作品タイトル不明
三百九十六話
クロードを先頭にクイーンワーカーアントが逃げたと思われる方向に進んでいく。
行く手には多くのワーカーアントが立ちふさがりその度に迎撃を強いられる。
無視して進むわけにもいかず殲滅を繰り返しながらダンジョンの奥へと向かっていく。
クロードの記憶が正しければこの先は行き止まりでありクイーンワーカーアントを捉えることが出来るはずだ。
「それにしても領主様は化け物だなぁ」
「俺らが苦戦する相手をあんなあっさり倒しちまうんだからな」
元冒険者達は気軽に話をしている。
これは余裕があるところを見せて硬くなりがちな学生達を鼓舞するための行動だ。
「軽口を叩く余裕があるとは感心ですね。働きに期待していますよ」
「いくら頑張っても領主様みたいな働きは無理ですって」
「為せば成る、為さねば成らぬ何事も。ですよ」
「それは何ですかい」
「東方のことわざって奴ですね」
「それで意味は」
「できそうもないことでも、その気になってやり通せばできるという意味ですよ」
「あははは。領主様も面白い冗談を言ってくれる。とはいえ、ここが力の見せ時です。張りきらせてもらいますよ」
そういって脇道から躍り出てきたワーカーアントに突っ込んでいく。
「はぁはぁ。俺達だって先輩として情けない姿は見せられないな」
突っ込んでいった元冒険者をフォローすべく高等部の生徒もそれに続く。
ここにきていい連係を見せはじめた皆の頑張りに応えるためにもクイーンワーカーアントは何としても討伐しなければとクロードもワーカーアントの群れに突っ込んでいく。
出てくるワーカーアントも少しずつ減っていきダンジョンの最奥までたどり着いた。
最奥の部屋には大量の卵が植え付けられておりクイーンワーカーアントが立ちふさがる。
今度こそ決着をつけるべくクロードはまず卵の処理をしてしまう。
クイーンワーカーアントがそれを阻止すべく突撃してくるすれ違いざまに斬りつけ卵の駆除を続ける。
全ての卵を焼き払い後はクイーンワーカーアントを残すのみとなった。
クロードは転移魔法で後ろをとり確実にダメージを与えていく。
多少は回復していたようだが前の戦いのダメージを引きずっていたクイーンワーカーアントは少しずつ動きを鈍らせ動けなくなったところを頭に一刺しして決着がついた。
これでグローリア鉱山の魔物の氾濫は事前に防がれたこととなる。
クロード達は休憩を取った後成果物であるアダマンタイトを回収しつつ安全地帯を目指すのだった。