軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

四百五話

クロード達が3層と4層の間の安全地帯に戻ると助けられた冒険者達はまだ残っていた。

「怪我の具合はどうですか」

「もうすっかり大丈夫です」

「これから僕達は地上に戻りますので一緒に行きましょう」

「何から何までお世話になって申し訳ない」

元冒険者の護衛達が亡くなった者を担ぎ助けられた冒険者達と共にクロード達は地上を目指した。

道中のワーカーアントはエリーゼと高等部の生徒達が片付けていく。

時間はかかったが無事に地上に戻ってきたクロードは助けた冒険者達と別れて学園への帰途についていた。

助けた冒険者達はお礼をと言ってくれたが無用だと告げて別れた。

これから彼らがどうするのかはわからないが冒険者を続けるにしろ辞めるにしろ困難な道が待っているのは間違いない。

クロードが彼らに救いの手を差し伸べるのは簡単だがそれでは彼等の為にはならないだろう。

「今回はイレギュラーな形になりましたけど無事に演習を終えることが出来てよかったです」

「あの人達、大丈夫かしら」

「冒険者はパーティーの壊滅には敏感ですからね。冒険者を続けるにしても大変でしょう」

「冒険者は常に危険と隣り合わせだもの。クロード君がいた今回は幸運だっただけよ」

自分達を危険に晒してまで他の冒険者を助けるかと聞かれればほとんどの冒険者が救出依頼を断る。

遺品が見つかればいい方でそれすらない敗れた冒険者も多いのである。

「一歩間違えれば俺達も仲間入りだってことを実感したよ。けど今は生還したことを喜ぶべきだな」

先輩達はあえて明るく振舞うことで気分を持ち上げようとしてくれる。

助けられなかったのは残念ではあるが彼等のことを考え続けていても仕方ない。

気分を切り替えたクロードも明るい話題を選んで会話に混ざるのだった。

馬車は問題なく学園に到着した。

先輩達は今回の演習で得たお金で街に繰り出すといって去っていった。

「僕たちはどうしましょうか」

「アイナとミーシェが待っていると思うから私は寮に戻るわ」

「それでは途中まで一緒に行きましょうか」

寮までの道を雑談しながら歩いた。

エリーゼに人の死と関わった暗い影はない。

クロードも2度の戦場で配下が怪我をしたが犠牲者を出すことはなかったため人の死と深くかかわったのは今回がはじめてだ。

クロードの教育方針はスパルタではあるが安全には十分配慮している。

危機的な状況になっても助けられる自信があったが今回のことで改めて考えさせられることもあった。

教師達はクロードを信頼してくれているがこれからも期待に応え続けることができるだろうかと考えるのだった。