましょう」

「わかった。国境はクロード卿に任せるとしよう。ミューヘン卿。クロード卿と共に国境に赴き全竜騎士に説明を頼む」

「わかりました。お任せください」

ミューヘン卿とクロードは時間が惜しいと言わんばかりに城を出て空の人となる。

今回、クロードが乗っているのはグリーンドラゴンだ。

これは自領の航空戦力を確保したときに用意しておいた1体である。

戦闘を行うなら乗り慣れているグリフォンを選ぶのだが今回はスピード重視である。

グリーンドラゴンは中級竜ということもあり他の竜よりも飛行速度がかなり速い。

「クロード卿。前回はグリフォンに乗っておられませんでしたか」

「今はスピードが大事ですから」

ミューヘン卿はさり気なく探りを入れてきていたがそれをさらりとかわす。

クロードが答える気がないと受け取ったミューヘン卿は国境へ向けてさらにスピードをあげさせるのだった。